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トピックス(小説・作品)

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素敵なクリエイターさんたちのノート(小説・作品)をまとめています。
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2020年8月の記事一覧

noteと私、そして私だけ

noteからメールが来ましたか? 私には来ました。重要なお知らせ、ってやつです。 それを見て、決心がつきました。 もう、ここは私の場所じゃない。 noteを始めたばかりの頃、よく覚えています。 面白くない大学の図書館のソファで、短歌を投稿していました。 あの頃、たった一人だけ毎回スキをくれた方、今頃どうしていらっしゃるのでしょうか。あなたのお陰で、私はなんとか自分を保っていたような気がします。ありがとうございました。 それから、エッセイみたいなものを書くようになりました。

休みの日もコツコツ作る。

こんにちは。yuki*です。 今日は仕事が休みです。 子どもたち2人とも学校が始まってから、初めての休みなので久しぶりに一人時間ができました。 静かな時間で、やっぱりとてもリラックスできるなぁと思いました。 今週は、もう1日平日休みがあるので楽しみです。 というわけで、昨日届いた天然石を使って新作を。 グリーンカルセドニーを使ったブレスレット。 このグリーンカルセドニー、めちゃくちゃ可愛いです♡ 天然色なので、ひとつひとつ色が違うしとても小さい天然石なのに、し

クマとハム(再開編)

VRに学校を作りました ~私立VRC学園~

「VRに学校作ったら面白いんじゃね」  とあるサーバー上のワールドで、タロタナカと大将はそんな会話をしていた。  我々が生活する「VRChat」とは、VR空間内にアバターでログインし、多人数でコミュニケーションできる無料のソーシャルVRアプリである。  まだ市場が出来上がっていないVRに、すでに参入しているユーザーは、アーリーアダプターのコアな人たちばかりだ。VRそのもの、まだなにができるのか世間的には認知されておらず、どんな人たちがいて、そこでなにをしているのか、そして自分

good night。

どんなにきゅっと閉めても 滴り落ちる水滴のように 止められない涙なら いっそ落としてほしい 蛇口もろとも取っ払って 枯れるまで全部 流していいよ 背中合わせに聴く悲しみは とてもつらいから そっと大きく包み込む 今はまだ 泣き顔は見ないように ここはとても広い わたしの海 だから君が泣いても わたしにしか わからない 安心して 一筋の悲しみを この海に溶かして 泣き疲れた宵闇に 瞼は重く閉ざされても 朝になったら窓辺から 太陽を連れて起こしてあげる 光の未

8月31日

 隣に住んでいる住人の顔を2年近く住んでいるにも関わらず一週間前に初めてみた。普通の優しそうなお兄さん? いやおじさん? どっちともとれる顔や体躯はゲゲと声が出てしまうほどあたしのバッチリでグッとなるタイプだった。なぜ2年もの間知らなかったのかといえばお隣さんはなにせ朝ど早く出ていき帰ってくるのは次の日になってからでだから会うわけなどはない。多分土日休みだったろうと思うけれどあたしが土日休みではないためまずもって会うわけはない。  それが8月に入りいやにバタバタと部屋の中の音

8月31日のガソリンスタンド

ガソリンの独特な臭いにも慣れてしまった。 昨年の8月にアルバイトとして雇われた当初は、あまりの臭いの強烈さに気持ち悪くなって嘔吐してしまうこともあった。 あれから丁度一年が経った。今では嗅覚がガソリン臭さを欲しているかのように、この臭いで生を実感する。 タバコの臭いとガソリンの臭い。 それと、僕が拭ってきた汗がガソリンスタンドの制服に染み込み、また臭いとなって鼻を刺激する。 車の走るエンジン音が聞こえる。 減速して入ってくるのかと思いきや、元々スピードが遅いご老人の運転

