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コーチの視点から共に考えるビジネスコラム

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「Coach's VIEW」はコーチ・エィのエグゼクティブコーチによるビジネスコラムです。 コーチ・エィ代表取締役の鈴木義幸をはじめ、東京、上海、バンコク拠点在住コーチが、エグ… もっと読む
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#ビジネスコラム

我々を悩ます「目標」と「やりたいこと」

written by 今城直樹 2021年になり、はや1ヶ月が経ちました。みなさんは今年、どんな目標を立てられたでしょうか。また、目標に向けて順調に行動できているでしょうか。 順調に進んでいる人がいる一方で、目標の見直しに取り掛かっている人もいるのではないかと思います。 「適切な目標設定ができれば、半分以上は達成している」と言われますが、この言葉は、目標設定がいかに重要かを教えてくれると同時に、目標設定が簡単ではないことも示唆しています。 Have toの目標、Wan

変容を促すための3つのポイントと2つの条件

written by 栗本渉 "The problems of today will never be solved at the same level of thinking that created them." (今日我々の直面する重要な問題は、その問題をつくったときと同じ意識レベルでは解決することはできない。) これは、アインシュタインの言葉だそうです。 逆を言えば「意識のレベルが変化すれば、問題は解決できる」。つまり、この言葉は、私たちが次元を変えて、視点を変

こんなときこそコミュニケーション能力は進化する

written by 青木美知子 年が明けても、新型コロナウイルスの感染拡大は止まりません。リモートワークが推奨され、人々は家に閉じこもり、人と人とがリアルに触れ合う機会はますます減っています。 社会に大きな変化をもたらした新型ウイルスの出現は、私にとってコミュニケーションの重要性を改めて考える機会になりました。 高性能センサーとしてのからだ先日、人の感覚、特に皮膚の機能に関するさまざまな実験を紹介しているテレビ番組を観ました(※1)。その中に、同じアニメ映画に人間の耳

持続する組織づくりのために大切な問いとは

written by 市毛智雄 コロナ禍が長期化する中、「これからいったいどうなっていくだろう」と将来に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。未来が不透明になる中、今、どんな問いが、私たちに光を投げかけてくれるでしょうか。 エコノミストであり、エグゼクティブコーチでもある Ashley Harshak氏は「『持続可能な組織』を構築するためには、3つの問いが有効である」と説きます。 3つの問いとは、 「私たちは、どこへ行こうとしているのか?」 「私たちは何をしてい

挑戦は「ありがとう」から

written by 内村創 2020年も、「挑戦」に立ち向かう多くのお客様とご一緒させていただきました。 「挑戦」とは、安全な場所から、予測のつかない未来に自分の意思で一歩踏み出すことです。 一歩踏み出したその先には何があるのかわかりません。 予測もつかないことに巻き込まれるかもしれません。 厄介を背負い込むことになるかもしれません。 成功するとは限りませんし、失敗の代償を想像して躊躇も生まれます。そんな中、私がご一緒したリーダーたちは、どうやってその勇気ある一歩を

2020年の未完了を完了させる

written by 片桐多佳子 あと2週間で、2020年も幕を閉じます。「誰がこんな一年を想像したでしょうか?」というセリフがこれほどまでに似合う年もありません。2021年には、また新しい何かがやってくるかもしれませんが、どんな状況になったとしても、リーダーたるもの、エネルギー高く、未来に向けて前進していきたいものです。 エネルギーロスを回避するためにそのためには、今年の未完了はできるだけ早く完了させて、自分自身はもちろん、チーム、組織、会社全体におけるエネルギーロスを

目標達成にむけた「ワクワク」とはどんな状態か? 〜「ワクワク」を中国語で表現すると〜

あなたの「ワクワク」と私の「ワクワク」 written by 小池恭久 先日、日系中国現地法人A社の社長と、プロジェクトの目的についてディスカッションする機会がありました。 同社は中国において業績拡大を続けており、社員の目標達成へのコミットメントも非常に高い。一人ひとりが自らのミッションを確実に遂行している。非常に勤勉な社員が多い企業です。 そのような状況の中、社長から 「3年後、5年後を見据えた時、現状のままでは描いているような成長は実現できないと感じている。何かが

