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トピックス(日本)

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2020年11月の記事一覧

京都の休日 #3 〜Salon de KANBAYASHI(サロン・ド・上林)で日本茶に舌鼓をうった午後のこと〜

日本茶の真の魅力にふれたのは 今回が初めてでした。 これまでにも何度も 緑茶もほうじ茶も口にしてきましたが それとはまったく違う お茶の豊かさを知ることができました。 訪れたのは東山にある Salon de KANBAYASHI(サロン・ド・上林)。 古き良き街並みを散策している途中に こちらの素敵なお店をみつけたのです。 1925年に邸宅として建てられ、 現在はフレンチダイニングとカフェとして 人気を博しています。 エレガントでモダンな雰囲気の ダイニングの入り

クロスボール#12

前回(第11話 嫌味)のあらすじ…ある日、部室でダイチとハルトが言い争いをはじめる。サッカーに本気で向き合う気がないのだと言われたケイシたちは、ハルトの言葉が胸に刺さる。そして、ユイには、変わったのはケイシの方でハルトは幼い頃から変わらず真っ直ぐにサッカーに取り組んできたのではと言われ、ハッとするケイシだっが… 第12話 サンダル  家に帰ると、父が珍しくリビングにいた。ケイシの帰りを待っていたようで、椅子に座っている後ろ姿からは、いつもとは違う空気が伝わってきた。 「

クロスボール#11

前回(第10話 捻挫)のあらすじ… 3分だけ途中出場した試合で、足首を捻挫してしまったケイシ。父のプレッシャーから逃がれるようにプールへ向かうが、改修工事で使えない。その帰り道、いつものように練習するハルトに声をかけるが、ハルトは強がるばかりで… 第11話 嫌味 「なぁ、練習が終わってから、みんなで居残り練習しないか?」  練習試合で4敗目を記録したあの日以来、チームの雰囲気はあまりいいものではなかった。ユウマは、どうにか流れを変えるきっかけを掴みたい一心で提案したのだ

クロスボール#10

前回のあらすじ… 新人戦で優勝した高野中学との練習試合。ハルトは、相手の強引なプレーに苛立ち、乱闘騒ぎを起こしてしまう。途中出場したケイシだったが、ハルトを欠いたチームでは勝つことが出来ず… 《目次》 第1話 ヒーロー 第2話 無謀な戦い 第3話 胸焼け 第4話 オレンジジュース 第5話 背中 第6話 猫のようなやつ 第7話 苛立ち 第8話 恋 第9話 ベンチ 第10話 捻挫 「捻挫だな」  試合に出た喜びは、ほんの一瞬だった。ケイシは、痛む足を抑えながら保健室にいた。

クロスボール#9

前回のあらすじ… プールで出会ったその日から、ケイシはユイのことが頭から離れないでいた。もう一度会いたいと思うケイシ。再び会えた時、何故だかユイは、ハルトのことを扱き下ろす。咄嗟にハルトを庇い、練習試合も見に来るように勧めてしまったケイシだったが… 《目次》 第1話 ヒーロー 第2話 無謀な戦い 第3話 胸焼け 第4話 オレンジジュース 第5話 背中 第6話 猫のようなやつ 第7話 苛立ち 第8話 恋 第9話 ベンチ 「勝てるかな」  練習試合の相手は、高野中学だ。高

クロスボール#8

前回のあらすじ… 久しぶりにハルトと家で過ごしたケイシは、幼い頃のことを思い出していた。練習試合では完敗が続いている。ハルトの調子が落ちるのと同じようにチームの調子は狂い始める。次第にチームの雰囲気も悪くなっていき… 《目次》 第1話 ヒーロー 第2話 無謀な戦い 第3話 胸焼け 第4話 オレンジジュース 第5話 背中 第6話 猫のようなやつ 第7話 苛立ち 第8話 恋 「随分、久しぶりじゃねぇか」  杉山が、ケイシを見つけるとからかうように笑った。 「この頃、練習

クロスボール#7

第7話 苛立ち 「どんどん食べてね。遠慮はいらないから」  その言葉通り、ハルトはもうカレーを3杯たいらげている。母はそんなハルトの顔を見て、ほほ笑んでいた。 「もう十分だろう。何杯食べるんだよ。行くぞ」  ハルトが家へ来るのは久しぶりだ。避けていたわけではない。ハルトも、そして自分も忙しかったからだ、とケイシは心の中で呟いていた。3杯目をつごうとした母親を止め、ハルトを2階へ連れ出した。  もうすぐ受験生になるのだという自覚はケイシにもある。ケイシは、一瞬迷ったが、