8月31日

君が失くしたと言っていたピアスの片方を見つけた。眩しい夕陽のような橙色を湛えた輝きは変わらない。「きっと陽に吸われちゃったのかな」諦めた君はそう言ってたけど、そんなロマンチックな行く末なんてないんだ。だから僕がこのピアスを、この先ずっと持ってるなんてことも有り得ないと知ってよ。 #小説 #日記 #恋愛 #ショートショート #短編小説 #超短編小説

特に、別に。

聞いてもムダだって、 もうそろそろわかってほしいな。 特に食べたいものは、いつもないんだ。 所謂。 一般的に日本で食べられているものなら なんだって食べられるし、好きだし。 何食べたい?って聞かないで。 君の食べたいものでいいよ。 これしか答えを持ち合わせていない。 どこ行きたい?もご法度だ。 別に贅沢したいわけじゃないし。 どこにいたって氣持ちは同じだからさ。 車の運転も嫌いじゃないし、 電車は電車でいいよね。 飛行機はちょっと苦手だけど。 行き先は決められない。

私のギャルはスウェットにサンダルで真冬を歩く

「動きにくい服を着て、きちんと着飾らないと、女の子は街に出てきてはいけませんよ」という圧力に対抗して、ギャルは「気合いの入った格好をしない」という方法で戦闘力を高めていたのかもしれない。心地いい格好をしても街に勝てるということを証明したかったのかもしれない。 (はらだ有彩『百女百様 街で見かけた女性たち』より) 私のギャルは雪さえ降らなければ、いや、たとえ雪が降ろうともユニクロの上下黒スウェットにおざなりにマフラーを縛り、裸足に便所サンダルをつっかけて、息を白くさせながら私

改めましてのごあいさつ

こんばんは。折星かおりです。 私事ではございますが、昨日でこちらに投稿した記事が100本になりました。「自分が起きている間なら大丈夫」というゆるめの日付変更線ですが、一応、毎日連続で投稿を続けることが出来ました。 節目を迎えたみなさんがよく言われるとおり、まさかこんなに続くとは思わなかった、というのが正直な気持ちです。それでも、今日はしんどいかも、と思う日も途切らせることなく書き続けてこられたのは、これまでにご縁をいただいたすべてのみなさまのおかげです。みなさまに、心から

隣の芝生を、見つめている

かなわないな、と思う。 わたしの、上辺だけさらりとつくろうような言葉とは、違う。 物事の深淵に触れ、掴み取り、やさしくあたたかい言葉で回帰させる。 それが、日常に溢れていることでも、どれほど絶望的な事柄だとしても。 傷を、傷だと書くだけなら、誰にでも出来る。 でも、そうじゃない、そういう言葉を書く人を、ときどき見つける。 かなわないな、と思う。 何度も、打ちのめされる。 わたしとは、違う、ということを わたしが、いちばんよくわかっている。 それを、「物事にまじめに向き合

手を重ねて

君の手が僕に触れる。 壊れ物を触るようにゆっくり優しく。 僕は君の手を握りかえさなかった。 ううん、握り返せなかった。 僕の手はいつだって、臆病者なんだ。 「もしかして、手繋ぐの嫌い?」 2人でご飯に行った帰り道。駅から君の家まで向かって歩いていた途中に君はそう言った。 「……バレた?」 「うん。だって絶対にそっちから手繋いでくれないし」 「ご、ごめん」 「まぁ苦手ならいいよ。そういう人多いもんね」 君はいつも理由を聞かない。遠回りに僕の気持ちを察して解って

8月30日

馴染みのレコードバーで呑む8月最後の休日。いつか一緒に行った時、「かっこつけちゃって」って笑われたな。かっこつけたい人がいるのは別に笑うことじゃない。君が僕じゃない誰かに可愛いと言ってもらいたくて新しいリップを買うみたいにさ。全然似合ってなかったけどね、と鼻で笑ってみたりする。 #小説 #日記 #恋愛 #ショートショート #短編小説 #超短編小説