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パスポートの期限が切れたので、旅で学んだ事を振り返ってみる

私が初めて海外へ行ったのは大学1年の時に韓国だ。

今考えてみたら韓国なんか東京と似たようなもんなので、観光地の店員はほとんど日本語で話しかけてくるので、海外旅行に行ったと言うほどでもないが、自分としては空港の出国とか、いろいろ初めてでなかなか面白かった。

当時はギリシャ危機や悪夢の民主党政権のおかげでハイパー円高になっていて、サムスンがブイブイ言わせてハイパーウォン安だったので、格安で旅行できて格安で焼き肉を食いまくっていた。

当たり前のように売られている偽ブランドの山であったり、日本とは全く違う接客サービスに、建物と見た目同じでも全然違うなと思ったのが印象的だった。

韓国に行ったことどうこうより、日本と違う国に行ったという事実が自分としては嬉しかった。

日本と違うなぁという感覚というか、日本が当たり前じゃないんだなーと確認を取れたことが一番嬉しかった。

私の記事を読んでいる人なら、なんとなく私が日本についてあまり良いと思ってない感覚の持ち主であることはよく理解していると思う。

別に全てが駄目というわけではないし、海外の方がいいということでもないのだが、個人的に納得のいかないことはある。それは当然、日本人なので好きな文化もあるし、当たり前で気づかないことが海外からすると素晴らしいことというのもある。

むしろそういう事に気づきたいから海外に行きたいという思いもある。自分という人間を知るためには、自分の意識から出ないといけない。幽体離脱して、客観的に俯瞰で見るという作業が必要になる。

それと同じように、日本がちゃんとした国なのか、北朝鮮のように「我が国は良い国だぞー」と洗脳されているのか確かめるためには、日本の外に出なければならない。

わざわざ出なくてもネットで調べて出来ることもある。もちろんそれでも良いと思う。安上がりだし、普通に勉強になる。だが、目で見てない以上、なかなか真実を汲み取るのは難しい。

自分としては知ったような気になる奴が一番キライである。それは海外文化に限ったことではなく、A型の人間は真面目とか、親に優しく出来ない人と結婚しても優しくしてもらえなさそうとか、そういう非科学的なマイナス印象を押し付けるような人間がすごく嫌いである。

そしてそういうのが出やすいのが日本人にとって、海外の人であるとも言える。中国人はこうとか、韓国人は、ロシアはアメリカは等々、挙げればきりがないが、根拠があればいいが別に根拠もないのに勝手に言うのが嫌いなので、自分で行って確かめたいというモチベーションがある。

アメリカは自由の国という言われ方をするが、基本的に日本に比べたら海外の国は余程の独裁国家じゃない限り自由である。

韓国に行って良かったことは、コンビニの店員が基本的にレジ前で座って友達と話していることである。

今もそうなのかわからないが、自分としてはそれがすごく安心した。

前々から自分としても、なんで客いない時もずっとレジの中で気をつけして立ってないといけないんだろうな。と思っていたからだ。

韓国に行って、まぁそりゃ普通座るよな。と安心できたし、絶対に店員じゃないであろう友達らしき人もレジのあちら側に座って話していた。普通そうだよな。と安心できてすごくよかった。

オーストラリアに行ったときは、店員がやたらHey! How are you doing mate?と聞いてるのに、客が普通に応答して世間話しているのが、これが普通だよな。とすごく安心した。誰もいらっしゃいませをシカトしてない。そもそも、いらっしゃいませを店員が言うという概念がない。

自分が前々から感じていた違和感というか、接客ってこういうもんでしょ。みたいな日本の感覚が血反吐吐くほど嫌だなと思っていたところに海外の国が別の方法もあるよ。と示してくれたのは自分としては、納得できた感覚ではある。

海外のレジの人はめちゃくちゃ遅いし、隣の人と話しながらやったりして、基本自由である。もちろん国によるが、日本のレジスピードを10とすると、平均6.5くらいだと思う。そしてそれに私はストレスを感じるどころか安心してしまう。

そもそも行列ができようが焦ってない。面倒くさい仕事を面倒クセェなぁと思いながらやっている。正直で人間らしい。人間が生きている感覚がする。

日本はそれがタブーになる。なぜか笑ってないといけないし、客が買い物してくれることを自分の店でもないのに喜ばないといけない。バイトで入ったばかりの最低時給でもなぜか店の一員として責任感を持たされる。

