アルモンデごはん 名残惜しいが愛おしい
10月に入り、とうとう夏の野菜とも最後のお別れ。また来年ね。心の中で呟きながら2024年の夏を噛み締める日々です。何もかも年中手に入るようになって、つまらない。そう言われていますが、実は今でもその季節にしか味わえないものはたくさんあります。いつでも味わえる安心も、この時しか味わえない喜びもどちらも必要なんじゃないかな。惜しむほど好きだった夏の味を噛み締めつつ、既に気持ちの70%はやってくる秋の味覚に持っていかれてる。女心と秋の空、なのです。
<9月30日>
我が家から実家までの道のりに、道の駅は4ヶ所もあります。だから!?ついつい寄り道しちゃって、ついつい買い物しちゃう。夏の名残の野菜もまだまだ健在ですが、いつ「また来年ー」と去ってしまうかわかりません。見つけたらその時買わないとね。名残の空芯菜とペペロンサバ缶を炒めただけの一品。しっかり火入れをしても、茎の部分はもう硬い。ああ今年最後の空芯菜だったなぁ。また来年会えるのを楽しみにしてるね。
<10月1日>
昨日の空芯菜に引き続き、今夜はつるむらさき。こちらも茎の部分はかなり繊維が張って、そのまま炒めたらちょっと硬そう。まだ柔らかな葉の部分はさっと茹でて和ものにし、茎はしっかり茹でてからピーナッツと炒めました。季節がひとつ終わり、新たな季節に移行する。今年もまたそんな奇跡を体験できたことに感謝しながら美味しくいただきました。2024年は、人生で一番つるむらさきを食べた年だったかも。ありがとうねー。
<10月2日>
1年中手に入るピーマンですが、夏のあの瑞々しい味はまた来年までおあずけです。皮の張った熟年ピーマンを味わいながら、フレッシュさだけが野菜の良さではないなぁと感じ入る夜。フライパンにピーマンの皮を下にして並べ、上に豚コマを乗せて塩麹をひと回し。蓋をしてじっくり蒸し焼きにした一品です。濃厚なピーマンと豚肉の旨味のバランスがすごく良かった。時期による野菜の味わいの変化が、たまらなく愛おしいな。
<10月3日>
偶然と奇跡に満ち溢れた1日でした。昨日の夜「そういえば明日の健康診断の帰り道にAちゃんの家の近くを通るなぁ」と思い、ランチに誘ってみたのが始まり。何も決めずに待ち合わせして、そういえば友人のお店がこの近くだったかもと行ってみたら、週に一度のヴィーガンランチDAY。しかも店の隣のスタジオでヨガのレッスンをしていた友人Kさんも、たまたまランチを食べにやってきて大騒ぎ。美味しいごはんを食べながら、あれよあれよと話がまとまって、12月にこのお店でのイベント開催が決まりました。話を聞いていた店のお客様まで、「参加します」と手を挙げてくださったり。なんだか物凄くパワフルな1日でした。
<10月4日>
昨日の健康診断で、過去最高スコアを叩き出してしまい、大反省(過重オーバー)。かなり前から気づいていたのに、努力も対策もしていなかったのだから、言い訳のしようもありません。徐々に太ったわけではなく、ここ1年で急増した皮下脂肪。思い当たる節ばかりです。1年かけて太ったのだから1年かけて痩せるぞ。代謝を上げて、腹7分目を心がける。毎日少しでも運動する。基本をコツコツやるのみ。まずは炒めるを減らして茹でるを増やす。豚コマも今夜は茹でてきくらげと和えものにしました。来年の今頃は、noteに「以前のように軽やかな身体になりました」って書く。書くぞ。
<10月5日>
父の色々で仕事にシワがたっぷり寄ってしまい、ごはんの写真を撮る間もない週末。そんな時、FBに5年前の写真があがってきました。野菜の師匠、築地御厨の内田さんと一緒に料理をする私です。この頃は頻繁に内田さんのアシスタントをしていた時期。楽しかったなぁ。アシスタントって役得。プロの仕事を間近で見ることができて、気になるところはすぐに質問できて、その味も確認することができて、お金もいただけるんですから。内田さんの一挙手一投足を見逃さないよう、言葉ひとつひとつを聞き逃さないよう毎回真剣そのものだった。この頃の私が今の私を支えてくれています。
<10月6日>
雨に濡れ、湿気を含んだ金木犀の香りも良いものですね。自分の思う通りになることばかりじゃない、むしろそうでないことがほとんどなのだと、感じざるを得ない日々。でもそれを決してネガティブには捉えていないんです。抗わないことの心地よさを知るって感じかな。得意なことを自由にやり続ける私の小さな世界から一歩外に出た瞬間、未知なことばかりだと気づく。自分の小ささや驕りに呆れつつも、愛おしさも感じていて、なんだか不思議です。謙虚さと出逢い直しているみたい。今はそれがとても心地よいんです。