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HERALBONY ArtHandkerchief AWARD 2021|受賞作品 3/536 発表

ヘラルボニーで初となる「ArtHandkerchief AWARD」では、2021年に発表するアートハンカチになるアート作品を募集し、日本国内にとどまらず、海外からも含めて536作品の応募がありました。

まずは、ヘラルボニー初開催となるArtHandkerchief AWARDにご応募いただいたみなさま、SNS等でシェアいただいたみなさま、心より御礼申し上げます。

今回、ヘラルボニーとしても初の取り組みということもあり、1作品ごとに丁寧に、何度も議論を重ねた結果、選考作品の発表が1週間遅くなってしまったことを深くお詫び申し上げます。

まずは第一選考にて、16作品のファイナリストを選出しました。どれも素晴らしい作品ばかりではありましたが、最終選考の結果、3作品が2021年のアートハンカチを彩ることに決定しました。

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(シンガポール在住 モデル:Yippeeyapが愛用する1枚)※アーティスト:冨澤富士子

今回はArtHandkerchief AWARDということもあり、審査基準としては「アートハンカチに落とし込んだ時の商品としての実現可能性」でございます。

今回のAWARDを通して、アーティストにとってひとつの通過点となる。そんな機会になれればと強く思うと同時に、新しい才能たちとの出逢いに興奮しております。それでは、今回の概要のおさらいと、選出3作品を発表させていただきます。

HERALBONY ArtHandkerchief AWARD 2021概要

①応募期間
2020年6月1日〜2020年7月15日

②応募資格
障害のあるアーティスト
※福祉施設に所属していないアーティストの作品を応募される場合及び福祉施設の推薦が受けられない場合は、福祉施設名称欄に「所属なし」と記載をお願いします。

③応募の作品点数
応募は、1アーティスト10点までとします。
※現存する、過去に受賞歴のない作品に限ります。
※応募回数に制限はございません。

④最終審査員
株式会社ヘラルボニー  代表取締役  松田 崇弥
株式会社ヘラルボニー  取締役  佐々木春樹

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受賞作品 01

IMG_E1203 - しまだひさみ (1)

アーティスト名:FUMIE SHIMAOKA
作品名:「無題(かいじゅう)」

アーティストプロフィール

幼い頃から、机に向い集中して手指を動かす作業が好きで、モンテッソーリ教室に楽しく通っていた。折り紙が得意なところを見込まれて、ホテルでナプキン等のリネンを畳む仕事に就き、余暇として習字やリリアン、編み物をしながら過ごしていた。そんな中、ある日突然急性水腫を発症し、一時は失明も危惧されたが奇跡的に回復し、コンタクト治療によって視力を矯正できた後から、自ら手持ちの水性ペンで大胆に細やかな線画を描き始めた。

彼女の作品の特徴は、独特の色彩感覚でコツコツとちいさなマルやセルを繋げ、好きなモノや想いを描く。当初は、モノクロの作品を描いていたが、次第にたくさんの色を持ち、形を変え、欠片は増殖していき徐々に現在の作風が確立されていった。

高校卒業時の色紙に彼女が記した座右の銘は、「人生予期しないことが起こるからおもしろい」。現在は、作業所に通いながら、家族と夕食を囲んだ後のテーブルで、のんびりと創作活動を楽しむ毎日を過ごす。

ヘラルボニーからのコメント

網目状の構造に心を奪われる。まるで「葉脈」のようだ。葉脈は水や養分を供給する通路らしい。色づかい、太い線・細い線、幾何学模様、作品の中にたくさんの要素が散りばめられている。じっと見つめていると、自分自身の心に栄養が補給されている感覚になる。

受賞作品 02

藤田望人「サインポール」  - nonlab Fujita (1)

アーティスト名:藤田 望人(NOZOMI FUJITA)

作品名:「サインポール」

アーティストプロフィール

2001年大分市生まれ。
3歳の頃、重度知的障害を伴う自閉症と診断される。
現在は、社会福祉法人幸福会 やまびこ広場(生活介護)に通所。
ロゴマークや文字に強いこだわりを持ち、小学生くらいから好きなものを絵に起こすことをほぼ毎日行っている。描くスタイルも独特で、多動もあって常に歩き回っているが、突然座ったかと思うと描きだす・・といった予測不能の描き方をする。

ヘラルボニーからのコメント

私の兄も藤田望人さんと同様、重度知的障害を伴う自閉症があり、ちびまる子ちゃんを見る時間、お風呂に入る時間など、曜日ごとの「ルーティン生活」を好んでいる。サインポールの、繰り返し、繰り返し、繰り返し、しかし突然に「あ」「あ」「?」など、平仮名や記号も隠されている。自閉症の強烈なこだわりの「特性」が「絵筆」に切り替わっていると確信する作品。鑑賞していると、本人の人となりや思考法まで考えてしまうのだ。

受賞作品 03

安積愛育園_安斎 隆史 (1)

アーティスト名:安斎 隆史(TAKASHI ANZAI)
所属:社会福祉法人安積愛育園 地域生活サポートセンターパッソ

作品名:「かぶと」

アーティストプロフィール

昭和42年2月23日生まれ/知的障害/福島県在住
野球などのスポーツ観戦、行事や季節の催しものが大好き。行きたいところ食べたいものなど新聞や広告を見ては職員に指をさして伝えてくれる。その思いを一枚の画用紙に色を染めて、表しています。

ヘラルボニーからのコメント

「重なる」と「重ねる」はちがうと思う。前者は意図していないもの、後者は意図しているもの。安斎さんの作品からは、花びらが風に吹かれて重なり合い、美しい景色が広がるように「偶然」を感じてしまうのだ。しかし、自分の「意思」があるのかもしれない。そう思うと、自然界のような景色を意図して作り上げる、創造主のようにも見えてしまうのだ。

さいごに

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数々の独創的な表現やアーティストのクリエイティビティが正しく評価される「きっかけ」にしたいという想いからはじまった「HERALBONY ArtHandkerchief AWARD 2021」。

ありがたいことに、536点という、私たちの予想を遥かに上回る素敵な作品に出逢うことができました。改めて、ご応募いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

選出された3名の応募者様には、追って選出のメールをお送りさせていただきます。尚、今回選出された3作品は、2020年12月から予約受付開始、2021年1月から毎月発表の上、アートハンカチとして販売予定です。

2021年を新しく彩る「HERALBONY ArtHandkerchief」の新作をご期待くださいませ。また、今回惜しくも受賞を逃したみなさまにも、アートライセンス等でのお声がけをさせていただく可能性もございます。

今後もさまざまな公募を企画しております。ぜひ今後も奮ってご参加いただけますと幸いです。今後とも「ヘラルボニー」を、どうぞよろしくお願いいたします。

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