「感じていること」を聞く 【コーチングのコーチと共に考えるコラム】

written by 片桐多佳子 秋も深まってきました。みなさんは最近どんな本を読んでいらっしゃるでしょうか。 私自身は毎晩、5歳児、3歳児と一緒に、絵本を読みながら眠りにつくというルーティンがここ数年続いています。一緒に読む絵本の中で、子どもたちが大好きなのが五味太郎さんの『質問絵本』です。 『質問絵本』には、質問が15問。 「男の子がごちゃごちゃおりますが、さて、 将来すごく出世しそうな子はどの子でしょうか? そしてその理由は?」 「ごらんのとおりの海です。さて

「怒り」を感じたときの3つの選択肢 〜リーダーは相手の可能性をひらくために何を選ぶのか〜

written by 青木美知子 部下やチームが思うように動かないときや彼らが失敗したときに、怒りや焦りなどから相手に感情をぶつけることはないでしょうか。 失敗は実験的な取り組みであり、挑戦のプロセスであり、ひいてはイノベーションの当然の副産物だと言われます。頭では理解できても、失敗や挫折を受け入れるのは、思いのほか難しいものです。それは、わたしたちが感情をぶつける以外の選択肢を持っていないからかもしれません。 「怒り」を感じたときの3つの選択肢 ボストンフィルハーモニ

「私」のパーパスをめぐる旅 【コーチングのコーチと共に考えるコラム】

written by 内村創 先行きの見通せないこの時代、多くの企業が自らの存在価値を問い直しています。これを表現する言葉として「パーパス」という言葉が頻繁に聞かれるようになりました。 さらに2020年はCOVID-19の長期的かつ世界的な広がりにより変化を迫られる企業も多く、「そもそも自分たちのビジネスは何のために存在するのか?」、「社会的存在意義は何なのか?」という問いの重要性が増しました。 存在意義を問われているのは、実は企業だけではありません。 そこで働く社員

組織はなぜコーチングができる人材を求めるのか

written by 栗本渉 コーチングができる人材が求められつつあります。 「有能なマネージャーの資質のトップは、良いコーチであること」というGoogle社の調査結果(※1)や、「83%の組織は、今後5年でマネージャーの職務要件としてコーチとしての役割が加わる」という2019年の国際コーチング連盟の調査結果(※2)については、これまでコーチ・エィのコラムでもよく紹介してきました。 実際に私たちが企業の経営幹部と接する中でも、人材への要求が変化していることを感じます。自

経営チームを「チーム」にする

written by 鈴木義幸 「チームにする」とはどういうことか? ひとつの解釈は、そこに集うメンバーが「共創」をしているということではないかと考えます。 共創とは、簡単に言えば、全体が部分の総和以上になっているということ。1+1+1が3よりも大きくなっているとういうことです。 メンバーが相互に作用、影響しあい、集まって協力し合っていることによって価値を生み出している。 それが、「チーム」である状態。 チームというものをそのように解釈したときに、最もチームにする

見えるネットワーク、見えないネットワーク

written by 稲川由太郎 組織には、組織図に代表されるようなフォーマルにシステム化された管理の後ろに、実はいろいろなレベルでインフォーマルなネットワークが存在します。 インフォーマルな人と人のつながりによる人間関係のダイナミクスは、組織にとってプラスに働くこともありますが、組織内に見えない障壁を作るといったマイナスの作用があることも少なくありません。そうした意味で、インフォーマルなネットワークは組織全体の意思決定や経営の効率に実は大きく影響していますが、トップマネ

私たちはなぜ「助け合う」ことができないのか 〜「助け合う」種であるホモ・サピエンス〜

written by 今城直樹 エコシステムという概念があります。システムの構成要素とそれを取り巻く環境が相互に作用し、循環し、全体として成立しているという概念です。もともとは自然界におけるバランスの取れた全体モデル、いわゆる生態系を指しますが、IT業界での活用を皮切りに、ビジネス用語として用いられていることは、みなさんもご存じの通りです。 構成要素のそれぞれがメリットを享受しつつ、生態系そのものが維持され続けるには「豊か」であることが重要な条件だそうです。多種多様な要素