079 義務教育にすべきと思う法律 #9 職業安定法
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079 義務教育にすべきと思う法律 #9 職業安定法

向 雄一@駆け出したい社労士

職業安定法は、簡単に言うと「入社」を目指すにあたる、就職活動や転職活動をしている求職者を保護している法律です。

内定取消や採用取消等の企業名の公表とかについても、この法律が基になっているようです。

それでは今日も学んでいきます!

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▼ 職業安定法
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職業安定法は、日本国憲法に規定される勤労権を保障し、職業選択の自由の趣旨を尊重しつつ、各人の有する能力に適当な職業に就く機会を与えることにより、職業の安定を図るとともに、経済の興隆に寄与することを目的としています。

同法に基づき、職業紹介事業のセーフティーネットとして公共職業安定所が整備され、また、民間の職業紹介事業者に関する規定も設けられています。

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◆ 目的
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職業安定法は、労働施策総合推進法と相まって、公共に奉仕する公共職業安定所その他の職業安定機関が、関係行政庁又は関係団体の協力を得て職業紹介事業等を行うこと、職業安定機関以外の者の行う職業紹介事業等が労働力の需要供給の適正かつ調整に果たすべき役割にかんがみ、その適正な運営を確保すること等により、各人にその有する能力に適合する職業に就く機会を与え、及び産業に必要な労働力を充足し、もって職業の安定を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的としています。

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◆ 職業選択の自由
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何人も、公共の福祉に反しない限り、職業を自由に選択することができるものとされています。

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◆ 職業紹介の原則
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➊ 労働条件の明示

◇ 求人の申込み時
求人者は求人の申込みに当たり公共職業安定所、特定地方公共団体又は職業紹介事業者に対し、求職者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件(従事すべき業務の内容)を明示しなければならないとされています。

◇ 職業紹介時
公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者は、職業紹介に当たり、求職者に対し従事すべき業務の内容等を明示しなければならないとされています。

※ 求人者が労働条件を変更しようとする場合は、求人者は、求人の申込みをした公共職業安定所、特定地方公共団体又は職業紹介事業者の紹介による求職者と労働契約を締結しようとする場合であって、職業紹介事業者により求職者に対して明示された従事すべき業務の内容等を変更する場合その他厚生労働省令で定める場合(従事するべき業務の内容等の特定・削除・追加)は、当該契約の相手方となろうとする者(=求職者)に対し、当該変更(特定・削除・追加)する従事すべき業務の内容等を明示しなければなりません。

明示すべき従事すべき業務の内容等にうち、一定の事項については、原則として、書面の交付(書面被交付者が希望した場合にはEメールでも差支えありません)の方法により明示しなければならないものとされています。

◇ 「書面の交付」を要する事項
・ 労働者が従事すべき業務の内容
・ 試みの使用期間
・ 労働契約の期間
・ 就業の場所
・ 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無
・ 休憩時間及び休日
・ 賃金(臨時の賃金、賞与等を除く)の額
・ 健康保険、厚生年金、労災保険、雇用保険の適用

※ 試用期間中と試用期間終了後で従事すべき業務の内容等が異なる場合は、それぞれの従事すべき業務の内容等を明示しなければなりません。

➋ 求人の申込みの受理

公共職業安定所、特定地方公共団地及び職業紹介事業者は、求人の申込みを全て受理しなければならないとされていますが、受理しないことができるケースがあります。

求人の申込みを受理しないことができるケース

① 法令に違反する求人
② 賃金、労働時間その他の労働条件が、通常の労働条件と比較して著しく不適当であると認められる求人
③ 労働に関する法律の規定であって政令で定めるものの違反に関し、法律に基づく処分、公表その他の措置が講じられた者からの求人の申込み
④ 従事すべき業務の内容等について、明示が行われていない求人の申込み
⑤ 暴力団員や暴力団員がその事業活動を支配する者などからの求人の申込み
⑥ 正当な理由なく、前記の報告の求めに応じない者からの求人の申込み

➌ 労働争議に対する不介入
公共職業安定所、特定地方公共団体、職業紹介事業者は、同盟罷業、作業所閉鎖の行われている事業所に対し、求職者を紹介してはいけないとされています

※ 労働争議発生中の事業場の従業員の求職については、受付て支障はありません。

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◆ 有料職業紹介事業
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有料の職業紹介事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければなりません。

職業紹介責任者
有料職業紹介事業者又は無料職業紹介事業者は、「過去5年以内に、職業紹介事業の業務の適正な遂行のために必要な知識を習得させるための講習として厚生労働大臣が定めるものを修了している」職業紹介事業の管理を適性に行うに足りる能力を有する者のうちから、職業紹介責任者を選任しなければならないとされています。

