サッカービジネス

2020年のサッカー界は、ヴィッセル神戸が天皇杯を制し、初タイトル獲得からスタートした。
ヴィッセルの大型補強がようやく実を結んだ。

ポドルスキーやビジャ、イニエスタなど外国籍選手の加入が注目されているが、個人的には酒井高徳が加入したあたりから、チームが確立されたように感じた。
なんとなくふわふわしていたゲーム運びが、彼の加入により地に足のついた、見ていてまとまりのあるチームに変わっていった。

2020年のリーグ戦にも期待して良いのではないかと思う。毎年毎年ヴィッセルのリーグ戦は期待とは裏腹の結果になるのだけど、今年こそはと、チーム関係者もサポーターも初詣で祈願しているころだと思う。

そんなヴィッセルの話題を持ち上げた私はというと、応援するチームはJ2に陥落し、2020年シーズンは東京オリンピックの陰でこっそりと応援し続けていこうと思っている。
J1ではヴィッセル、J2ではジュビロと、両カテゴリーで応援できるチームがあることをポジティブに捉えるつもりだ。

ヴィッセル神戸が海外でも活躍する選手を獲得して注目されるようになったのは、間違いなく楽天が株主になってからだ。
巨額マネーが投下された。
私が保有している楽天ポイントがハナクソ以下に見えるくらいの巨額マネーだ。

かたやジュビロ磐田の母体だって企業規模としては世界に誇るヤマハ発動機だ。楽天にも引けを取らない。
だけどいわゆる地方クラブであり、スタジアムも15000人程度しか入らない。

地方クラブの代表だった鹿島アントラーズ。ジュビロとは一時代を築いた。
ジュビロが低迷している間もアントラーズは安定した強さを維持してきた。今シーズンこそ無冠に終わったが、リーグ戦も天皇杯も最後まで優勝を争った。
アントラーズは昨年、メルカリが筆頭株主になったことで大きな注目を浴びた。
楽天ほどの巨額マネーとはいかないが、新たなクラブ経営手法が今後どんなものになっていくのか楽しみだ。

ヴィッセルにしてもアントラーズにしても、クラブ経営を考えたときに重要視しているのが、「新たなファン層の獲得」だ。

ジュビロだって名波やゴン中山、藤田が現役で強かった頃は、全国にファンがいた。地方クラブにも関わらず、国立でゲームがあるときには満員に近いジュビロサポーターで埋まった。

メルカリが株主になったことによって、今後メルカリが保有するユーザーにさまざまな形でアントラーズがアプローチするだろう。
今までアントラーズにもJリーグにもそれほど関心のなかった層にアプローチされる。
メルカリユーザーはしかも全国にいる。メルペイだってどこでも使える。

ジュビロの母体のヤマハだって、全国にヤマハのバイクに乗ったり、ヤマハのピアノを弾いたるする人はいる。世界的に見れば、メルカリよりもヤマハの方が認知されている。

なのにである。
この体たらく。
正直、ヤマハのクラブ運営は時代的に限界にきているのではないかと思う。
楽天やメルカリなど、クラブ経営に新たな手法を投入して、ファンをどんどん獲得している。観客が増え、グッズ収入は増え、スポンサー収入が増える。ネームバリューある選手も獲得できる。

ジュビロ同様にグランパスも厳しい。母体はトヨタなのにである。
母体の規模というより、クラブ運営に母体の保有する資源をどう活かすのか。
マネーという資源だけでなく、保有するユーザーやサービスといった資源をどう活用するのか。
新たなアイデアや手法が必要になっているのだと思う。

願うのは、ジュビロというチームが強くなること。再びあの栄光の時代を取り戻すこと。
全国にジュビロファンがいて、ジュビロファンであることを誇れること。

そのために、クラブの考え方、やり方を大きく変えるか、もしくはアントラーズのように違う資本を受け入れるか。
どこか引き受けてくれるところはありませんか?

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