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ほっこりとおだやかに

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素敵なクリエイターさんたちのノートをまとめています
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2021年7月の記事一覧

七夕の日に、あなたと

「いらっしゃい」  彼は、柔和な笑顔でドアを開け、私を招き入れてくれた。 「お邪魔します」  挨拶と共に微笑みを返し、私は彼のマンションの三和土で靴を脱ぐ。 「これ、いつものだけど。」  トマトゼリーの詰め合わせを差し出すと、彼はゆっくりと唇の両端を引き上げた。 「あぁ。ありがとう。どうぞ、座って?」  私はソファに、彼は一人掛けのロッキングチェアに腰掛ける。アイスコーヒーを飲みながら互いの近況について軽く話し合う。 「樹里ちゃん、仕事はどうなの?」 「うーん、相変わらずよ

金沢との縁が意外なところにあった話

金沢に住みたいと思ったときも、住んでいた期間にも知らなかった「金沢との縁」が意外なところで見かった。色んな考え方ができるけど、この機にあらためて「住む場所を自分で選ぶこと」について考えてみる。 (以下、起こった出来事に対する個人的な見解が書いていますので今回は有料にしています)

有料
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万世橋

東京は秋葉原にある肉の万世本店はご存知でしょうか。 一度、食事に行ってからというもの、毎回お会計の時にお得なスクラッチカードをくれるのです。 毎回くれるのです。本当に毎回くれるのです。○月○日まで利用可何円引きというお得なカードを。人数分。 それ以来、肉の万世無限ループに突入しておりまして、秋葉原にはあまり用事はないのですが肉の万世さんには結構な頻度で行っているという謎の習慣ができています。親の誕生日に連れて行ったりとか。 内装が少しレトロな雰囲気で、料理は美味しいですし

小説に作法は不要 ~筒井康隆『創作の極意と掟』

 先日、ネットで何か調べものをしていたときに、偶然、こちらの記事を見つけました。作家の筒井康隆さんのエッセイです。「小説作法の類は読まなくてよい」という見出しに惹かれました。 ※上のリンクは記事のトップページです。「小説作法の類は読まなくてよい」という見出しは記事の2ページ目に出てきます。  この記事が面白かったので、記事中で紹介されていた筒井さんの著書『創作の極意と掟』(講談社)を読んでみました。 ※現状、Amazonで試し読みができます。  こちらは講談社の特別サ

ワードローブを整える大切さ

クローゼットの中って、いつの間にかアイテムが増えていたり使わないのに置いてある洋服があったりしませんか? おしゃれは自分を知ることが大事だとお伝えしているのですが「自分を知る」中にワードローブを知る、ことも含まれます。おしゃれをアップデートしたいと思うとき、ワードローブが整っていないとコーディネートが組めないしアイテムを素敵に使いこなせないからです。 つまりワードローブを厳選し整えておくことはおしゃれに欠かせないことだと思うのですよね。 けれど手持ちアイテムを整理し、管理

日が短くなってきたような気がします

前より日の入りが早くなったような気がします。今年の夏至は6月21日でした。一年で昼間がもっとも長く、夜が短い日とされていますが、この日を境に日の入りが早くなっていきます。 6月から7月にかけては梅雨の時期なので、空には雲が多く暗く感じるので昼の長さを感じることがありませんでした。梅雨が明けるころには、日の入りも早くなっているんですよね。 梅雨が明けてから、日の長さを実感するようになりましたが、今では短さの方に意識がいっています。お盆を過ぎればあっという間に、夏はかげりを見

ローマの休日 #1 〜三度も訪れた甘いひと時を味わえる老舗ティールームです〜

海外旅行が恋しくなる 夏の日。 2017年の旅をもとにイタリアの 素敵な場所をご紹介していきます。 まずは、ローマから。 滞在した4日間で 三度も通ってしまったのがこちらの 「Babingtons(バビントンズ)」でした。 スペイン階段のふもとに 佇むこちらのティールーム。 125年の歴史を感じさせる 重厚な扉をあけると ピンクを基調としたロマンチックな 空間が広がっているのです。 猫のモチーフもあちこちに あしらわれていてとっても可愛い。 初めて訪れたのは

