木の洗面器

木でできた洗面器・・という単純なものではありません。その背景にある製作工程には、大変な苦労と技術があってこそ完成しました。風呂桶やお酒を飲む枡などは、水分を含むことで木が膨張し水が漏れない仕組みになっています。しかし洗洗面器として使用するには、水が染み込んではいけません。更に木は、動いたりねじれたり割れたりします。その難題をクリアして出来たのが、この木の洗面器。木には、道管があるのでストローのように水が通ります。道管がある面を木口と言いますが、その木口面に水を溜めると水が出ていってしまいます。そこで動かないように木を十分乾燥させ道管に樹脂を染み込ませて塞ぎ、最後に強固な塗膜を作る。文章にするのは簡単ですが大変苦労して制作して頂きました。しかも柔らかい針葉樹である杉で・・・。

企画：hi-count
制作：日東木工