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石巻日日新聞

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石巻市・東松島市・女川町の話題を掲載している夕刊紙「石巻日日新聞」のnote版マガジンです。とっておきの地域情報と過去記事などのアーカイブ。無料と有料記事があります。ぜひぜひフォ…
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2022年1月の記事一覧

就農第一歩は体験から 担い手センター・石巻百姓塾 男女5人特産セリ収穫

 石巻市農業担い手センターは29―30日、農業者の担い手確保に向け、北上町の同センターで「石巻百姓塾」を開いた。県内外から就農希望者や農業に興味を持つ人が集まり、旬を迎えたセリの収穫体験や農業者を交えたセミナーに参加した。同センターは農業者や関係機関との連携で、これまでも農産物の収穫や地域文化、暮らしを体験するイベントなどを催し、就農情報を提供しながら、アプローチしている。【渡邊裕紀】  同センターは一般社団法人イシノマキ・ファームが運営。石巻市は農業者の高齢化による担い手

フルーツ感覚〝まきいしトマト〟 石巻初のアイメック農法 新しい技術の水耕栽培

 石巻市で初めてとなる害虫や病原菌を通さず、水と養分だけで栽培できる特殊フィルムを用いたトマト栽培が注目を集めている。「アイメック農法」と言われ、生産しているのは同市蛇田のエヌファームで、糖度の高いフルーツトマト「まきいしトマト」を年間約10トン生産。インターネット販売などで関東圏から引き合いがあり、果肉100%のジュースはとても濃厚と飲食店から高い評価を受けている。特殊フィルムを使った栽培は環境負荷も小さい。  エヌファームは、建築資材を扱うニイヌマ(株)(新沼利英社長)

旧大川小の震災伝承応援 ご当地アイドル ORI☆姫隊 遺構維持へ30万円寄付

 宮城県のご当地アイドルグループ「みちのく仙台ORI☆姫隊」が23日、石巻市の震災遺構大川小学校を訪ね、伝承に重要な被災校舎の保存を応援しようと募金で集めた30万円を市に寄付した。  小学3年から大学4年のメンバー9人のうち4人が足を運び、市震災推進伝承室の水澤秀晃室長に寄付金を贈呈した。大川小では津波で児童・教員84人が犠牲になっており、小学5年のMIKI(ミキ)さん(10)は「この小学校で命の大切さを考え、学ぶことができる場として保存していってほしい」との気持ちを託し、

安心安全な旅へ工夫必須 新システム 課題山積 通信環境、代替案にも着目

 今月15-16日のМaaS(マース)実証実験「海街めぐり」モデルツアーは、トンガ諸島の海底火山爆発による津波注意報発表で1日目だけでやむなく中断された。それでも旅行実施前に船便のチケットを予約、決済を済ませて現地へ向かうという新たなシステムを試行できた。今後の課題を整理してみた。  まず、スマートフォンにアプリを取り込んでの予約・決済。これは画面の指示に従えば、それほど困難ではなかった。不明な点はスタッフにアドバイスを仰いだが、間違って購入したチケットをキャンセルして買い

「ホヤさばくより簡単」 観光大使の萌江さんPR スマホ確定申告を体験

 石巻税務署は、インターネットで申告や納税の手続きができるe-Tax(電子申告)をPRするため、26日にいしのまき観光大使でシンガーソングライターの萌江さん(27)を同署に招いた体験会を公開した。自らをホヤのアイドルと名乗る萌江さんは、スマートフォンで所得税の確定申告を模擬体験。「難しいイメージがあったが、ホヤのさばき方より簡単」と利便性を実感していた。  e-Taxは今年の申告(令和3年分)から、さらに利便性が向上。スマホのカメラで源泉徴収票を撮影すると金額や支払者情報が

捕鯨のまちと絶景の宿 石巻市・鮎川浜 離島中継地から滞在地へ

 一般社団法人石巻圏観光推進機構が主催したМaaS(マース)実証実験「海街めぐり」モニターツアーは、トンガ諸島の海底火山噴火による津波注意報発表で、2日目で中断となり、朝に乗船予定だった鮎川―金華山の船便が欠航。宮城県沿岸一帯に出された津波注意報はなかなか解除されず、結局ツアー続行を断念。安全を確認し、石巻へ直帰した。スタッフは「緊急対応の経験になった」と図らずも災害時のシミュレーションにもなった。  今回目玉にしていた田代島、網地島、金華山に渡るには、船のターミナルを使う

灯台下暗しのリゾート地 石巻市・田代島 ここでしか味わえない時間

 トンガ諸島の海底火山噴火による津波注意報で、中断となったМaaS(マース)実証実験「海街めぐり」モニターツアーは、新たなチケットの予約・決済システムの予行演習であると同時に「コロナ後」を見据えたツーリズムの試運転という側面もあった。ツアーを主催した一般社団法人石巻圏観光推進機構が着目したのは離島の田代島、網地島、金華山。今回唯一渡った田代島の魅力とは―。(3回続き)  石巻中央桟橋から島の北側・大泊まで約40分。仙石東北ラインで石巻から仙台へ行くよりも近い。旧北上川の河口

