命にふさわしい

認知されないものは存在しない。だがすべては確かに実在する。
また実在するものはすべて認識可能であり、それらはいかようにも解釈可能である。

鹿を見てウマと呼ぶのは一般的に正しくはないが間違いとも限らない。
法を破るのは一般的に良いことではないが悪いこととも限らない。
善く生きるのが本当に良いことで、悪しく生きるのは果たして悪いことだろうか。

多様な価値観や解釈が認められた社会は本当に生きやすいだろうか。
生きやすい社会と生きにくい社会ではどちらが生きるにふさわしいだろうか。

能動的な生と受動的な生とで生の価値に違いはあるだろうか。
そんなことを考えることさえも生きるために必要でなく、贅沢ですらあるならば、
考え抜いた結果がもたらす他人への影響も取るに足らないものであろう。
しかしそれでもいい、なんでもいいとただ素直に愚直に生きる。

時間に対し垂直にひた生きる、これだけが生けるものが最大の生を為す方法である。
進みゆく時間とそこ止まろうとする意志との大いなる摩擦、これこそが命と呼ぶにふさわしい。

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