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アトツギラボ【vol.7】

今回は起業家支援をされている株式会社ツクリエさんとの共催で、2月連続で共創ピッチを開催!アトツギ×起業家の熱い夜となりました!


ツクリエ

確かな“起業品質”をコアに持つ、起業支援のパイオニア。単なる起業支援だけでなく、社会課題の解決や経済的価値の創造に共に取り組んでおられる姿勢が特徴的です。京都市内では、スタートアップ向けオフィス兼交流スペース「淳風bizQ」京都市アート×ビジネス共創拠点「器」にも関わっておられます。7月に京都で開催されたAVSでの出会いがきっかけで、今回の共催に至りました。

京都オフィスがあるStartupSide Kyotoを会場に!
参加者の内訳としては、アトツギとそれ以外(起業家・支援者)の割合が7対3で、1/3は初参加という絶妙なバランスの構成となりました。

さあ、ピッチしよう

前回同様、アトツギ4名・起業家3名に「挑戦」というテーマでピッチをお願いしました。業種も会社の規模も様々だからこそ刺激し合える時間になっていると確信しています。ピッチ時間は4分。評価されるピッチではなく、応援してくれる人を増やすためのピッチ。さあ、始まります。

登壇者★アトツギ

トップバッターを飾ってくれたのは、宇治・六地蔵にある“鰻屋アトツギ” うなぎのしお冨潮見禅さん!

「挑戦」というテーマ設定が自分には合っていないと冒頭から切り出されましたが、このピッチがあったからこそ、家業と向き合う、親と向き合う
ことができたと話されました。「ピッチに出ること自体が自分にとって挑戦だった」と話してくれたのが個人的に嬉しい後日談です。

2006年大学卒業後、働きたくない一心でニート・フリーターを経て、仕方がなく地元中小企業に入社。その後も伏見の酒造会社はじめ計4社の地元中小企業を渡り歩き、2021年にアトツギとして家業に戻る。家業は父の個人事業で、宇治市内にあるうなぎを中心とした販売・飲食を手掛ける川魚専門店。現在は技術習得のため見習い中。地域活性化のため、次世代を担う子ども向けのイベント・企画を構想中。

2番手は、“設備工事アトツギ” 株式会社和田利工業和田裕悟さん!

実は和田さんとは前職時代に知り合った縁があるのですが、家業に戻られてまだ1年弱。アトツギとして今後、関西の省エネ設備コンサル会社を目指すという、熱い宣言してくれました。

2016年立命館大学卒業後、デジタル広告代理店に就職。一部上場、準MVP、エリアマネージャーなどを経験し、2023年に4代目アトツギとして家業に戻る。家業は工場や大型施設に向けた配管工事や電気工事などの設備工事業を営む。既存事業の拡大、新規事業開発など日々奮闘中。モットーは「先義後利」「誠実」。

3番手は、“西陣織アトツギ” N's 1182 西陣織デザイナー前田雄亮さん!

家業である西陣織の織屋「有栖川織物」に所属しながら、これまで難しいとされてきた帯生地を使った洋服作りに挑戦し、自身のブランド「N’s 1182」を立ち上げ海外進出も視野に入れたお話には静かなる闘志を感じました。

有栖川織物では西陣織帯地製造と伝統工芸や西陣織のみを活用したアパレルブランドを中心に活動している。ブランドではメゾン化を実現するために、職人の確保と技術の継承、デザイン性の高いプロダクト開発を行っている。複製品の量産ではなく「本物」の量産をデザインとプロセスに落とし込んでおり、新たな製造販売の仕組みを再考し大量生産と消費に対するアンチテーゼとして、ブランドのコンセプトになっている。

そして、最後はForbes Japanが主催する「CULTURE-PRENEURS 30(カルチャープレナー30)」にも選出された“甘納豆屋アトツギ” 有限会社斗六屋近藤健史さん!

衰退しつつある甘納豆を大胆にリブランディングし、「種」として表現し、そのイメージを変え、次世代に繋いでいく挑戦に惹かれました。

1990年京都市生まれ。京都大学大学院で微生物を研究中、初めて家業を手伝った際、それまで恥ずかしいとさえ感じていた家業や甘納豆に恩返しをしたいと継ぐことを決意。2014年たねやグループ勤務を経て、2016年、家業である有限会社斗六屋入社。2020年、4代目・代表取締役就任。2022年、中川政七商店コンサルティングの元、古くて新しい種の菓子ブランド「SHUKA(種菓)」を立ち上げ、「自然と人が調和した美しい世界を伝え残す」をビジョンに掲げる。80%卸売から100%自社ブランドへ事業転換。2023年、従来廃棄されていた副産物のシロップをアップサイクルし、甘納豆を世界へ発信するため、種でつくる独自の植物性ジェラート「SHUKA gelato」を開発。絶対になりたくなかった甘納豆屋が天職に。現在、「種を愉しむ」を合言葉に事業を展開中。

ダイアログ

自分のこと、自社(家業)のこと、これまでやこれからのことを話せる場。真剣に聞いてくれる人がいる場。一方向ではなく、双方向の対話の場。話す側も聞く側も気付きや学びがある時間。皆さん、いい顔されています!

