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たった一人を納得させられないで 秋豆絹

「たった一人を納得させられないで 世界中口説けるの?」
「たった一人を不安にさせたままで 世界中幸せにできるの?」

モーニング娘。'14「What is Love?」より

これはモーニング娘。‘14の「What is Love?」という楽曲の一節である。私はモーニング娘。のファンなのだが、この曲を聴くたびにあることを考えてしまう。

「たった一人」とはいったい誰の事なのか?ということだ。

私の答えは「問いかけられている本人(以下Aとする)」である。例えば、Aの目の前にいる誰か(特別な人でも赤の他人)でも十分納得できる。だが、完全に外の世界に意識が向いているAに自分自身を焦点に当てさせる、このコペルニクス的転回をこれだけ端的に、パンチのある言葉で表現できることに絶句してしまった。

自分自身が方針に納得できていないのに、周りの人に変容をもたらすことなどできるだろうか?

人は自分が思っているより自分以外の人間を幸せにしようと努力することが出来る。だが、当の本人は自分の幸せに目を向けられているだろうか?

このように、モーニング娘。の曲には自分に意識を向けさせてくれる楽曲が多く存在する。

特にモーニング娘。’14時代の楽曲を聴くと「自分のことを置いてけぼりにするな!心が泣いているぞ!」と喝を入れられている気分になる。


自分自身の世話もできないで、人様をどうこうできると思い上がるな、という厳しさと、まずは自分自身を大切に思ってほしいという温かさの両方を与えてくれるのがモーニング娘。の楽曲の素晴らしさの一つだし、それに何度も助けられてきた。

どうかあなたにも、幸多からんことを。


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