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イヌサフランの花が咲いた

イヌサフランの花って知ってますか?ピンクっぽい薄紫色のきれいな花。

この1-2年、私が日本に一時帰国する目的は、誰も住んでいない実家のメンテナンス。家に風を通したり、ジャングルのように育っている庭の雑草をきれいにしたり。

もちろん庭の手入れのほとんどは、職人さんにお願いしている。決して広くはない庭だけど、特に夏場はすごいいきおいで雑草が育ちまくるので、私一人で小さな草刈り機を使っても、手入れはぜんぜん追いつかないから。

今年9月に帰国した際も、玄関周りから庭まで、家の周囲の雑草をばっさりと手入れしてもらった。足を踏み入れるのもはばかられるほど育った雑草たちに、職人さんはびっくりしていたけど、すべて刈り取ってすっきりとした庭に戻してもらった。

それから、2-3日後だっただろうか。

玄関前に花が咲いているのをみつけた。雑草はすべて刈り取っているので、2-3日で花が咲くというのはありえない。よく見ると、葉っぱがなくて地面からいきなり花が咲いている。しかも3本。

庭の手入れをしてくれた職人さんが、たまたま家に立ち寄ってくれた時にこの花を見せた。やっぱり不思議そうに見ていたが、おもむろに「庭がきれいになって、仏様が喜んでいるんでしょう。」と、わかるようなわからないようなことを言ってくれた。というのも、うちの仏壇には3人の仏様がいるから。(こういう言い方が正しいのかわからないけど、まあ、仏壇の中に3つの位牌があるわけです)

それにしても気になる、この花。

「ピンクの花 地面から直接咲く」とググってみたら、この花はイヌサフランだということがわかった。球根植物で日本では秋咲きのものが多く、春に芽が出て、梅雨の時期に枯れて休眠するらしい。秋になり花が咲く時期になっても、葉っぱはないのだとか。

ということは、今はなき両親がイヌサフランの球根を植えていたのか。植えっぱなしでも花を咲かせるらしいので、たぶん私が来なかった春の時期に芽がでていたんだろう。すでに刈れているから、草刈りされても全然影響がなかったわけか。

イヌサフランの花は1週間くらいで枯れていった。

3本の花を仏様に結びつけるという職人さんの意見に少し笑った。実は私も、突然現れたイヌサフランの3本の花にかなりびっくりして、こそっと同じような考えが頭をよぎり、「いやいや、それはちがうでしょ。」と振り切ったあとだったから。

だって、花は花なんだから。


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