見出し画像

PSM TottenhamHotspur-IpswichTown

お久しぶりです。今回は少し新しい要素を加えてマクロの振り返りよりも新要素に主軸を置いて試合を振り返っていこうと思います。このおブログは試験的なものと位置付けて、シーズンを通して追う価値があるネタだと思ったら継続的に書いていこうと思います。後半は選手の名前を追うのが精いっぱいだったという意見が多く見られたので(筆者もそうだったので)言及するのは前半に絞ることにします。

変わらないもの、変わっていくもの

まずは試合全体の振り返りから。最初に保持時の形についてです。ホイビュアについては言わずもがなですが、私が知る限りだと初めてゲドソンを右SBに置いた布陣となりました。その右SBが高めの位置を取って3CBを形成してのビルドアップはオーリエを起用していた時と変わりがありませんでしたが、ゲドソンを置くことによって内容に変化が生まれました。IH上がりだということもあり、メインは大外に張った位置取りですが、それだけではなく内外のレーンをうまく使い分けてルーカスのフリーランもうまく利用し自らカットインしていく場面も見られました。やはり中央の選手らしいボールの持ち方で、サイドでボールを受けた時に視野を広く確保して選択肢を多く持っている印象がありました。昨季から彼の右SB起用論自体は多くあったように思いますが、オーリエの放出が現実的になってきたこともあり、シーズン通しての起用が一気に近付いたのではないかと感じました。他の候補としてはフォイスやシソコ、タンガンガなども挙げられていますが、高い位置取りを取らせてキーパスを打ち込ませるタスクを課すならゲドソンが最もファーストチョイスに近いと考えます。

ビルドアップにおける右の出口はフォイス→ルーカス、トビー→ゲドソン→ルーカスのようにルーカスを出口とした組み立てが最も多かったのですが、ルーカスは選択したプレーに対してまっすぐ向かってしまう印象があり、HSで受けた時に最終的には大外のゲドソンを使うチョイスをするとしても彼の大きな武器である単騎突破を匂わせつつ、ボールを持ってタメを作ることでバランスを崩すようなプレーが出来ればよりチームに貢献できるプレーヤーになっていくと感じました。

対して左の出口は圧倒的にデイビス→デレのルートがメインとなりました。そこからセセニョンを走らせたり、ソンとの連携から崩しにかかるような場面が多くみられました。ですがデレが受けた後の再現性に乏しくロストも散見されました。やはり保持時に押し込んだ状態での攻撃にはまだ課題が残っていると感じました。そんななかデイビスの攻撃参加のタイミングは相変わらずの渋さで今季はセセニョンとの連携が非常に楽しみです。3CBのデイビスとフォイスが縦パスを多く通してトビーは積極的に長いボールを用いた展開を狙うという構図は3CB化のメリットを最大限に生かせていて非常に好印象でした。フォイスにはもう少し持ち出しの部分を見せてほしかったですが、試合勘の鈍りなども考慮してこれからに期待。この3人の組み合わせはネガトラのスピード等まだ未知数な部分もあるのでプレミアの開幕が非常に楽しみです。

非保持時には4231と442を使い分けて進めました。ベースは4231で、相手がマイナス方向へのパスを用いたタイミングを引き金として442に切り替え、コースを塞ぎながら結構なハイラインを敷きました。全体が連動したプレスが遂行出来ていて、ボールに対してのアプローチを主にデレとソンが受け持ち、周囲のSH、CMFが連携してルートを塞いで詰ませて、縦に長いボールを蹴らせてCBで取り切るという場面が多くありました。特にトビーの回収率が非常に高く流石だなと。中央のルートをショートレンジのパスで通ろうとしたときにはホイビュアが積極的に飛び出してインターセプションを狙い、そのままショートカウンターを狙うという明確な狙いとして見て取れました。2点目などはその狙いが明確に結果に結びついた場面でした。押し込まれた場面がほとんどなかったので言及できない場面はありますが非保持時の立ち回りについては文句なしでした。

Pierre-Emile Højbjerg-Harry Winks

さてここからが新しい試みです。ボランチの組み合わせにフォーカスしてそれぞれの役割、雑感について言及していきます。今回はウィンクスとホイビュアのタッグについて。

画像1

今回ユニットに言及するにあたって普段はあまり当てにしていないパスソナーというツールを使って話していきます。

なんと全て手入力!!圧倒的効率の悪さ!!!!!何度試合を止めて巻き戻したことか!!!!!!頼むからDAZNとスパーズ公式は10秒戻す機能を付けてくれ!!!!!!!!!!!!


前半を通して一番の発見はホイビュアの位置取りの高さです。勝手に構えて刈り取り簡単に前線に叩くイメージを持っていたのですが、非保持時のプレスの時にも言及しましたが、非保持時も保持時も基本的に重心を高く持ってウィンクスはそのサポートに回りつつ自らの色も出していっていた、試合が進むにつれてその傾向が強くなっていったように見えました。ホイビュアの縦への意識とそれに伴ったパス精度やレンジの長さは想像以上でした。押し込みにかかる場面でボランチをほぼ経由せず直接前線に関わりに行く場面が多くみられた中でウィンクスとホイビュアを並べると縦パスの狙いや迫力といった点でウィンクスは少し見劣りしてしまったなというのが正直な感想です。ホイビュアには1テンポホールドしてリスクが低減したタイミングで縦パスを入れるという選択肢があり、簡単に横、後ろに捌くといった選択肢を含めた判断も絶妙でした。このホールドする能力というのは是非とも今のウィンクスに手に入れてほしい能力として挙げられます。その結果両選手には縦パス含めたプラス方向へのパス数に差が出てしまいました。また位置的な話もするとホイビュアは前線でボールを持った時の縦パスの数が多く相手の脅威になるパスを繰り返し出せていたのでそういった選手の近くでプレーすることでウィンクスにもより直接的にチャンスに絡む場面を増やしていってほしいと思います。


というわけで、初めてボランチのユニットに注視して文章を書いてみました。やはり書き慣れたマッチレビューの方に重心が寄ってしまいましたが、継続して書けそうだと思ったら毎試合マッチレビューは書けなくてもボランチのユニットには注目してサンプル集めをしたいと思います。それでは。

文-餅太郎 @mochitaromonkey

※パスソナーの作成に当たって「PaSSSonar-football game pass direction analysis」を参考にさせていただきました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?