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4.文法:英語の構造を学ぶ

※2018/1/5 【1.使用する教材】に「④その他:より深く英語表現を理解するために」を加筆しました。

今回は文法の学習について説明します。
文法に関しては日本の学生時代の学習経験から、抵抗を持つ方も少なくないと思いますが、外国語として英語を学習する場合、必須の項目となります。
小さいころから英語の環境に身を置いていれば、文法を学習することなく、自由に使いこなすことができます。これは日本語も同じです。しかし赤ん坊・幼児が言語を習得する脳のプロセスは研究・学問の観点から未だ解明されていません。ある一定の年齢に達した人間が、留学などで単に英語の環境に身を置いただけでは、文法を始めとした英語の構造を使いこなせるようにならないというのは、皆さんも多くの事例を見たことがあるのではないでしょうか。

英会話を例に取ると、英語を話すときは
①(ある程度)正しい発音で、
②(ある程度)正しい文構造で、
③(ある程度)正しい単語を選択して
話せば、相手に伝わります。
逆に言うとこれらのうち1つでも要素が欠けていると、相手に伝わりません。英会話は、発音が良ければ伝わるというわけではないのです。

英文法を学習したことのある方なら感じたかと思いますが、日本語と英語は成り立ちから背景まで根本から異なります。世界の言語の中で最も遠い組み合わせの一つだとする説もあります。言語の持つ特徴を「コンテクスト」と表現しますが、この辺りの記述は以下の書籍に詳しく述べられているので、興味のある方はご参考ください。

異文化理解力―相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養

苦手意識を持つ方もいるかと思いますが、文法は、他のどのトレーニングよりも学習量が少なく短期間で完了します。ですので、あまり身構えることなく、気楽に行きましょう。

本記事のコンテンツは、以下の通りです。
1.使用する教材
2.文法学習の具体的なやり方
3.トレーニングのコツ、注意事項
4.まとめ

【1.使用する教材】

日本は中学・高校で英文法のほとんどを学習します。英文法の学習は、ご自身の実力がどの辺りのレベルにあるか、書店での立ち読み等で判断し、以下の3つから開始地点を選択してください。ほとんどの方は、②もしくは③からのスタートで問題ありません。

①中学英語の文法からやり直したい方

別記事で解説した「英作文トレーニング」が、中学英語の反復学習になっており、自動的に中学英語の復習になるため、基本的にこのステップは飛ばして構いません。ただ中学英語の文法自体がほとんど理解できない、または忘れてしまっている方は、「高校入試用の英文法問題集」を一通り解いてから②に進んでください。以下にテキストの例をご紹介します。

英文法のトリセツ

②中学英語の文法はほぼ理解でき、高校英語(大学入試)の英文法から始めたい方

よほど深刻に文法に対して苦手意識が無い限り、ほとんどの方はここから開始すれば問題ありません。大学入試用の文法問題集です。
大学入試用の英文法は色々な書籍がありますが、本記事では以下の問題集と参考書をお勧めします。どちらも高校時代に手に取ったことがある方も多いかもしれません。

ロイヤル英文法問題集

総合英語Forest 7th Edition(参考書)

③大学入試の文法もある程度理解できる方

高校時代に英語がある程度得意だった方、特に苦手意識の無い方は、いきなりこちらから始めてもかまいません。TOEIC, TOEFLの文法対策本です。TOEFLについてはiBTになり、文法セクションはなくなってしまいましたが、下記の参考書は非常に質が高く、英文法理解の大きな助けとなったので、掲載しておきます。

TOEIC(R)TEST文法完全攻略 (アスカカルチャー、参考書)

TOEFL TEST英文法徹底対策(参考書兼問題集)

はじめてのTOEFL―必ず出題される基礎文法集中攻略(参考書)

④その他:より深く英語表現を理解するために

純ドメ日本人が一定の年齢に達した後、英語を勉強する場合、英語についてネイティブと同じように真の意味で理解するようになることはできません。しかし、少しでもコミュニケーションの質を上げる努力はできます。そのための本をご紹介します。

日本人の英語

実践 日本人の英語

特に英語を書く・話すアウトプットの際によく言われる「直訳するのではなく意訳しよう」というものですが、「そんなの難しいよ!」と思われる方も多いと思います。私がそのような状態の時に手に取り、非常に参考になった本です。特に冠詞や時制について理解が深まり、英語表現について相手に伝わる選択をできるようになり、相手から聞き返されることが大幅に減りました。一通り文法学習を終えた後に、ぜひ手に取ってほしい本です。


【2.文法学習の具体的なやり方】

文法学習というとペンを持って机にかじりつき、ひたすら問題を解くイメージがあるかと思います(私はそれがたまらなく苦痛でした・・)。ですが本記事では「使える文法」を目指し、あくまで音読をベースにしたトレーニングを行います。もちろんペンは使用してもかまいませんが、あくまで補助的な役割と考えてください。

実際のトレーニング方法ですが、文法問題集や参考書は文法の分野別にテキストが構成されており、解説の後に問題が数個あるのが通常の構成です。まずは解説部分を読み、「こういう決まりなんだな」「こういう例外もあるんだな」というのを理解してください。

その後、問題に取り掛かりますが、例えば下記の問題(関係代名詞)があったとします。

I have a friend (  ) plays baseball very well
a) who, b)whom, c)whose

正解はa)ですが、わからなくてもあまり考え込まず、10秒ぐらい経過したら答え合わせをしてください。答え合わせの時ですが、単に空欄部分の解答だけでなく、例えばwhen節の動詞が原型になっていたり、仮定法の動詞が過去形になっていたりと、他の部分の文法事項にも十分注意し、全て理解できるようにしてください。
そして、問題文をスムーズに言えるまで、10~20回程度、テキストを見ながら音読します。音読の際、それぞれの単語が、その英文において文法的にどのような位置づけなのかを意識しながら、SVCなどの文型も意識しつつ、音読してください。英作文トレーニングとは異なり、10~20回程度音読すれば十分です。まとめますと、以下の3ステップになります。
①問題を素早く解く
②解説を読んで理解
③音読

上記のステップを繰り返し、テキストを最後まで終えたら、もう一度最初からやり直してください。2週目、3週目と進むごとに、かかる時間はどんどん少なくなり、テンポ良く進めることができます。理解度にもよりますが、大体5週行えば、そのテキストは完了して良いでしょう。

このトレーニングを繰り返すと、文法事項ごとに例文が口からスムーズに出るようになり、多少構成や単語が変わっても対応できるようになります。別記事に掲載した英作文トレーニングとの併用で、「筆記テストのための文法」から脱却し、「使える文法」を身につけることができます。

【3.トレーニングのコツ、注意事項】

受験勉強のように「問題を解くこと」「細かいミスをしないこと」をあまり気にする必要はありません。もちろん、文法ですので正しく理解することは必要なのですが、それよりも、文法ごとの規則に則り、口から英文がスムーズに出てくることを優先してください。使える文法を身につけるためです。ここでも音読が活躍します。音読最強です。

【4.まとめ】

本記事のまとめです。

・英文法は、他のどのトレーニングよりも学習量が少なく短期間で完了する

・前記事で紹介した英作文トレーニングが、文法の学習を兼ね備えている

・参考書の解説内容を一通り理解したら、問題文を解く。あまり悩まずに答え合わせを行う。

・問題文を音読して、口に落ち着ける。10~20回程度。それぞれの単語の文法的位置づけを意識する。

・「問題を解くこと」「細かいミスをしないこと」に捕らわれすぎず、口から英文がスムーズに出てくることを優先する。

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