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077 義務教育にすべきと思う法律 #7 昆虫の足の本数を覚えるより、最低賃金法・賃金支払確保法を知っておいた方が良くないですか?

学校でメダカの雄と雌の違いを学ぶより、昆虫の足の本数を覚えるより、地層の種類を覚えるより、個人的には、「働く」という生活の営みの根源に深くかかわる労働関連法令は、重要で有効な学びだと思っています。

本日、学ぶのは最低賃金法。まだ社会にでていない学生の方のアルバイトとかには、すごく密接にある法律かもしれません。

また固定残業代とかで、極端に時間単価が低くなってしまって、泣き寝入りしている大人はいませんか?

賃金支払確保法では、自分の勤めている会社が破産、倒産したときに、その際に未払となった賃金について救済処置がありますが、それは労働者本人が支給申請しないといけないのですが、そういった事も知っておく必要があると思いませんか?

そういう視点で、今日も勉強をしていきます。

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▼ 最低賃金法
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労働基準法第28条に「賃金の最低基準に関しては、最低賃金の定めるところによる」とあるように、労働者の最も重要な労働条件である賃金について、その最低基準を定めた法律です。

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◆ 目的
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賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もって、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的としています。

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◆ 総則
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最低賃金額は、時間によって定めるものとされています。
※ これ重要!!日給・月給・年俸・出来高払い制であっても時間給にまで割返すことが重要です。

使用者は、最低賃金以上の賃金を支払わなければならないということですので、最低賃金に満たない労働契約については、その部分が無効とされ、その無効となった部分は最低賃金と同様の定をしたものとみなされます。

★ 除外金額(なぜか★をつかってみた)

次の賃金を除いた賃金が、最低賃金以上でなければなりません。
➊ 臨時に支払われる賃金及び1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金
➋ 労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金、休日割増賃金、深夜割増賃金)
➌ 当該最低賃金において算入しないことを定める賃金(精皆勤手当、通勤手当、家族手当など)

※ 注意点・・・職務手当、役付手当、資格手当、技能手当などの通常の労働時間、労働日に対応する賃金は、最低賃金の対象となる賃金に算入しなければなりません。

★ 最低賃金の減額の特例

最低賃金は、使用者が都道府県労働局長の許可を受けたときは、「最低賃金額に労働能力等を考慮して定めた減額率を乗じて得た額」を減額した額となります。

➊ 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者
➋ 試用期間中の者
➌ 認定職業訓練(職業能力開発促進法24条1項の認定を受けて行われる職業訓練)を受ける者であって一定の者
➍ 軽易な業務に従事する者(従事する業務が当該最低賃金の適用を受ける他の労働者の従事する業務と比較して特に軽易な者に限る)及び断続的労働に従事する者

使用者は、最低賃金の概要を常時作業場の見やすい場所に掲示するなどの方法で、労働者に周知させるための措置を取らなければならないとされています(見たことないですけど)

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◆ 地域別最低賃金と特定最低賃金
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最低賃金は2種類あります。

地域別最低賃金・・・一定の地域(各都道府県)ごとに全国各地域について、必ず決定されなければならない最低賃金

➊地域における労働者の生計費及び賃金、➋通常の事業の賃金支払い能力 を考慮し、厚生労働大臣又は都道府県労働局長が、一定の地域ごとに最低賃金審議会(中央最低賃金審議会又は地方最低賃金審議会)の調査審議を求め、その意見を聴いて、あまねく全国各地域について決定しなければなりません。

※ 労働者の生計費を考慮するにあたって、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施設と整合性に配慮するものとされています。

特定最低賃金・・・一定の事業又は職業について任意に決定される最低賃金

労働者又は使用者の全部又は一部を代表する者は、厚生労働大臣又は都道府県労働局長に対し、当該労働者若しくは使用者に適用される特定最低賃金の決定又は当該労働者若しくは使用者に現に適用されている特定最低賃金の改正若しくは廃止の決定をするよう申し出ることができます。

