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映画

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2021年3月の記事一覧

地獄の黙示録

鑑賞時の感想ツイートはこちら。 1979年のアメリカ映画。ベトナム戦争のさなか、極秘の暗殺任務を帯びて奥地へ向かう一人のアメリカ陸軍大尉ウィラード。彼が目的地への道中で目にしたのは、矛盾とカオス――。戦争の欺瞞と狂気を描いた、フランシス・フォード・コッポラ監督による壮大な戦争映画です。原題 "Apocalypse Now"。 出演は、主人公のウィラード大尉役にマーティン・シーン、共演には『ゴッドファーザー』のマーロン・ブランド、ロバート・デュバル、『イージー・ライダー』の

サプライズ ※ネタバレあり

あらすじ:両親の結婚35周年をみんなで祝福するため、息子のクリスピアンと恋人エリンをはじめ、久しぶりに家族が顔を合わせる。だが、彼らの一家団らんの時間は、ヒツジやキツネやトラのマスクをかぶった集団が押し入ったことにより突如終わりを告げることになる。いきなりの襲撃に誰もがパニック状態に陥るが……。 マスクの集団が侵入し、殺戮が始まるだけであればありきたりなホラーである。『サプライズ』はそんなありきたりな作品ではない。今作品で面白いのは、マスク集団が返り討ちを浴びるところである

映画『次郎長三国志』シリーズが、とんでもなく面白い!

『次郎長三国志』シリーズが面白いということは前々から聞いていて、いつかは観てみたいと思っていたんですが観るなら映画館と決めていたのでなかなか機会がなかったのですが、名画座で公開したのを機に遂に次郎長デビューしました! 次郎長シリーズはいろんなバージョンで映画化されているのですが、今回は初期のマキノ雅弘監督・小堀明男主演のバージョンです。多分これが一番面白い。 これはもうワンピース!「オレは世界一の海賊王になる!」というルフィの元に様々な仲間が集まってくる日本で一番売れてい

映画「ライアー×ライアー」レビュー:2021年初リピート作

公開から1ヶ月が経ち、巷では話題作の公開も始まる中、上映延長が決まった「ライアー×ライアー」。先日2度めを観に行った際も、春休みと思しき学生さんでたくさん席が埋まっていました。 公開翌日に見に行った作品でしたが、どうしてももう一度観たくなってしまい、「アナと雪の女王2」ぶりに映画館でリピートしてしまいました。今回は私が2回観て感じたことをお伝えしたいと思います。 見応えのあるW主演最初に観た時、真っ先に思った感想はこれでした。「森七菜ちゃんすごい!」。何が凄いのかというと

ヒックとドラゴン

鑑賞時の感想ツイートはこちら。 2010年のアメリカ映画。ドリームワークスによるCGアニメーション。ひ弱なバイキングの少年「ヒック」と、翼に傷を負い飛べなくなったドラゴン「トゥース」の友情を描いたファンタジー・アドベンチャー作品です。原題 "How to Train Your Dragon"。 監督は『リロ&スティッチ』でもコンビを組んでいる、ディーン・デュボアとクリス・サンダース。 おとなだって、アニメーションが大好き!みなさんはアニメーション映画、お好きですか? わ

【ネット荒らしの代償はデスゲームに強制参加!?】『ガンズ・アキンボ』感想

2月26日から公開されている映画『ガンズ・アキンボ』。日本語で『二丁拳銃』というタイトルの通り、両手を拳銃にされてしまった青年がデスゲームに巻き込まれてしまうアクション映画だ。本作はまさにポスターと予告編のイメージ通りの作品、それでいて想像以上に面白い作品だった。本作を98分間、頭空っぽで楽しめるポップコーンムービとしてお薦めしたい。ここでは本作の内容を感想とともに消化していきたい。 まず、主役のマイルズを演じたのは『ハリーポッター』シリーズ、『スイス・アーミー・マン』(2

父を乗り越え、母の愛を胸に、少年は大人になる / 映画 『シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 』

⚠️内容に触れています。 #ネタバレ 自衛してください🙇‍♀️ (※最早このアルバムそのものがネタバレ感ある) 公開初日の夜、IMAX版で鑑賞。Filmarksにメモだけして、寝かせておりました。 丁寧に紡ぎ直す「ファイナル」謎に満ちすぎたアニメ25・26話、描き直したはずが挑発され「気持ち悪」かった旧劇、さらに再構築されながら続編なのかパラレルワールドなのか考察が生まれ続けた新劇(序・破・Q)。様々な「世界」を辿り、過去/現在/未来を繋げていく、納得の「最終回」だった

