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電子カルテ開発の経験者。ヘンリーに参画して数ヶ月が経ったいま思うこと | エンジニアインタビュー

株式会社ヘンリーは、「社会課題を解決し続け、より良いセカイを創る」というMissionのもと、クリニック・中小病院向けの基幹システムであるクラウド型電子カルテ・レセプトシステム「Henry」を開発・展開しています。

今回お話を伺ったのは、「Henry」のバックエンドエンジニアとして2022年5月からジョインしている横山周平さんです。前職では電子カルテの開発も経験、現在は独立して個人開発を行いながら、ヘンリーではレセプト部分の実装を担当しています。

電子カルテの開発経験があるからこそ、そしてヘンリーに関わって数ヶ月のいまだからこそ、横山さんの目には何が見えているのか、単刀直入にいろいろと聞いてみました。

本質的なアプローチを模索する開発者マインド

— 横山さんは現在、ヘンリーではどういった仕事をしていますか?

「Henry」のレセプト部分を担当するチームでバックエンドエンジニアとして働いています。ちなみにレセプトとは診療内容に応じた点数の算定を通じて、医療機関が保険者に請求する明細書になるもの。まさに医療現場における会計の正確性や効率性に関わる部分です。その算定まわりの実装を、ドメインの業務知識を覚えながら少しずつ進めています。

— 前職で医療系分野のご経験があったとお聞きしました。

そうですね。前職は時期によって異なる様々な業種の案件があったのですが、そのうちの2~3年間は電子カルテの開発に携わりました。

— では、ヘンリーにはどのように出会ったのでしょう?

前職で電子カルテの開発に関わっていたのが7〜8年前になるのですが、いまヘンリーでレセプト開発のPdMを担っている嶺野さんとそのとき一緒に仕事をしました。その後も定期的に会って情報交換をしていたんです。私は2年前に独立したのですが、今年になってちょうど個人開発が落ち着いた時期に、タイミングよく嶺野さんに声をかけてもらったのがきっかけです。

— 新しいチャレンジに不安はありませんでしたか。

前職がWeb系ではなかったので、Web系の勉強会に参加すると「働き方が全然違うから、ある程度の年齢になるとなじめないよ」と言われたりしたこともあります。いま41歳なんですが「40歳ぐらいになると転職できないよ」とか。そういう話を聞いていたので、具体的ではないけど、もやっとした不安はあった気がします。

— そのなかで2022年5月からヘンリーにジョインされてますが、決め手はなんだったのでしょう。

仕事をそろそろ掛け持ちしようかなと思っていたタイミングで声をかけていただいたのが大きかったですが、電子カルテの開発経験があるので全く知らない業務ではなかったというのもあります。あとは、開発する人たちのマインドや仕事への向き合い方もヘンリーはマッチしそうな気がしました。

— その開発者のマインドのお話、もう少しお聞きしたいです。

そうですね……例えば、何か問題が生じたときにリスクを取って根本的な解決を図るか、無難な選択で先延ばしにするか、というのは一つの違いとしてあると思います。

会社が大きくなると、それだけ過去のしがらみもあって根本的な解決を図ることが難しいことも。そうやって短期的な対処を続けると、チームのエンジニアに不満がたまっていったりもします。そういうのは、あまり効率的でないし、おもしろくないなと感じていました。

— ヘンリーの環境がよさそうと感じたのはどういったポイントだったのでしょうか?

エンジニアの開発環境を大事にしてると感じましたね。新しいツール、技術、開発方法を積極的に取り入れているので、そういう組織は問題解決の方向性も正しい確率が高いのではという感覚が自分のなかにありました。組織の考え方って、そういうところにも出るのかなと。ここでは前に向かって進むことが実現できそうだと思いましたね。

ドメインエキスパートと一緒に開発ができる

— 実際に働いてみて驚いたことはありましたか?

ジョインしてまだ3ヶ月くらいですが、驚いたというよりは「こうだったらいいな」と昔から個人的に思っていたことが全体的に実行されているという印象です。

例えばコミュニケーション面では、打ち合わせの設計や進め方が人の時間を奪わないようにみんなが考慮しています。やみくもに同席不要な人を交えた打ち合わせはしないですし、テキストで済むやりとりはSlackで情報共有しています。エンジニアが作業に集中しやすい環境だと感じました。

— 他にも「こうだったらいいな」と思っていたことが実行されていた例があれば、お聞きしたいです。

医療や会計の専門家が開発チームの近くにいることでしょうか。朝のミーティングにも参加してもらいながら、一緒に開発を進めています。そういった専門家が近くにいない開発現場もたくさんあるなかで、ヘンリーではドメインエキスパートを採用してエンジニアと近いところに配置しているのがすごいなと思いました。

