見出し画像

君は突然やって来てすぐに旅立ってしまうんだね


宿に到着し、シャワーを浴びる。

体を洗い終わり、濡れたままの髪でくつろいでいると、
宿の女主人が話しかけてきた。

宿の女主人は、2階から3階、そして屋上に案内した。

小高い丘に立つこの宿の屋上からは、ガンジョンの街を見渡せた。

女主人は、スマホの画面に話しかけた。
「このコーナーは、わたしたちの一画です」

なにを指してるのかな?、わからない。

「うん」と言う。

女主人は、スマホの画面に話しかけた。
「向こうに見える山はスポーツ山と呼ばれています」

「ヤー」と言う。

女主人は、スマホの画面に話しかけた。
「この先の寺院は有名な寺院です」

女主人の指す先、遠くに寺院が見えた。

女主人は、スマホの画面に話しかけた。
「あなたはここにどれくらいいるのですか?」

「アイ、ゴートゥー、トゥモロー、ファイブオクロック」

女主人は、スマホの画面に話しかけた。
「君は突然やって来てすぐに旅立ってしまうんだね」

スマホアプリの翻訳の言葉が若く、可笑しく感じた。


この宿は無数の鉢植えで花が飾られている。
飾った花とここから見える景色が女主人のご自慢なのだろう。

悪くはない。





よろしければ、作品の自費出版の費用にさせていただきます。