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食材とその驚くべき効能 〜米〜

初めに

食べることは、私たちの生活の中で楽しみであり、必要不可欠な活動です。しかし、食事は単なる栄養補給だけでなく、私たちの体と心に深い影響を及ぼします。そこで、古代中国から伝わる中医薬膳が登場します。中医薬膳は、食材と効能の絶妙な組み合わせを通じて、健康をサポートし、体のバランスを整える方法です。

この章では、中医薬膳の秘密に迫り、健康食材の驚くべき効能に焦点を当てます。中医薬膳の素晴らしさを探求し、日常の食事に取り入れる方法をご紹介します。健康で充実した人生を送るための鍵が、食材の中に隠れているかもしれません。それでは、中医薬膳の世界へと足を踏み入れ、健康と幸福への旅を始めましょう。

うるち米

「米(うるち米)」は、中医薬では「四気五味」の中で「甘味」と「平性」を持つ食材とされています。これは、体に対して温かくも冷たくもない性質で、バランスの取れた特性を持っています。

この食材は「脾(ひ)」と「胃(い)」という臓器に特に良い影響を与えます。

要するに、うるち米は中医薬で非常に重要な食材であり、体調のバランスを整え、特に消化器官に良い影響を与えるとされています。中医薬の観点から見ると、食事においてもうるち米を摂ることは健康に役立つことがわかります。

効能

補中益気・健脾和冑・除煩止渇

 補中益気
胃腸の働きを補い、体のエネルギーである気を増やすということです。気が不足すると、疲れやすくなったり、食欲がなくなったりします。補中益気湯は、人参や黄耆などの滋養強壮作用のある生薬を含む漢方薬で、気虚(ききょ)という体力が低下した状態に用いられます。

健脾和冑
脾(ひ)という臓器を健やかにし、冑(しょう)という水分の代謝を調整するということです。脾は消化吸収に関わる臓器で、冑は水分の循環に関わるものです。脾や冑が不調になると、水分代謝が乱れてむくみや便秘などが起こります。健脾和冑湯は、白朮や陳皮などの利尿作用や健胃作用のある生薬を含む漢方薬で、水分代謝障害(すいぶんたいしゃしょうがい)という水分の循環が悪くなった状態に用いられます。

除煩止渇
煩(はん)という心身の不安や苛立ちを除き、渇(かつ)という口渇や喉の乾きを止めるということです。煩や渇は、体内に熱がこもっていることが原因で起こります。除煩止渇湯は、柴胡や升麻などの解熱作用や鎮静作用のある生薬を含む漢方薬で、内熱(ないねつ)という体内に熱が溜まった状態に用いられます。

適応症例

中気不足・脾胃不和・津傷煩渇

中気不足
中気(胃腸の働きや消化吸収能力を司る気)が不足することで、消化不良や倦怠感、息切れなどの症状が現れる状態です。原因は、食事の不摂生や過労、ストレスなどが挙げられます。

脾胃不和
脾(消化吸収を司る臓器)と胃(食物を受け入れる臓器)の機能が低下し、消化不良や胃腸の不快感などの症状が現れる状態です。原因は、食事の不摂生や過食、冷たいものの摂取、ストレスなどが挙げられます。

津傷煩渇
津液(体液)が傷つけられて減少し、口渇や乾き肌などの症状が現れる状態です。原因は、高熱や長期にわたる熱、激しい下痢や嘔吐などが挙げられます。治療は、津液を生成する漢方薬を用いることが一般的です。

「補気」の分類に入る食材であるため、体の気力を補充する働きがあります。

うるち米の栄養素(100g当たり)

栄養素
水分:60.5g
カロリー:170kcal
炭水化物:36.0g
タンパク質:2.6g
脂質:0.4g
食物繊維:0.4g
ビタミンB1:0.04mg
ビタミンB2:0.01mg
ビタミンE:0.1mg
マグネシウム:17mg
亜鉛:0.7mg


米(もち米)

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