第2回マスター決定戦 笑いで石巻を盛り上げる 「きつね日和」85組の頂点

 総勢85組がエントリーした「第2回笑いで石巻エリアを盛り上げるお笑いマスター決定戦」(石巻圏観光推進機構主催)は23日、準決勝を突破した2組による決勝戦が行われ、コンビ結成3年目の「きつね日和」が優勝した。2人は芸人として、石巻で報酬20万円分の仕事を獲得。準優勝のコンビ「泣くなよ」とともに観光PRに一役買ってもらう。  昨年12月に準決勝があり、1次審査を通過した35組がオンラインでネタを披露。視聴者投票と事務局の審査で1位となった「きつね日和」と2位の「泣くなよ」が、

千葉勇作さんが死去 石巻市出身の日本画家 絵手紙に別れのあいさつ

 石巻市の老舗レストラン「たわらや」の経営や日本画家として知られた石巻市出身の千葉勇作さんが、昨年12月25日に胃がんのため仙台市内の病院で亡くなっていたことが分かった。90歳だった。 「精いっぱい前向きに生きました」 先日、交流のあった人たちに届いた千葉さんからの絵葉書が別れのあいさつだった。最期を看取った長男の千葉丈二さん(63)によると、千葉さんは3年ほど前から親しい人たちに送る絵葉書を丈二さんに託し、亡くなった後に発送するよう依頼していた。  裏面に、亡くなった妻

活躍で郷土の名広める いしのまき大賞に2個人、2団体 五輪バレーボールの藤井さんら

 石巻商工会議所は21日までに、本年度の「いしのまき大賞」として東京五輪男子バレーボールの日本代表で、石巻市雄勝町出身の藤井直伸さん(30)ら2個人2団体を選んだ。大賞は各方面での活躍を通し、石巻市の名前を広めて郷土の発展に貢献のあった人をたたえるもので、今回が15回目。表彰は3月2日の会員大会で行う。 3月の商議所大会で表彰 ほかに個人で大賞に選ばれたのは、陸上競技女子200メートルで全国制覇した石巻市門脇出身で常盤木学園高校3年の佐藤美里さん。団体では東日本大震災の伝承

北上川・運河交流館 今春再開へ 24日から改修工事開始 展示区画新設で使いやすく

 東日本大震災以降休館していた石巻市水押の「北上川・運河交流館 水の洞窟」が今春、11年ぶりに開館することになり、間もなくリニューアル工事に着手する。新しい国立競技場などを手掛けた建築家・隈研吾氏が設計した特徴的な外観はそのままに、モニター類を撤去して展示スペースを新設。再開に合わせて国交省北上川下流河川事務所から市に管理委託し、より市民に使い勝手の良い施設にしていく。  同館は平成11年7月、北北上運河と旧北上川が交わる国重要文化財「石井閘門」近くに開館。映像展示機器を通

輝く銀鱗サンマのカーテン 女川町・ヤマホン 天日干しでうまみ凝縮

 1年で最も寒い時季とされる二十四節気の大寒(20日)を前に19日、女川町針浜の水産加工会社「ヤマホンベイフーズ」で、サンマの天日干しがスタートした。下あご部分に串を刺し、列にしたサンマ約6500匹がやぐらにかけられ、寒風でうまみを凝縮させていく。作業は3月末まで続く。  同社の「さんま天日寒風干し」は30年以上続く主力商品。魚体を塩だれに漬け込み、天日と冬の冷たく乾いた風にさらすことで、水分と生臭さを飛ばしていく。7時間ほど天日で乾燥させてから箱詰めする。  女川漁港は

コロナ後見据え実証ツアー 石巻圏・離島と半島巡る旅 スマホで楽々予約、決済

 一般社団法人石巻圏観光推進機構(後藤宗徳代表理事)が主催するМaaS(マース)実証実験「海街めぐり」モニターツアーが15―16日にあった。石巻市の田代島、牡鹿半島の鮎川浜を巡り、2日目は金華山に渡る予定だったが、トンガ沖で発生した海底火山の噴火による津波注意報発表で、2日目の行程は中止となった。  ツアー最初の作業はチケット予約。「海街めぐり」のアプリを取得した後、2日間で乗船する4つの船便を予約した。スマートフォンで思ったほど苦労せず、間違ったチケットもキャンセルして取

自動閉鎖の陸閘閉じず 津波注意報 雄勝町名振 初の有事稼働で不具合

 トンガ沖海底火山の噴火により石巻市で最大70センチを観測した津波で、津波注意報の発表とともに自動で閉まる陸閘(りっこう)のうち、雄勝町名振の1カ所で不具合が生じ、開いたままとなった。  不具合があったのは、名振漁港の防潮堤にある陸閘のうち西側の1カ所。人や車が通れるよう普段は開いているが、Jアラート(全国瞬時警報システム)などと連動し、津波注意報や警報発表時には自動で扉が閉まる仕組みだった。  開閉状況は離れた市役所から監視可能。市によると、16日午前0時15分の注意報