続いて、個性あふれる起業家3名の登場です!

登壇者★起業家

“ソーシャルファームの起業家” Sosial firm lab.代表永井愛梨さん!

自身の摂食障害という経験から、一般就労でも福祉的就労でもなく、働くことに何らかの困難を抱えた人々が活躍できる働く場として、「ソーシャルファーム」を広げたいという熱い想いは会場全体に届いていました。

2000年生まれ。活動拠点は京都府・淡路島。 家族の引きこもりや自身の摂食障害を経験し、会社員として働く中で体調や経歴の壁を実感。そこで、”自分らしさを強みにした働き方を”をコンセプトに起業を決意。 一人ひとりの困りごとや特徴に合わせた環境で働ける場(ソーシャルファーム)を軸に企業、起業家、ソーシャルワーカーのネットワークを形成するため、ソーシャルファーム支援プロジェクトを立ち上げる。 現在は、その一環として若手の社会起業家支援やシェアハウス運営、イベント開催などを行っている。

続いて、“デザイン思考な起業家” earthcampus株式会社佐藤涼介さん!

中小企業の挑戦をクリエイティブで前進させるクリエイティブエージェンシーとして、事例に出されたJリーグの愛媛FCや京都に老舗レストラン、サウナ施設をクリエイティブの力で新しい価値をどんどん生み出していかれた話には痺れました。

UXデザイナー。大学卒業後、ビジネスコンサルティング会社を設立。中小企業の経営や金融戦略に携わってきたが、次第に理論よりも【デザインが全てを凌駕する】という考えを抱き始め、2017年に会社を売却。その後earthcampus株式会社を設立し、現在はUXデザインを基盤にエンドユーザーの感動体験を重視したクリエイティブ戦略を提供している。学生時代にサッカー選手を目指していたことから業界に縁があり、2022年以降はJリーグ「愛媛FC」のクリエイティブディレクターとして活躍。人気サッカー漫画『アオアシ』の作家・小林有吾氏から高い評価を得ている。

最後は、学生起業家という言い方から脱却したいと話す“若手アーティストオタク” 株式会社MASiRO松崎圭佑さん!

アート作品のコーディネイト事業をはじめ、純粋に若手アーティストを応援したい気持ちが伝わってきます。若さ故の勢いもあって今後が楽しみです!

2001年生まれ。 同志社大学4回生。大学時代から起業に興味を持ち、様々なインターンや事業立案などの経験をした一方、自身の精神疾患からアートと出会う。現在は「日常にもっとアート」をモットーに株式会社MASiROを設立し、日々日常にアートを届け続けている。

ダイアログ

起業家とアトツギが交差する場。混じり合う場。新しいことにチャレンジしているという共通点。

この対話の時間が1番盛り上がりますが、アンケートではいつも「時間が短い」というお声をいただきます。短いからこそ、この時間が終わってからも関係が続いてほしい。

誰もが挑戦している

アトツギにはアトツギ甲子園という全国のアトツギが目指す、新規事業を競い合うピッチ大会の場が用意されています。昨年この大会に出場して堂々とピッチして羽ばたいていくアトツギさんがいる一方で、新規事業はハードルが高いと話すアトツギさんが多いのも事実です。そう話すアトツギさんはもちろん何もしていないわけではなく、彼ら彼女らなりの葛藤があり、挑戦があります。そうしたアトツギさんにとって、ハードルの低い表現の場の必要性を感じた共創ピッチでした。今後もピッチ型のアトツギラボは継続して開催したいと思います!

登壇者の皆さん、参加者の皆さん、そして、一緒に企画運営していただいたツクリエの皆さん、ありがとうございました!


アトツギラボ vol.7 開催概要
【日 時】2024年10月23日(水)18:30〜21:30
【場 所】StartupSide Kyoto
【共 催】株式会社ツクリエ
【撮 影】村山俊輔


アトツギの未来は地域の未来。
人生にアトツギという選択肢を。

to be continued…

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