コメントウザ男に菩薩リプライ②

Facebook上のキラキラ投稿に、いちいちウザいコメントを残す見知らぬ男。それに対し、完璧過ぎる優しい返事を返す菩薩。そのやりとりは、今もなお、続いていたのだった……。

【その①はこちら】
コメントウザ男に菩薩リプライ｜henzutsuu｜note（ノート）https://note.mu/henzutsuu/n/n77e9b533870b

ある日の菩薩の投稿。「スタバで顔見知りの店員さんが、カップをこんなに可愛くしてくれたー！今日もいいこと、ありそう♥」と、スタバのコーヒーカップに、ニコニコマークが描かれている画像をアップ。出たよ、スタバ。大体、なんでカップにマジックで絵を描くの？やめてくんない？とすら思う私には理解不能な、店員と客のキラキラ交流。コメントウザ男は、なんてコメントするのかな？と思ったら、予想以上だった。
「で、コーヒーは美味しかったですか？」
あら、いいこと言うじゃない！私は珍しく、心の中で喝采する。ウザ男はきっと、「スタバというのは、そもそもコーヒー店である。カップに絵を描いて親しみの接客をする前に、コーヒーの味で勝負すべき」と言いたいんだろう。
それに対する菩薩の返事はこうだ。「キャラメルマキアート、とっても美味しかったですよぉ！店員さんの心遣いに、いつもより2割マシマシで美味しかった気がします♪」
菩薩の勝ちだ。

とある日はこうだ。「四ツ葉のクローバー、見ーつけた！」ということで、公園かどこかに生えている四ツ葉のクローバーを、蛍光グリーン風に見える画像処理を施し投稿。「わぁ！きっといいこと、あるね！」的なコメントが並ぶ中、ウザ男の登場。
「僕は昨日、茶柱が立ちました」
茶柱も四ツ葉のクローバーも、言い伝えとして古すぎやしねえ？結局どっちが確率的にすごいの？という疑問も沸くが、とにかく出ました、ウザ男の真骨頂。今は茶柱でなく、四ツ葉のクローバーに注目して！お前のラッキー体験なんて聞いてないっていう。
でも菩薩はそんなことでは怒らない。「茶柱立ったんですね、ウザ男さんも私もきっといいことありますね！ワクワク♥」

また、菩薩は、日本各地から通販でせっせと食べ物のお取り寄せをして、美味しいと思ったものは、もれなくシェアする傾向にある。ある日も、鹿児島から取り寄せた酵母パンのようなものを紹介していた。「遠い鹿児島からやって来た酵母パン。レンジでチンしたら、外はカリカリ、中はしっとり！感激♥」とな。
ここで思いがけず、ウザ男の出身県が判明。
「我が故郷、かごっま経済に貢献頂き、誠に恐縮至極でございます」
お前の為に、かごっま経済に貢献した覚えはない！と言いたいところだが、菩薩はさすがです。
「えー！ウザ男さん、鹿児島ご出身なんですね！西郷どん、見てますよぉ。このパンもすっごく美味しくて、すっかり鹿児島ファンになりそうです。今度、旅行もしたいので、色々教えて下さいね」と。
驚くことに、ウザ男は更にこう返信していた。「旅行の件、了解です。いつ頃でお考えですか？」
さすがの菩薩も、そのまま沈黙を守っていた。
ほら、こうなるからさ、菩薩、社交辞令も程ほどにね。