— 距離感が近いと。

そうですね。距離感でいうと医療現場の方の声も近くに感じますね。SIerと呼ばれる組織ではエンジニアが現地に足を運んだとしても、製品を実際に使う現場の方ではなく、先方のシステム部とやりとりするケースも多いです。まだ私は社内のSlack上のやりとりを見ているだけではありますが、ヘンリーでは現場の方の意見を直接ヒアリングして、それを製品に反映しようとしています。その点も強みだと思います。

長い目でよい選択を考えられる人

ヘンリーでの開発の仕事について語る横山さん

— 先ほどの開発者マインドのお話でいうと、いまの横山さんからヘンリーはどう見えてますか?

長期的に見るとシステムはメンテナンスするほど改修に時間がかかる場合があります。そのため、プログラムが綺麗に組まれているか、というのは長い目で重要なんです。「リリースのスピードも大事だけど、この部分は綺麗に整理してつくろう」といった判断が継続的にできるかどうかで、最終的に完成する製品の質に差が出てくると思うんですよね。

レセプトチームでは、長期的目線の意見や考えが打ち合わせのなかで日常的に出てきます。「いまはこの部分だけ動けばいいんだけど、将来的なことを考えるとこうした方がいいよね」といったような。数値に表現しづらいトレードオフの部分です。そのため、ある程度意思を強く持ってないと遂行は難しいので、それはすごいです。「長期的に見ればここはちゃんとやった方が逆にコストが下がるよね」って、みんなが考えられることがヘンリーの魅力の一つだと思いました。

— そういう文化はどこから生まれているんでしょうね。

小手先で乗り切っても後々うまくいかず余計に大変になるということを、みんなが理解しているように思います。なぜかは分かりませんが、もしかしたら以前苦労した経験がそれぞれあるのかもしれない……(笑)。私にもそういう経験がありますから。

— エンジニアとして成長できる環境だと感じますか?

そう思います。解決しないといけない課題もいっぱいあるので、その人次第で成長できる場所ですね。最初に共通・基盤を見せてもらったときに、精度が高くて理解するのに時間がかかりました。自分より優秀な人が多いんだなと思った記憶があります。もちろん自分が優秀という意味ではなくて、前職では全部一人で進めて社外のエンジニアと仕事をしたことがあまりなかったので。

ヘンリーは開発のスピードも早そうですし、コードを書くことだけでなくアーキテクチャやクラウド環境まわりの技術も当然のようにみんな知っていて、こういう環境で仕事をすることはエンジニアとして成長に繋がると私自身も感じます。

より良いものをつくり、大きな目標に挑んでいく

— 横山さんがエンジニアとして普段のお仕事で大事にされてることはありますか。

そうですね……数年ごとに自分のなかで変わるんですが、現時点でいうと、個人開発を始めたことで「技術」というより「要件」や「使いやすさ」に対する関心が高まってますね。レセプトチームとしても、ユーザーが使いやすいものを考えてつくっていくということにフォーカスしたいと思っています。

— ユーザーが使いやすいか。

最近は、Netflixやグーグルなど、使いやすいUIが世の中に溢れています。なのでみんながスムーズな操作に慣れていると思うんです。医療分野でも医者や看護師の方々って当然忙しいので、少しでも使いやすいものをつくりたいです。

使いやすいシステムづくりのためには、薬の点数や手術の点数などのルールの部分や、電子カルテを使って会計に行くまでの流れなどといったドメインの知識を身に着けていきたいです。

— 同じバックエンドエンジニアの友人にヘンリーを紹介するとしたら横山さんは何を伝えますか?

いま開発に使っているツールやフレームワークの一覧をまず見せますね。あとは、電子カルテ業界には大手企業がいて、ヘンリーのようにそれに対抗しうるものをつくっていくことは、おもしろい仕事だと思うんです。そのあたりのことも伝えるかもしれません。

— ありがとうございます。最後に、横山さんの今後の目標をお聞かせください。

直近はいま関わっているレセプト部分に注力したいですね。

同じレセプトの文脈でいうと、ゆくゆくは機械学習を導入してみたいです。同じ会計のチェック処理でも、毎回チェックする必要がある重要なものと、一応チェックするけど相対的な重要性が低いものもあるのかなと想像していて、そういう判断をAIが分析して下すことで、現場の方の負担を劇的に減らすことができたらいいなと。いや、まだちょっと思いついたというくらいなんですけどね(笑)。

インタビュー:中田 達大


ヘンリーでは、さらなる成長に向けて採用も積極的に行っています。ご興味をお持ちいただけた方は、ぜひお気軽にご連絡ください。