クロスボール#6

前回のあらすじ… ランニングで先頭を競うハルトに追いつこうと必死のケイシ。しかし、背中は遠く、すぐそばには後輩たちが迫っていた。そんな中、強豪南稜高校の監督達が、ハルトの視察にやってくる。一方、ケイシは白紙で出した進路用紙の書き直しをさせられていて… 《目次》 第1話 ヒーロー 第2話 無謀な戦い 第3話 胸焼け 第4話 オレンジジュース 第5話 背中 第6話 猫のようなやつ 「じいさん、鍵」  何度呼びかけても、杉山は新聞を広げたまま、ケイシに目もくれない。 「

クロスボール#5

前回のあらすじ… 先輩と揉めるハルトの尻拭いをしたケイシは、ハルトの態度に苛立ちを覚える。その一方で、誰にでも真っ直ぐなハルトにどこか感心している自分に気が付く。周りと同じようにハルトを誉める母、小言をいう父から逃げるようにプールに居場所を求めたケイシだったが… 《目次》 第1話 ヒーロー 第2話 無謀な戦い 第3話 胸焼け 第4話 オレンジジュース 第5話 背中 「練習始めるから、早く部室にこいよ」  ユウマは、キャプテンになってから、より一層口うるさくなった。ケイシ

クロスボール#4

前回のあらすじ… ハルトとの試合に完敗したケイシは、ダイチと一緒にハルトにイタズラをしかける。真剣にサッカーと向き合うハルトとは対照的に、ケイシはダイチとふざけあって過ごすいつもの日常に満足してしまっていて… 《目次》 第1話 ヒーロー 第2話 無謀な戦い 第3話 胸焼け 第4話 オレンジジュース 「何だよ」 「いいから!」  ケイシは、ダイチに連れられ、グラウンドへ向かっていた。こういう時は、大抵面倒なことが起きる。ケイシは、そう思っていた。  昨日の胸焼けがま

クロスボール#3

第3話 胸焼け 「お前が下手くそだから負けたんだろ」  部活の時間になっても、ケイシは、ハルトとの勝負を引きずっていた。  グラウンドには、帰宅する生徒の笑い声と、部活に向かおうとはしゃぐ生徒の声が、賑やかに重なり響いていた。 「これじゃ笑いものだよ」  ケイシの言葉は、その音にかきけされていく。 「なんだぁ、一度負けたくらいで情けねぇ。今日は調子が悪かっただけだろう」  ダイチは、いつも通りポジティブで、そんなことは気にするな、とケイシの腹を掴んできた。 「

そもそもこれは何の話?

 cakesのホームレス取材の記事がなんかすごい批難と否定受けてたんで読んでみました。そういえばnoteとcakesって同じところだったな…。  内容を精査すれば「取材対象探すのググって速攻とかダメだろ」とか「まあ結局自分がならないという確信があるから書ける記事だよね」とか色々あるし、正直最初に思ったのは「これ映画だったらこの記事と非難がきっかけで記事も書けなくなって全て失ってホームレスになった時ついにまた記事が書けるようになるやつだ…」(こんなこと付け足したくもないけど別

クロスボール#2

第2話 無謀な戦い 「おい、ハルト、起きろ」  ハルトは眠たい目をこすって、わずかに開けた小さな瞳でケイシを見つめている。 「次、体育だぞ」 「ん……」    ハルトは、静かに背伸びをすると、また机に頭を沈めた。少し茶色がかった髪の毛が、風で静かに揺れている。この姿のどこがヒーローなのだろう。グラウンドで見せるような存在感は全くない。ただ、部活の時間までひっそりと息を潜めている。体は大きいのに、小さく丸まったその姿は、まるで冬眠中の動物のようだ。サッカー以外には何に対し

クロスボール#1

第1話 ヒーロー  ―人生は不公平である。  世の中には、“持ってるヤツ”と“持ってないヤツ”がいて、僕は決まって“持ってないヤツ”の方で、そんな僕が、“持ってるヤツ”に歯向かおうとしても、それはもう“持ってないヤツ”がいくらあがいたって到底かなわないような不思議な力が働いている。    運とか神様とか、なんだかよくわからないけど、“持ってるヤツ”は、そんなもの全てを味方にする。  僕は、息をしているだけ。  ただ、こうして息をしているだけだ。  今日も、僕は、プー