特定最低賃金において定める最低賃金額は、当該特定最低賃金の適用を受ける使用者の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金において定める最低賃金額を上回るものでなければなりません

※ 最低賃金の競合・・・2以上の最低賃金の適用を受ける場合は、これらにおいて定める最低賃金のうち最高のものが適用されます。

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◆ 派遣労働者への適用
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地域別最低賃金及び特定最低賃金については、派遣中の労働者については、次のように適用されます。

➊ 地域別最低賃金については、その派遣先の事業の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金額を適用する。

➋ その派遣先の事業と同種の事業又はその派遣先の事業の事業場で使用される同種の労働者の職業について特定最低賃金が適用されている場合にあっては、当該特定最低賃金額を適用する。

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◆ 雑則等
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➊ 監督機関に対する申告

労働者は、事業場に最低賃金法又は同法に基づく命令の規定に違反する事実があるときは、その事実を都道府県労働局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官に申告して是正のため適当な措置をとるように求めることができます。また、使用者は、当該申告をしたことを理由として、労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いをしてはなりません

➋ 罰則

上記、監督機関に対する申告をしたことを理由として、労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いをした使用者は、6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。

また、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、地域別最低賃金額及び船員に適用される特定最低賃金額以上の賃金を支払わなかった使用者は、50万円以下の罰金に処せられます。

※ 特定最低賃金額(船員に適用されるものを除く)に満たない金額の賃金しか支払わなかった場合、最低賃金法上の罰則の適用はないが、労働基準法24条1項の賃金の全額払の規定に違反することとなるため、労働基準法上の罰則(30万円以下の罰金)が適用されます。

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▼ 賃金支払確保法
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「賃金支払確保法」は、労働者やその家族の生活の糧である賃金について、事業主に支払能力がない場合における救済措置等を定めています。

労災保険法の社会復帰促進事業の1つである「未払賃金の立替払事業」も、賃金支払確保法に定められています。

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◆ 目的
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賃金支払確保法は、景気の変動、産業構造の変化、その他の事情により企業経営が安定を欠くに至った場合及び、労働者が事業を退職する場合における賃金の支払い等の適正化を図るため、貯蓄金の保全措置及び事業活動に著しい支障を生じたことにより賃金の支払いを受けることが困難となった労働者に対する保護措置、その他賃金の支払いの確保に関する措置を講じ、もって労働者の生活の安定に資することを目的としています。

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◆ 貯蓄金の保全措置
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事業主は、労働者の貯蓄金を、労働者からの委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が、労働者の預金の受入れであるときは、毎年3月31日における受入預金額について、同日後1年間を通ずる貯蓄金の保全措置を講じなければなりません。

具体的には、事業主の労働者に対する預金の払戻しに係る債務を、銀行その他の金融機関において保障することを約束する契約を締結するなどの対応になります。

※ 労働基準監督署長は、事業主が貯蓄金の保全措置を講じていないときは、文書により、当該事業主に対して、期限を指定して、その是正を命ずることができます

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◆ 退職手当の保全措置
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事業主は、労働契約又は労働協約、就業規則等において労働者に退職手当を支払うことを明らかにしたときは、退職手当の支払に充てるべき一定の額について、貯蓄金の保全措置を講じるように努めなければなりません。

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◆ 退職労働者の賃金に係る遅延利息
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事業主は、その事業を退職した労働者に係る賃金の全部又は一部をその退職の日までに支払わなかった場合には、原則として、当該労働者に対して、当該退職の日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該退職の日の経過後まだ支払われていない賃金の額に年14.6%の率を乗じて得た金額を遅延利息として支払わなければならないとされています。

※ 退職の日は、退職の日後に支払期日が到来する賃金にあっては、当該支払期日をいいます。

※ 賃金の支払の遅延が天災地変その他やむを得ない事由によるものであるときは、その事由の存する期間、遅延利息の支払は免除されます。

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◆ 未払賃金の立替払
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政府は、労災保険の適用事業の事業主(1年以上にわたって当該事業を行っていたものに限る)が破産手続開始の決定を受けた場合等において、当該事業に従事する労働者で最初の破産手続開始等の申立てがあった日等の6ヶ月前の日から2年以内に退職したものに係る未払賃金があるときに、当該労働者の請求に基づき当該未払賃金の立替払いをおこなってくれます。