※ 許可の有効期間は3年で、更新を受けた場合は5年です。

有料職業紹介事業者は、原則として、
① 港湾運送業務に就く職業
② 建設業務に就く職業
については、職業を求職者に紹介してはいけないとされています。

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◆ 無料職業紹介事業
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➊ 一般の無料職業紹介事業

無料の職業紹介事業を行おうとする者は、原則として、厚生労働大臣の許可を受けなければなりません。

※ 許可の有効期間は5年で、更新を受けた場合でも5年です。
※ 労働組合は、厚生労働大臣の許可を受けることにより、無料の職業紹介事業を行うことができます。

➋ 地方公共団体の行う職業紹介

特定地方公共団体は、無料の職業紹介事業を行う旨を、厚生労働大臣に通知しなければなりません。

※ 無料の職業紹介事業を廃止したときは?
特定地方公共団体は、無料の職業紹介事業を廃止したときは、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に通知しなければならないとされています。

また、特定地方公共団体は、取扱職種の範囲を定めることができます。

※ 取扱職種の範囲等を定めたときは?
取扱職種の範囲内に限り、求人の申込みの受理求職の申込みの受理の規定が適用されます

※ 取扱職種の範囲等の明示
特定地方公共団体は、取扱職種の範囲等、苦情の処理に関する事項、その他無料の職業紹介事業の業務の内容に関し、あらかじめ求人者及び求職者に対して知らせることが適当であるものとして、厚生労働省令で定める事項について、求人者及び求職者に対して、明示しなければならないとされています。

➌ 学校等、特別の法人の行う無料職業紹介事業

学校等の長は、厚生労働大臣に届け出て、当該学校の学生生徒について無料の職業紹介事業を行うことができます。

また、特別の法律により設立された一定の法人(特別の法人)についても、厚生労働大臣に届け出て無料の職業紹介事業を行うことが認められています。

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◆ 労働者の募集
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➊ 報酬を与える委託募集
労働者を雇用しようとする者が、その被用者以外の者をして報酬を与えて労働者の募集に従事させようとするときは、厚生労働大臣の許可を受けなければなりません。

➋ 報酬を与えない委託募集
労働者を雇用しようとする者が、その被用者以外の者をして報酬を与えることなく労働者の募集に従事させようとするときは、その旨を厚生労働大臣に届け出なければなりません。

※ 労働者の募集を行う者及び募集受託者並びに募集情報等提供事業を行う者は、労働者の適切な職業選択に資するため、それぞれ、その業務の運営にあたっては、その改善向上を図るために、必要な措置を講ずるように努めなければならないとされています。

※ 報酬の額については、あらかじめ、厚生労働大臣の認可を受けなければなりません。

労働者の募集を行う者及び募集受託者は、募集に応じた労働者から、その募集に関し、いかなる名義でも、報酬を受けてはなりません。

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◆ 労働者供給事業
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原則として、何人も、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を、自らの指揮命令の下に労働させてはいけません。

ただし、労働組合法による労働組合等が、厚生労働大臣の許可を受けた場合は、無料の労働者供給事業を行うことができます。

※ 労働者供給事業者は、労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整に資するため、当該事業の運営に当たっては、その改善向上を図るために必要な措置を講ずるように努めなければなりません。

違法に労働者供給事業を行った場合には、その事業を行った事業者だけでなく、当該事業者から供給された労働者を使用していた者についても罰則の適用があります。

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◆ 勧告及び公表等
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厚生労働大臣は、求人者が労働条件の明示の規定を違反しているとき、若しくは求人の申込みに必要な報告の求めに対して、事実に相違する報告をしたとき、又はこれらの規定に違反して厚生労働大臣の指導若しくは助言を受けたにもかかわらず、なおこれらの規定に違反するおそれがあると認めるときは、当該求人者に対し、その違反を是正するために必要な措置又はその違反を防止するために必要な措置を執るべきことを勧告することができます。

また、勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、厚生労働大臣はその旨を公表することができます。

※ 虚偽の条件を提示して、公共職業安定所又は職業紹介を行う者に求人の申込を行った者は、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。

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◇ 採用内定取消しに係る措置
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厚生労働大臣は、新規学卒者の採用内定取消しの内容が2年以上連続で行われたもの等、一定のものに該当するときは、企業名を公表することができます。

※ 取消の対象となった者の責めに帰すべき理由による場合又は倒産により翌年度の新期学卒者募集・採用が行われないことが確実な場合は対象外

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向 雄一@駆け出したい社労士
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