KOPE's逆噴射大賞19:投稿作品ライナーノーツ/あるいは反省会
ほう、とため息をひとつつき、再び手書きの地図に目を落とす。
自由商業都市・note市の大通りのひとつ、小洒落たサロンやカフェーの並ぶ「エッセー通り」。その喧騒を抜けて三叉路を左。暫く進むと次の通りに出る。ここが「小説通り」。右に曲がりまた真っ直ぐ行けば「ダイハードテイルズ・シアター」が見える。
ここまではよし。目的地は近い。
だが劇場前を過ぎてふたつ目の路地……つまり進むべき道をのぞき込んだとたん、俺の足はぴたりと止まってしまう。そこはそれまでの清潔な町並みとは大きく様子が