別にそれがみんなで決めた最善策ならいいのだが、いつの間にか勝手に社会が決めてしまった感じはある。

その事自体は私は良いと思う。企業のポリシーというか、サービスを均一にするにはある程度マニュアルが必要になる。

私が一番意味わからないことは、それをやってない人間に客がキレることである。愛想が悪いことにキレる客は意外と多い。特にジイちゃんが多い。

誰がどのような店を出そうが自由だし、どのように経営しようかも法を犯さない限り自由だ。店長がバイトに接客の方法を指導するのは問題ないが、客にその権利はない。

ちなみに海外で店員の愛想が悪いとか態度が悪いとかでブチギレたりしたら、普通に警察が来る可能性もあると思う。

100-0でそんな事にキレるヤツのほうが頭がおかしいという認識だろうし、もし現地語が話せずに、店員が調子に乗って殴られたとか、強盗されそうだったなどとブッ込まれれば、旅行に来ただけなのに刑務所行きになることもある。

良くも悪くも日本という国は日本人のモラルと拝金主義によって支えられている国である。これをやれと命令されれば、命令された通りに動くことや、新型コロナに関しても、医療従事者の残業当たり前の状況に甘えて死者数を最低レベルで維持している。

日本では凶悪な強盗などはあまり無いが、アポ電などの事件を見ると、最近は普通に金目当てで殺人もあるんだな。という印象ではある。

海外の観光地ならいいかもしれないが、そこから外れたりすると、死ぬかもしれないなというところはたまにある。

日本に比べると、基本的に海外の人は簡単に殺しがちである。それなので、もしスリや引ったくりにあって、犯人が走って逃げていても追いかけてはいけない。追いかけると殺される可能性がある。警察も救急車もすぐに来るわけじゃない。

あと意外と危ないのが、シンプルな交通事故である。強盗などを警戒しがちだが、普通に交通ルールは国によって違うので、信号の見方などを間違えて渡ってしまうと普通に轢かれるし、海外はバンバン速度を出すし、面倒くさいからちょっと逆走もあるし、歩行者優先などもない。

私はハンガリーに行ったとき時、空港からホテルに向かう途中で、スマホを見ながら友人とやっとこさホテルを見つけて、「あったー!」などと言いながら、テンション上がってホテルの前の横断歩道をでかいコロコロを押しながら渡ろうとしたら、目の前を車が「ブァァァァー」とクラクションを鳴らしながら通り過ぎた。

コロコロを前に押す形で歩いていたので生きてるが、後ろ手で引くように早足で歩いてたら多分死んでいた。

もちろん信号無視したわけではないが、私は信号を見間違えていた。

割と大きめの横断歩道で、手前に車道があって、真ん中に中央分離帯兼、安全地帯みたいな場所を挟んでまた奥に車道という横断歩道だった。

私は奥の横断歩道の信号が青になっていたので渡ろうとしたのだが、手前の信号とリンクしておらず、手前の信号は赤だった。向こう側のホテルに渡ろうと奥ばかり見てたので勘違いしていた。

なので、旅行はテンション上がってふざけてしまうので財布落としたり、パスポート無くしたり、車に轢かれたり気をつけたほうが良い。

やっぱり日本は安全だな。というのはその通りなのだが、日本が安全だから何だ。という感覚でもある。個人的には世界中が安全になって欲しい。

国によっていろいろ文化が違うのは面白いのだが、面倒なので良いところを学び合って、ちょうどいい国が増えて欲しい。

どの文化が正しいとか、そういうことではなく、万遍なく平らになって欲しいイメージである。

日本の人口減によって、否が応でも海外との関係を強めなければならない。その時に今のままの日本人の感覚だと間に合わないような気がする。

50年前の東京オリンピックで日本が国際化して先進国の仲間入りをしたように、今年のオリンピックでもそうなって欲しかったが、どうやら来年出来るのか不安ではある。

アメリカがどれだけ物理的に多様性を求めようとも、差別問題が解消されないように、結局の所人間のモラルや教育などのマクロからミクロへ戻ってくる部分はある。

物理的にそうなったから人々の意識が変わるかもしれないが、良い方へ変わるか、悪い方へ行くかはその国のモラルや教養のレベルによると思う。それが日本なら新しい多様性を産む国家を作り出せるんじゃないかと期待はしている。

日本が未熟だった頃に、海外へ行って良い文化をたくさん持って帰ってきた人がいるように、自分もそのような人間になりたいと思っている。経済成長も政治的にも停滞している今は、ちょうどその時な気がする。

コロナの期間でちょうどパスポートが切れたが、国境がいつ開くかわからなかったし、別に更新でも新規でもパスポートの値段変わらないし、手続きも戸籍謄本が必要か否かだけなので、更新しなかった。

ワクチンが普及して海外渡航の目途が立ったら、早く富嶽三十六景の新しいパスポートを手に入れたい。



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