Slay the spireフォロワーゲームを辿る 第零回【Slay the Spire】

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Slay the spire、現在Steam/Nintendo Switch/PS4/XBOX ONEといった現行のゲームハード全てに対応しているゲームであり、おそらくプレイしたことのない人でも聞いたことくらいはあるんじゃないかな、今回はそんなゲームを紹介したい。

Slay the Spireとは?

Mega Crit社が制作し2017年11月15日にアーリーアクセスが開始したデッキ構築型ローグライクゲーム、DL専売で定価は¥ 2,570…これを高いと思うか安いと思うかは人によると思うけど、面白そうと思って買った人の多くはいい買い物だったと思うんじゃないかな。セールの時は半額になったりならなかったりするのはここでは秘密だ。略称はStS

第一の核デッキ構築

基礎デッキは4つありそれぞれ個性のあるキャラが担当していて、カード構成はそれぞれ別だから全く違った戦いかたを強いられる、バフ・デバフで戦うキャラコンボで戦うキャラ状態変化で戦うキャラ…でも、シナジーを駆使して戦うことは全く同じだ。そしてシナジーがダンジョンに挑むたびに違い、いい感じに決まるたびに画面の前でニマニマしてしまうのもまた同じだ。このデッキ構築はボードゲームのドミニオンと共通項が多く制作者のAnthony氏はインタビューの中でデッキ構築要素は『アセンション』『ドミニオン』から影響を受けたと答えている。

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初期キャラのアイアンクラッドくんゲームの基本が学べるデッキなんだけどそれゆえにシナジーがあんまり強くなくてベテランプレイヤーであっても一番難しいと言う人も少なくなかったりする。

カードの枚数は各キャラ100枚近くあって攻略を繰り返すごとに解禁されるカードもありカードゲームにありがちな鉄板編成や環境編成といったものを作ることは非常に難しくなっている。この、不安定な構築性はプレイヤーに絶大な中毒性を与えていることは間違いない。カードは勝利後の報酬やショップ等でそろえることができる。

第二の核ローグライク①ランダム性

ほかのローグライクゲームよろしく、このゲームのダンジョン構成は毎回ランダムで出現する敵もパターンこそあれど内容はランダムで攻略の定石のようなものを組み立てることは至難の業だ、ってか多分無理。3つのステージのボスも各3種類存在して、それぞれ攻略法が違うから組んだデッキと相性が最悪のボスだとジリ貧で敗北なんて日常茶飯事だ。ああ、ボスじゃなくてそこら辺の雑魚敵でも普通に負けるなんてよくあるヨクアル…

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ステージ内の構成は全部見ることができるので最初のマス選択からゴール戦略を立てていこう、とはいえ残りHPやデッキ構築との兼ね合いで思ったように進めないのがStS、未知マスではイベント以外にも普通の戦闘や強力な敵だったり、運が良ければ財宝に出会えるガチャマスだ。

第二の核ローグライク②アイテム

ローグライクによくある強化アイテムはもちろんStSにも存在する、ポーションレリックだ。雑にまとめると前者が使い切りアイテムで後者が恒常的に効果のあるアイテム。様々な効果を持つポーションの所持数は3つまで(レリックで増やしたりもできるけど)使い切りなもんだから、定期的にボムの抱え落ちみたいなことをしがちだ…こいつはポーションであってエリクサーじゃない、無駄なくこれを使えるようになったら初心者卒業だと思う。レリックは道中にいるエリート(強い雑魚敵、舐めてなくても殺してくる)やボスに勝ったりイベントをこなすことでもらえる。効果はピンからキリで、ものによっては一個あるだけでボスを大幅に弱体化させられるものも存在する。そういったレリックを求めてエリートに挑んで負けるのがThis is StSだし、運よく強いレリックが手に入ったところで効果がかすりもしないボスに当たることもThis is StSだ、切り替えて次のダンジョンいこう。

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なんとも冒涜的だがハマると雑に強い組み合わせ、カードのシナジーがあるようにレリックにもシナジーはある、もちろんカード効果もさらに乗せられる。

とどのつまり運ゲーでは?

このゲームの不評レビューを見ているとよく出てくる言葉が運ゲーという言葉だ、半分事実で半分間違いだと個人的には思う。StSはポーカーではあってもバカラではないのだ。

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定石が無いといったな…

このゲームは3ステージ構成だ、第1ステージでカードを集めて第2ステージで集めたカードのシナジーを高め第3ステージは今あるものをできる限り最高の状態に持っていく。

勝った負けたではない、繰り返していくたびに脳に知識が入り込んでくる、前までの自分ならここで投了していてであろうポイントに立った時、培った知識を動員することで別のシナジーが見えてくる。もうダメかなと思った投げの一手が思わぬシナジーの片りんを見せる、たとえ負けても今見た輝きがダイヤの原石なのか蜃気楼の虚像なのかを確かめるために何度も挑みなおす。この繰り返しでしかないのだが、それが最高なのだ。

高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処しろ

今後紹介することになるであろう他のStSライクなゲームでも共通して言えることだが、最後まで存在する偶然性が定型化を妨げる。打つべき一手はベターであってベストではない、最初から一つの決まった型を極めるが好きな人にはハッキリ言って向かないゲームだ。

じゃあどんな人向けなの?

個人的にこのゲームを勧めたいのは今の状況から最良の選択肢を考えることが好きな人かな、ゲームでいえばFTLが好きだったりHoI4よりかはEU4が好きな人とか、もちろんドミニオンが好きな人は絶対にはまると思う。

終わりに

タイトルに【Slay the spireフォロワーゲームを辿る】とあるようにこのゲームは多くの作品に影響を与えた、デッキ構築とローグライクの組み合わせはコロンブスの卵のようなもので、この二つにタワーディフェンス要素アクション要素などを組み合わせたり、ジャンルとしては一緒でも戦闘やシステムに独自性を添えたゲームもある。もちろん、ほぼパクリといっても構わないようなゲームも残念なことに存在するが、それだけこのゲームが与えたインパクトは大きかったということだろう。次回以降は、それらの影響を受けたであろうゲームを紹介して行けたらと思う。