見出し画像

「まんが相談会」のこれからについて

昨年から1年半くらい行ってきた「まんが相談会」。

デビュー済みのプロの漫画家さんたちの悩みに1対1でお答えする形の相談会で、連載やネームについて、企画そのものについて、担当について、将来どの媒体で描くのがいいかについてなど様々な相談に毎月お答えしてきました。

その「まんが相談会」なのですが、先月で漫画家さんの利用が延べ100人を越えましたので、大変申し訳ありませんがここで一旦しばらくお休みをください。

ありがたいことに、毎回募集するとすぐに枠が売り切れてしまっていましたし、プロの漫画家さんにとって、直接の担当編集者や、希望する媒体の編集者とは別の相談相手が欲しかったというニーズをひしひしと感じる日々でした。

どんな漫画家さんにも悩みがあり、また、どんなキャリアを積んでも悩みが尽きないという切実さも伝わってきたので、少しでも何か力になれればと思って向き合い続けてきましたが、こちらにとって勉強や刺激になることばかりでとても充実した会でした。

加えて、今まで知らなかった漫画家さんや作品に出会えるのはとても楽しかったですし、勉強不足で知らなかった媒体のことを教わることもできて大変ありがたかったです。

ただ、ここのところ、新しい仕事もだいぶ増えてきて、ちょっとこの会を維持するのがしんどくなってきていました。

プロの漫画家さんの相談に向き合うためには、送っていただいた資料やネームを真剣に読み込む必要がありますし、割と多い頻度でそれまで連載されてきた漫画作品全てに目を通すこともありました。日々一生懸命作品を描かれているプロの漫画家さんに、気軽で適当なフィードバックやアドバイスなんてとても出来ないからです。

当たり前ですが、そのためにはかなりの準備の時間が必要になります。体力や集中力も必要です。それを捻出するのが今ちょっと難しいです。というわけで、一旦休止させていただきます。すみません。

ですが、「相談できるプロの相手が欲しい」という漫画家さんたちのニーズには応えたいと思っていますので、またいつか必ず再開するつもりです。再開の際はお知らせしますので、それまでお待ちください。


気休めにもならないかもしれませんが、以下によくあった相談と一言回答を書いておきますので、よかったら参考にしてみてください。

<連載は貰えるけど人気や売り上げにならない>
→お仕事としてしっかり描いてはいるけど、だんだん手癖で描いてしまっていたり、絵が記号的になりすぎていたりで、作者の好きが伝わってこなくなっている。もう一度好きなものを全力で描いてみるのがおすすめ。
→話の入りが丁寧すぎて、どんな話で何が楽しみな連載なのか分かるのが遅い作りになってしまっている。なるべく早く話の本題に辿り着くようにしてみる。
→どこが一番魅力の作品か、絞り切れていない作り(散漫)になってしまっている。あるいは、それ故にか宣伝の力点が絞れていない。友達や知り合いに「今何を描いてるか一言で簡単に説明するとしたら?」と考えてみる。

<企画は通るのにネームが通らない>
→ネームにする時に話を丁寧に進めすぎていて、企画で感じられた良さや、どんな話なのかの本題が1~2話目に入ってない。例えば6話完結と言われている場合、ちょうど6話で終われるように6分割するのではなく、1~2話目で良さを出し、それを何度も味わってもらう作りにする方がおすすめ。

<読切は何本も載ってるけど連載が取れない>
→バラバラに色々なものを描いていて、特徴が覚えられていない。あるいはファンがついていない。何が得意か、何が好きかを絞って「覚えてもらうこと」を考えてみる。
→早く連載が欲しくて色々なものを盛り込みすぎている。本当に描きたいもの以外を一度削ぎ落としてみる。
→慎重になりすぎていて掲載のペースがまちまちか遅い。恐れずにどんどん出してみることも必要です。

<自分はどの媒体に向いているのか>
→まずはどんな人に向けて描きたいのかをはっきりさせてみる。どんな人に読んで欲しいのか。その人がいるのはどの媒体か。考えてみる。難しかったら出張編集部やマッチングサービス(DAYS NEO他)など、一度に沢山の編集者に見てもらえる機会を利用してみる。

<自分のどんなところが長所か>
→描いてて楽しいところ。自然と一生懸命描いちゃうところ。それが長所になる方が楽で楽しいので、自分で長所を決める方がいいです。

<もっと売れたい>
→自分が主観型(排出型)なのか、ニーズに応える客観型(興味型)なのか。どういうタイプなのか把握してみる。自分の中に既に描きたいもの、発表したいものが強くある主観型の人は、自分の描きたいものにできるだけマッチする媒体で描く方が道が早い。逆にオーダーやリクエストなど望まれるものに応えたい客観型の人は、企画や内容のリクエストがはっきりしてる媒体、最初からお客さんの多い媒体で描く方が道が早いです。

タイプについては良かったらこちらの記事を読んでみてください。

<担当とのコミュニケーションがうまくいかない>
→担当もエスパーではありません。何に悩んでいるか、どこを見てほしいのか、どんなアドバイスや指摘が欲しいのか、ちゃんと伝えるようにするといいです。話すのが難しかったら、プロットやネームを送る際にその1枚めに相談内容を書いてしまうのがおすすめです。

以上、簡単ですが、多く寄せられた相談とその一言回答でした。


まんが相談会の他にもう一つ。これまたしばらく続けていた、佐渡島庸平さんのYouTubeへの出演も一旦卒業させていただきました。こちらも沢山の人に観ていただいていたので申し訳ありませんがご容赦ください。アーカイブ観れますので、良かったらそちらをご覧ください。

こちらは初期の頃。最近のものは #水曜のマンガ道 で検索してみてください。


もう一つ毎月やっている「少女まんが勉強会」だけは今後も継続します。こちらはプロの方も投稿者の方も同人の方も、漫画を描いてる方はどなたでも参加できます。ぜひぜひお気軽にご参加ください。

ではでは、そういうわけで。

またいつか、まんが相談会を再開できる時まで、しばらくお待ちください。

これまでご利用いただいた皆さん、ありがとうございました。


サポート機能を使うことにしました。いただいたサポートは、また他の誰かをサポートするのに使わせていただきます🙇‍♂️