見出し画像

ソフトバンクから投資を学ぶ

みなさんが興味あるかわからないが、とりあえず日本の大企業がピンチだよということを知っておいたほうが良いかもしれない。

日本人の多くはソフトバンクという名前を聞くと、ケータイ電話を思い浮かべるかもしれないが、「えぇ!じゃあケータイ電話使えなくなっちゃうの?」というわけではない。

ケータイ電話など情報通信事業を手掛けているソフトバンクは、可もなく不可もなく、堅調に成長しているという様子ではある。

ただ、今やソフトバンクというのはただの情報通信の会社ではなく、投資ファンドとしての側面が大きくなりつつある。私がこれから話すのは、その投資ファンドとしての側面を持つ、ソフトバンク”グループ”の方だ。

みなさんもニュースで半導体設計大手のアームを買収したとか、サウジアラビアでサルマン国王から資金提供してもらう契約をしたとか、そういうニュースは見た記憶があると思う。

だいたいそういうニュースのほとんどは、通信事業としてではなく、ソフトバンクの投資ファンド、ソフトバンク・ビジョン・ファンドのビジネスに関係する活動になっている。

雑な言い方にはなるが、これから成長しそうな会社や市場でかなり独占的な技術力を持っている会社をなるべく安く買って、その会社の利益を自社のグループに組み込んでしまおうというのが、ソフトバンク・ビジョン・ファンドのやっていることではある。

ただ、ソフトバンクの孫さんは、金遣いが豪快で、割安になるのを待つとかではなく、ビジネスの先手先手を打ちたいタイプなので、割と高くても積極的に買いに行ってる感が、前から市場では「買いすぎじゃね?」と心配されていた。

よくニュースなどでは、借金が多すぎる気がするけど大丈夫なんですかね?みたいな話をよく取り上げられていたが、個人的にはそこはあまり心配していなかった。

良いことではないが、会社というのはどのような形になっても、とりあえず金があれば生き延びられる。ダムに莫大な水が溜まっていても、水が入ってくる量と、出ていく量を天候などによってコントロールできる技術が備わっていることが重要で、会社の金においても、それに近いことが言えると思う。日本の会社はビビりまくって、なんかあったときのために内部留保(会社の貯金のようなもの)を貯めに貯めている。

返済日に返せる分の金があればいいだけで、借金が多いというのは、逆にその分資金もあるということで、ソフトバンクの規模の会社なら借りれるだけ借りといても良いんじゃないかと思ってたりもする。ここはいろんなアナリストの意見があるので、違う立場の人の意見も参考にして欲しい。

今回問題になっているのは、規模が大きいなりに通常運転できていたダムのコントロールが、Weworkという企業によって「えらい水が出ていくなぁ」と思っていたところに、新型コロナの拡大が重なった事によって「あれ?ダムの水足らなくね?」という具合になってしまった。

これは一般の個人投資家にも言えることで、なんとなくリスク分散や成長性を見込んで、いろんな会社の株を買ってみるのだけれども、全体のコントロールがうまくいかなくなって、利益が出なくなってしまうということはよくある。

なにかの不具合で一つが調子悪くなり、買増したり少し利益が出ている企業を売って補填してみたり、ということをしているうちに、自分のキャッシュが無くなってしまい、どうにもならなくなってしまう。

想定しているより利益が下がったら損切り、というのはよく言われることだけども、ソフトバンクのように大企業で会社ごと買ってしまった場合は、対処はより複雑化すると思う。

それでもいろいろ持ち株を売って、自社株買いなどをやった結果として、ソフトバンクグループ<9984>の株価は、コロナ以前の水準まで回復しているが、それだけ市場の孫さんへの信頼も高いように見える。

リスクを引き受ける人というのは、やはりカッコよく映る。よく日本企業に言われることだが、社長というのは企業において一番重要な意思決定者でありながら、自社の株を持っていないので、リスクを引き受けていないというようなことを言われがちではある。

要するに会社の業績が悪かろうが良かろうが、自分に損害がないから好き勝手出来るというのが、日本企業の社長、サラリーマン上がりの社長、というイメージになってしまっている。