2年と1ヶ月ありがとうございました

ついにこの日がきてしまいました。 本日をもって、約2年続けたnoteの毎日更新を終了します。 まずは、ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました! とはいえnoteをやめるわけではないですし、今後も記事は書きます。一応更新スタイルがガラッと変わることと、自分にとって大きな2年間だったので、節目として今日は書かせていただきます。 * 思えば、よく続いたなあ2019年から始めたnoteの毎日更新。気づけば約2年の歳月が流れていました。 いやあ、よく続

詩|ただひとつのもの

笑われてもいい さがし続けます 待ち続けます それが 私の求める 唯一つのものだから ずっと夢見てきたのだもの ずっと信じてきたのだもの こたえてくれたなら その人を 世界じゅうで一番 愛してしまうでしょう ◇35年ほど前、高校生のときに書いた詩です。当時としては、いわゆる「運命の人」との出逢いを夢見て書いた内容ですが、クリスチャンになったいま読み返すと、イエスさまのことを言っているみたいだなあ、と感じます。神さまから与えられる愛はもちろん、イエス・キリストへ向けて自分

幻の夏を追い掛けて昭和初期の木造校舎でシネマティックなポートレートを撮ってきた話

あなたのココロのスキマ♡ライカと写真でお埋めします、hirotographerです。(※動画のリンクもありますのでぜひ最後までお読みください) 旅グラファーはとにかくお出かけが好きです。三度の飯よりお出かけが好き!全部外食になるのも辞さない覚悟です(結局食べる)。それなのに・・・コロナに旅行という翼を奪われた昨年、我々に夏はなかった・・・ 青い空の下、いつもより勢いよくぶつけ合うビールの乾杯も・・・ 髪をアップにしてうなじが綺麗な浴衣姿のあの子も・・・ 炎天下のBBQでの

小説の流れ着く場所

マガジン エッセイ『たぶん、書いてます』を購入いただくと全文閲覧いただけます noteから入金がありました

「真実」を自分の中で「虚構」に変えて言葉にする。

私がライターとして仕事の文章を書く時に心がけていること、信条としていることが2つある。 1.消しゴムで書け これはライターになる前に、元新聞記者だという方に教わった言葉だ。 ペンじゃなく消しゴムで書く? 頭に「???」が浮かびそうな言葉だが、たとえば1000字の原稿を書く時に、1000字分の情報を集めて文字を埋めていくのではなく、それよりもっと多くの情報を取材で集めて、不必要なものを削っていく、ということだ。 集めた情報はどれも大事だと思っても、その中で取捨選択をする

駆け込み訴え・ランチ編

聞いてください、旦那さま! 福岡県は、緊急事態を求めたらしいですが、国が受け入れなかった。だから蔓延防止になりました!それで私は、慌ててホテルランチへ行ったのです。 ああ、なんということでしょう、頭の中で描いていた計画は、これでまたやり直しです。しかし私は、諦めません。予定が通らないなら、成るように前倒しすれば良い事だ。 前菜三種。 ここの前菜は私のお気に入り。 アトランテックサーモンの甘さ、オリーブオイルとベビーリーフの苦味。これを楽しまず何を楽しむというのでしょう

あなたと一緒に、仕事がしたい。"働く理由" はそれしかなかった。

「みなさんに、退職のご報告があります。」 部長の口からその言葉が飛び出したとき、辞めるのは彼ではないと知っていたはずなのに、大きく心臓が波打った。 実際は、部下の退職報告を代わりにしたというだけの話だ。けれどわたしはそのとき、不意をつかれて思わず息を呑んだ。 そして、考えた。 もし、彼が今、本当に会社を辞めてしまったら。 わたしは一体、どうするのだろう? しばらくの間、放心状態になってしまうかもしれない。この会社に入った意味を、見失ってしまうかもしれない。なんなら後