映画【すばらしき世界】

今年初めて映画館で鑑賞した邦画 全私が泣いた 映画館で号泣した もう少しで嗚咽漏れるレベルだった 刑務所から出所した主人公を演じる役所広司が秀逸 殺人を犯して服役していた元ヤクザの主人公が 社会復帰をする過程を描いた物語 不遇な家庭環境により 上手に生きられなかった少年時代 流れに流されてヤクザの世界へ 次こそは更生しようと奮闘するが 立ちはだかる世間の壁と 痛感する己の無知 それでも差し伸べられる手を見逃さず もがきながらも必死で掴んで行く姿は 涙なしでは観られな

私を私たらしめるもの 映画編

みなさん、こんにちは。綺羅です。 今日もnoteをご覧いただき、ありがとうございます。 今、この記事を、初めてスマホから、書いているのですが、パソコンとは勝手が違うので、書きにくいです。 人間の慣れってすごいですね・・・。 更新できる環境に、いつもパソコンがあるとは限らないので、今後、たまにはスマホからの投稿も挑戦していきたいと思います。 さて、今回は「私を私たらしめるもの」シリーズの更新に参ります。 今日のテーマは、映画編です。 ジャンルごとにまとめようか迷っ

あのこは貴族の感想(ネタバレあり)

イオンシネマ京都桂川で鑑賞。2021年初映画館。 京都の緊急事態宣言が明けたので映画館での鑑賞もこれから少しずつ増やしていこうと思う。 日本にある階級差をそれぞれの立場で生き辛さを抱える女性の目線で語られる「今」を描いた一級の物語、その原作を素晴らしい脚本と鬼の様に上手い演出で見事に映像化した今年を代表する大傑作だと思う。2021年一本目の鑑賞に相応しい作品だった。 価値観の正しさ「邂逅」のシークエンスで逸子が華子と美紀を会わせるのだけど、どういう意図でそうしてるか分から

映画『花束みたいな恋をした』を演出するアイテムたち【観たひと用】

とんでもなく面白かった映画『花束みたいな恋をした』ですが、特徴的だったのがさすが坂元裕二さんによる脚本でバンバン飛び交う固有名詞たち。 その中でも本や映画やマンガや駅とか、具体的な名称やタイトルが登場人物たちを物語る上ですごく役立っています。 映画を演出したこのキーアイテムたちにフォーカスして今回はnoteを書いてみたいと思います。 固有名詞を出す効果まず固有名詞を出す効果なんですが、すごく時代性を出すことができると思います。その世代なんだとか、その時期ってそうだったよね

迷子の警察音楽隊

鑑賞時の感想ツイートはこちら。 2007年のイスラエル/フランス映画。文化交流のために招かれて、エジプトからイスラエルへやってきた警察音楽隊の一行。重なる手違いから何もない辺境の町に辿り着いてしまい、地元住民の親切で一晩泊めてもらうことに――。 エジプトとイスラエル、ふたつの国の人々が、ぎこちないながらもささやかに交流する一夜を描いたヒューマンドラマ作品です。英題 "The Band’s Visit"。 監督は、イスラエルのエラン・コリリン。出演は、サッソン・ガーベイ、

映画「あのこは貴族」レビュー

こんにちは。 先日、公開前から楽しみにしていた門脇麦、水原希子主演の映画「あのこは貴族」をようやく観てきました。今回はストーリーについてのネタバレはせずにレビューしたいと思いますので、まだ観に行こうか迷っている方も、既に観た方もぜひ読んでいただけたら嬉しいです。 広く撒かれた共感の種東京で裕福に暮らしてきた、華子(門脇麦)と、田舎育ちで東京に出てきた美紀(水原希子)。人によって、共感できるのは華子だったり、美紀だったり、或いは両方だったりすると思います。 登場人物はそれぞ

森七菜の歌うスマイルがどこかストイックで好き

映画「ライアー×ライアー」を見てからというもの、森七菜ちゃんの魅力にすっかり取り憑かれています。 なので、最近森七菜ちゃんの「スマイル」をよく聞いています。この曲はホフディランさんのカバーで、こち亀の初代エンディングテーマなんですね!知らなかったです。この歌の歌詞は賛否両論あるようで、ちょっと言い方を変えてしまうと、女なら愛想良くしてろ的な、いわゆる女性蔑視ともとられてしまうようなんですね。 でも、森七菜ちゃんの歌うスマイル。私はすっごく好きなんです。どこがそんなに好きな