にわとり

逆噴射小説大賞私的ピックアップ

 座れ。
 逆噴射小説大賞もあと1週間ほどになった。
 当該コンテストを知らぬような腰抜けがこの記事を見に来るようなことは無いので説明は省略する。

 俺はこのかこくな戦場で毎日パルプを書き、オーガのテンプルを撃ち抜いたりゴブリンのボールをフッ飛ばしたりしてきた。
 そんな俺が退却を余儀なくされたモンスター達をしょうかいする。   
 震えろ。そしてこれらを超えるモンスターを生み出すんだ。さあ立て。


 『討ち入りパレード・ザ・リアル』は余人には到達できない発想でつよい。前世で討ち入りの経験があるのだろう。


 『パラノイア・ファミリー』は上質な4コマ漫画のような展開の妙。そして「続きを読みたい」という欲求にも応えた快作、いや怪作だ。前世で討ち入りの経験があるのだろう。


 「国技館ロイヤルランブル」は相撲とプロレス、そしてキアヌが皿の上でひとつの美しい料理になったような作品だ。実際は土俵の上だがそんなことはどうでもいい。おそらく作者の前世はキアヌで、討ち入りの経験があるのだろう。


 『ガールズ&ゴーレム』については俺が”あの作品”を好きだからという理由を否定はしない。劇場版は8回ほど映画館に足を運んだだけだが。アレをゴーレムにしたところがミソだ。巨大ロボットではどうしても出せないものがここにはある。おそらく著者は前世においてゴーレムで討ち入りをした経験があるはずだ。


 『一五力士漂流記』はタイトルが強く導入も強く引きも強い。引きが強いのは力士故当然。おそらく著者の前世は力士で、討ち入り後漂流をした経験をもとに書かれたと予想する。


 『自動車狂歌』は世を騒がす社会問題をみじん切りにしてミキサーにかけ、流しに捨てて昼寝をした後にイチから作ったような逸品。チェッカーフラッグの先に何があるのか、それは前世で吉良邸にマクラーレンMP4/9でブッ込みをかけた作者にしか知り得ない。


 以上だ。この素晴らしくも恐ろしい作家陣に何か共通点はないのだろうか。それが俺が彼らを超えるための鍵になるはずだ。
 俺は椅子に深く腰掛け、猫を撫でながら逆光でワイングラスに注がれたファンタグレープとかを飲む。つまみになるドリトスは俺が頂くのだ。

【終わり】

※本記事中の表現などについて問題が生じた場合はすぐに訴訟などを起こさず、冷静にメッセージとかコメントをください。

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