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空の数だけ

あと1曲を残して随分間があいてしまってすみません!

"swing in the dark" 収録曲にまつわる話を書いてきましたが、いよいよラストです。

「空の数だけ」

この曲はもう、言葉が届いてくれたら僕は満足です。

"Xanadu" 収録「アイス」と時を同じくして、延本からもらった歌詞の種的ないくつかのメモ書きの中に、この詞も入っていました。
走り書きのようなものもいくつかある中で、「アイス」と「空の数だけ」は、もらった時点でこの完成形でした。

僕も曲によって詞をかいていますが、自分を作詞家だとはまっったく思っていません。
僕は曲ありきで、曲が求めた言葉しか基本的に書けません。
それも相当な時間をかけないと、納得できるところにもなかなか辿り着けないことがほとんどです。

でも曲をつくるうえで、先に言葉があった上で曲をつくるのは、普段の作曲とまったく違う発想力が試されるので、自分の作曲の幅を広げるためにやっていきたいと思い、延本に書き溜めている詞をもらったのでした。

「アイス」もそうですが、「空の数だけ」という詞に僕はただ感動したので、その感動をメロディーにしました。
ただ「アイス」と違って、1番と2番で文字数も結構違ったし、最後のセクションも言葉数が少なく、どんなメロディーをつけたらいいのか結構悩みました。

そこからしばらく寝かせていましたが、"swing in the dark" 制作の終盤、このアルバムのラストナンバー候補に上がりました(自分の中で)。
アルバム全体がかなり冒険的でバラエティーに富んできていたので、最後は今の自分たちとこれまでの自分たちを繋ぐようないい曲でビシッと締めたいなと思っていました。このアルバムを締めてくれる詞はこれしかない!と思いました。

しかし、元々もとにかくオーセンティックな曲なので、そのまま収録しても他の曲たちとバランスが取れず、ここにおさまるためのアレンジを発明する必要がありました。
それが本当に悩ましかった!
何度か諦めかけて、別の曲も試しましたがやっぱり物足りず…
いよいよ最後のRECの1週間前になり、崖っぷちのタイミングで試しにキーを半音上げてみたところ、曲の聴こえ方がガラッと変わり、アレンジのゴールが一気に見えてきました。
メトロノームを入れることを思いつき、急いで近所のハードオフで中古のメトロノームを買ったら、リズムが絶妙にヨレるメトロノームで、笑

なんだかそのヨレがしっくりきて、
そこから急に「feel my hush」で使った音を引用するアイデアを思いついたり、
するするとアレンジが完成していきました。

この曲もリズムセクションは打ち込みなので、みんなで家に集まってリズムパターンを詰め、
スタジオでのRECでたかしが僕のセミアコを弾きました。

とあるアドバイスで、神テイクが録れたのがほんとに面白かった。笑
大サビのコーラスパートはREC当日スタジオで思いついて急遽入れました。
SMAPみたいだね、と言いながら4人で歌いました。

この曲が完成しなかったら、このアルバムはどうなっていただろう。
「feel my hush」で始まり、「空の数だけ」で終わることには大きな意味が宿ったと思います。
こんな時代だからこそ、この詞がみなさんの日々の中で輝いてくれたらと願うし、
何十年後も大切に歌いたい曲です。

今日公開になった音楽ライター内本順一さんによるインタビューも、noteで合わせて読んでいただけたらと思います!
"swing in the dark" をより深く楽しんでいただけると思います。

追記(2022/3/29):ラジオREMEMBERSのメッセージでこの曲のコーラスの歌詞の質問をいただいたので、こちらに記載しておきます。

Hang on, look up, hang on
Upon you
There're each of the skies
Walk on, Dream on


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