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yasunori68
【超短編】 あんびばれんと
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料理が作れないため、男性側は買い出しとなった。
南村さんと小坂さんという若い人と、
ご飯を入れるビニールのパックを買いに行く。
運転は小坂さんで助手席は南村さん。
わたしは、後部座席に座った。
「やっぱ、一番いいのは『───────』だよ、
あの頃は──もいたし、みんな笑顔だったもん」
「いや、ライブに行くとですね、『──────』なんですよ、
サビに入る前に左右から爆炎が舞い上がって、
爆風でびっくりしたところにいきなりサビに入るんですよ」
「いや、やっぱり『───────』だよ、
最後さ、──が空に飛んでいくところなんてやばいよ、
あれはCGだろうけどさ、クレーンに吊られて」
「あ、平木さん」
「はい」
「平木さんが僕らくらいの時ってどんな曲聞いていたんですか?」
「ブルース・スプリングスティーンとか」
「ああ、ブルース聴くんですね、かっこいいですね、
あれですよね、日本だったら和田アキ子さんとかですよね」
「・・そうですね」
「他にぼくらが知っているようなのってないですか?」
「ラヴァーボーイとかジェファーソンじゃない頃のスターシップとか、
ナイトレンジャーとかヒューイ・ルイス&ザ・ニュースとか」
「それって、ペット・ショップ・ボーイズや
ビーチ・ボーイズじゃないんですよね?、ラヴァーボーイズですか??」
「ペット・ショップ・ボーイズは知っているんですね」
「あれですよね、アニメで」
「?・・、そうなんですね」
「あ、それじゃ、平木さんの知っている
一番最近のミュージシャン教えてくださいよ、推しを」
「おしですか?」
「そうです、推しです!」
「これとか?」
MØ - Final Song
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普段は会社員をしています。映画のコラムみたいなもの、素人小説などを書いてみます。
文章・創作のサークルを運営。電子書籍を多数出版しています。
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