金の規模が大きくなるとプレッシャーも増すし、金があるんだと勘違いしてしまうと、使い方の判断を誤ったりする。それだけ、自社株を持っている企業の経営者というのは、サラリーマンの生え抜きとは考え方が違うかもしれない。

投資を始めて考えることは、金とは何なのかということだ。

私は大学時代に居酒屋でバイトを始めた。接客が苦手ながら頑張ったが、酒も飲まないし、タバコも好きじゃないので、あまり続かなかった。10時以降の深夜手当がつかないという悪質なチェーン居酒屋だったが、それでも、給料が貰えたことは嬉しかったし、いい経験になったとは思う。

だが、株で投資を始めると、昨日買った株が朝起きると居酒屋の1日のバイト代より儲かっていることがある。多少勉強していても、確実にその成果とは言えないラッキーであり、その時に自分の中で、会社からの収入の大きさというのは、あらかじめ決められているのでラッキーはないし、頑張ったり努力した分に比例するわけじゃないんだな。という考え方が生まれた。

もちろん株式投資のラッキーは毎日起こるわけじゃないので、なるべく自分でコントロールして可能性を高めていくしか無い。

企業分析をしたり、業界分析をしたり、株のテクニックを学んでも、結局は損するときには損をするし、判断を誤らせないために、なるべくプレッシャーを緩和するような状態に自分を持っていくことの重要性も知った。

多かれ少なかれ、投資をするときには将来を見据えて売買をする。これから倒産するという企業の株を大量保有する人がいないように、ある程度の成長性だったり、自分の想定しているような状態になるか考えて買う。

ただ、それは株の話だけでなく、自分の人生でもそうだと思う。自分の人生がずっと同じでずっと安定しているのかというと、そうでもないと思う。親が認知症になったり、事故にあったり、病気になったり、ステップアップしたいなら、成長要因を探しに行かないといけない。

なにかあるときの為に備えて貯金をするだろうし、老後を考えると資産をより増やしたいと思うから投資をするのであって、その考え方は人それぞれなので、別に正解もなにもないと思う。

単純な話だが、宝くじはたくさん買ったほうが当たる確率は高くなる。だがその分損失も増える。リスク分散は理にかなっているように思いがちではあるが、株を買って下がることを想定するのであれば、それは買わないほうがマシという考え方も出来る。

もちろん未来はどうなるかわからないので、自分が思うようにすればいいが、簡単に言えば、金持ちになりたいのなら、それなりのリスクも許容しなければいけない。まぁどっちを取るかということだと思う。

孫さんは当然、企業の成長の為に会社を買収しているだろう。安定なんかしようとは思っていない。私は別にそれでいいと思っている。株などネットショッピングと変わらない。将来の資産として欲しいから買うだけだ。

大体の場合、ピンチというのは想定外の事が起こる事だと思う。避難訓練は重要だが、避難訓練と同じように避難経路が無事に残っているかはわからない。

リスク分散をするにも、それはあくまでも自分の想定した状況下でのリスクでしかない。それに上手くハマればいいが、見当違いだと、リスク分散にかけた負担分をさらに負って、リカバリーする必要がある。

私はノーリスクで金儲けをしようとしている人があまり好きじゃない。大金を稼ぎたいなら大金を失うリスクを負う。前述の宝くじの理論と同じで、それは当然のことだ。

Youtubeならノーリスクで大金を稼げるかもしれないという人もいるだろうが、そう思うならとりあえずやってみるべきだと思う。やってみて初めてリスクがわかる。想定通りか、想定外かがわかる。

客観的に見れば死ぬような状況であっても、やはり生き残る人と死ぬ人がいる。ソフトバンクが今後どうなるかわからないが、企業の経営者というのは、しぶとくて死ににくい人なのかもしれない。

なんとなく私達は働いて、毎月決まった給料が振り込まれることが当たり前だと思っている。そうじゃない生活が当たり前じゃないように思えてしまうが、やはり世の中に当たり前など無いし、何が起こるかもわからない。

備えておくということはもちろん重要ではあるが、死にそうな時に諦めないというのも重要かもしれない。想定していた避難経路が無くなった時、あなたはどういう判断をするだろうか。







無駄に思えることを一生懸命やっていきます サポートありがとうございます。