知っておくべきできですね!!労災保険料をこの事業主が払えているかどうかではなく、適用事業であるかどうかがポイント。
しかも、これは労働者の請求に基づくので、事業主は知っていないとやってくれないよね。

※ 未払賃金の定義・・・支払期日後まだ支払われていない賃金(退職手当含む)であって退職日の6ヶ月前の日から請求の日の前日までの間に支払期日が到来したものであり、かつ、その総額が20,000円以上であるものを言います。

★ 立替払いの額は?

原則として、未払賃金総額の80%相当額が立替払されます。
しかし、退職日の年齢に応じて、次の額の80%相当額が最高限度額になります。
30歳未満の者・・・・・・・・110万円
30歳以上45歳未満の者・・・・220万円
45歳以上の者・・・・・・・・370万円

※ 未払賃金の立替払事業は、労災保険の社会復帰促進等事業として行われます。

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▼ 中小企業退職金共済法
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中小企業退職金共済法は中小企業の従業員について、退職金共済制度を確立し、もって当該従業員の「福祉の増進」に寄与することを主たる目的とする法律です。

同法に基づく、中小企業退職金共済制度は、独力で退職金制度を設けることが困難な中小企業について、事業主の相互共済の仕組みと国の援助によって「退職金制度」を確立しようとするもので、中小企業の事業主(共済契約者)が「独立行政法人勤労者退職金共済機構」に従業員(被共済者)に係る掛金を納付しておき、当該従業員が退職するときに、当該機構から退職金が支給される仕組みになっています。

※ 中小企業主とは、
①常用労働者数300人以下又は法人であって資本金の額等が3億円以下
②主たる事業が卸売業であって、常用労働者数100人以下又は資本金の額が1億円以下
③主たる事業がサービス業であって、常用労働者数100人以下又は資本金の額が5000万円以下
④主たる事業が小売業であって、常用労働者数50人以下又は資本金の額が5000万円以下
のいずれかに該当する事業主のことです。

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◆ 目的
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同法は、中小企業の従業員について、中小企業者の相互扶助の精神に基づき、その拠出による退職金共済制度を確立し、もってこれらの従業員の福祉の増進中小企業の振興に寄与することを目的としています。

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◆ 退職金共済契約の締結
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中小企業者は独立行政法人勤労者退職金共済機構退職金共済契約を締結することができます。なお、当該契約を締結する場合は、
・期間を定めて雇用される者
・季節的業務に雇用される者
・試用期間中の者
・現に退職金共済契約の被共済者である者
・短時間労働者
など、一定の者を除きすべての従業員について契約を締結するようにしなければならないとされています。

※ 退職金共済契約とは、事業主が機構に掛金を納付することを約し、機構がその事業主の雇用する従業員の退職について、退職金を支給することを約する一定の契約のことです。

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◆ 掛金
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退職金共済契約は、被共済者(従業員)ごとに、掛金月額を定めて締結します。そして、共済契約者(事業主)は、退職金共済契約が効力を生じた日の属する月から被共済者が退職した日又はその契約が解除された日の属する月までの各月について、毎月分の掛金を翌月末日までに納付しなければなりません。

掛金月額は、被共済者1人につき5,000円(短時間労働被共済者にあっては2,000円)以上30,000円以下で定める。

※ 機構は共済契約者から掛金月額の増加の申込みがあったときは、これを承諾しなければなりません(被共済者の同意不要です)

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◆ 退職金の支給
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掛金納付月数12か月以上の被共済者が、退職し、又は死亡したときは、本人又は遺族に対し、機構から退職金が支給されます。

尚、退職金は、原則として一時金として支給されますが、所定の要件を満たした場合には、被共済者が請求することによって、5年間又は10年間の分割払の方法により受給することができます。

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