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治療家が現場で使える栄養学~睡眠の質編~


栄養カウンセラー、柔道整復師の佐藤宏隆(さとうひろたか)です。

今回は『睡眠の質』について。

治療院の現場でも睡眠の質については必ず話題にも出てくるかとも思います。

・筋肉をほぐしても良くならない
・鍼灸でも良くならない
・枕をいくつも試した

これらはよく聞く話ですよね。


では、

栄養学的な観点からはどう考察すればいいのか?
実際にどのようなケースがあるのか?

について話していきたいと思います。


【いい睡眠とは】


そもそも、
いい睡眠とは何なのかを見てみましょう。

⒜  体温や自律系などの概日リズムが外界の24時間昼夜変動に同調し、適正な振幅を確保している(昼と夜のメリハリが明瞭である)こと。

⒝  それらの概日リズムと睡眠-覚醒のサイクルとが内的脱同調せず、両者の位相角(たとえば体温リズムが下降する途中のどのタイミングで睡眠が始まるか)が安定していること。⒜とあわせると、睡眠-覚醒のサイクルの規則性が確保されていることになる。

⒞  個人に必要な睡眠の量(時間)が確保され、日中に過度の眠気や意図しない居眠りが生じないこと。さらに、日中の心身の状態が自分の生活スタイルにとって適切な状態であること。

⒟  睡眠の安定性が確保されていること。すなわち、ノンレム-レム睡眠のサイク ルがある程度規則的で中途覚醒が少ないこと。さらに、睡眠前半に必要な徐波睡眠を確保し、睡眠中盤から後半にかけて出現するレム睡眠が覚醒などで途切れず、 ある程度まとまりがあること。

⒠  概日リズムおよび睡眠-覚醒のサイクルと個人の生活サイクルとの位相角が適切であること。たとえば、起床するべき時刻より少し前に体温の最低点が過ぎ、 体温が上昇し始めるなど覚醒の準備が整った頃に起床できること。

⒡  就寝してから入眠するまでに過度の時間を要しないこと。つまり、睡眠潜時が気にならない程度の長さであれば問題はなく、逆に潜時が極端に短い(数分以 内)ことは睡眠量不足の可能性もあるので適切でない。 健康睡眠とは安定した睡眠と日中の健全な行動が出来ること (注:「すぐ眠れる」にも適正な範囲がある) 第3章 より健康的な睡眠を確保するための生活術 64

⒢  睡眠の終了(覚醒の開始)から起床して行動を開始するまでの推移が円滑であ ること。つまり、寝起きが時間的にも主観的にも良好であること。

⒣  睡眠について主観的な満足度(熟眠感など)が得られていること。

⒤  日中の状態について、過度の疲労感がなく、主観的な満足度(意欲など)が得 られていること。

厚生労働省 第3章 より健康的な睡眠を確保するための生活術 3.1 良質睡眠・健康睡眠とは 1)正常睡眠範囲内=良質・健康的とは限らない(PDF)

少し長くなっていますが、睡眠の質はかなり個人差があるということ。

朝起きた状態や日中での眠気の状態など漠然としたものがあるようです。

また細かく脳波などで良いとされる波形が検出されたとしても、主観的に調子が良くなければいい睡眠とは言えないということです。

なのでショートスリーパーでもロングスリーパーでも、朝起きた状態や寝つきの良さ、中途覚醒などの状態も考慮し睡眠の質とした方がいいということです。

また様々な不確定要素があるため断定できない部分があるのですが、お相手の生活習慣などのヒアリングから状態確認を取り、睡眠の質を下げ得る要因を導き出す必要があります。

【睡眠の質を上げるために必要なこと】

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