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コーチの視点から共に考えるビジネスコラム

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「Coach's VIEW」はコーチ・エィのエグゼクティブコーチによるビジネスコラムです。 コーチ・エィ代表取締役の鈴木義幸をはじめ、東京、上海、バンコク拠点在住コーチが、エグ… もっと読む
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#組織開発

会社の文化を変えるとは、何を変えることなのか

written by 青木美知子 あなたの会社は、お客様や友人から、どのような会社だ、と言われることが多いですか? 仕事柄、さまざまな業種業界との接点を頂きますが、その会社のありようや雰囲気は、お一人の方と話していてもよく分かりません。でも、訪問して受付の方同士の様子や、守衛さんと社員の関わり、特に、複数が参加するミーティングに参加すると、その会社の様子を一気に感じられるようになります。 目の前にいる二人の間に流れる空気だったり、座ったときの距離感、お互いがどんなふうに

スピードを上げる、パーパスとつなぐ

written by 青木美知子 ある大手金融会社のAさんは、昨年、常務からCEOに就任しました。CEO就任間もない頃、Aさんからセッションでこんな話がありました。 「会社の文化を、指示したらそれに従ってスピーディに動ける会社に変えていきたい。今の文化のままでは、投資家からの評価が得られるようなビジネス展開も難しく感じています」 指示したら、それに従ってスピーディに動ける組織にする。これは、全てのリーダーが、多かれ少なかれ望んでいることかもしれません。 Aさんは「スピ

Think together 一緒に考える

written by 今城直樹 2021年2月、コーチングによる組織開発を実現するサービス、Driving Corporate Dynamism(DCD)が刷新されました。DCDの特徴は、お客様の組織内でリーダー開発の連鎖を起こす構造にあります。 DCDというサービスの中核にある哲学は、"Think together"、つまり「一緒に考える」、あるいは「一緒に探求する」ことです。"Think together"とは、複数の人が異なる意見を持ち込み、互いに問い、問われる過程

トップの交代はピンチ?それともチャンス?

written by 青木美知子 桜前線も刻々と北に向かい、別れと出会いの季節となりました。春は、新卒社員が入社する、大きな人事異動があるなど、企業にとっても変化の季節です。読者のみなさんの中には、役割やミッション、あるいは自身を取り巻く環境に、大きな変化が訪れる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 私の駐在するタイでも、この時期にトップが代わる組織がいくつもあります。そうしたお客様とお話しする中で、トップが変わったり、主力メンバーが抜けたりする中で、長期にわたってパフ

対話なくして変革なし

written by 内村創 「対話の時代」がやってきている。 そう言いたくなるほど、「対話」という言葉を様々なところで目にするようになってきました。 私たちの住む世界は、日々多様性を増し、答えがはっきりせず、複雑になり、未来もどうなるか、より不透明になってきています。 「だからこそ対話が必要」「もっと対話する機会を持とう」「上司は会話じゃなくて対話を意識しよう」。そんな風に単純に考えてしまいがちですが、対話をする上で最も大切なことは何でしょうか。 どういう意図をも

何のためのコーチング? 誰のためのコーチング?!

written by 片桐多佳子 コーチングを学んで欲しい」 「コーチングは誰にでもできる、その気にさえなれば」 コーチ・エィに入社後、そう思い続けて15年が経ちました。 「人は関わりの中に存在している。誰からも影響を受けずに生きることはできないし、誰かに影響を与えずに生きることもできない」 このような前提に立つコーチ・エィのシステミック・コーチング™においては、自分の存在意義と組織の存在意義の結合点を自ら見出し、組織変革に当事者意識をもって取り組む人の数をいかに増や

組織変革と組織開発

written by 鈴木義幸 弊社のサービスに「エグゼクティブ・コーチング」と「Driving Corporate Dynamism(DCD)」があります。そして、エグゼクティブ・コーチングの資料には「エグゼクティブコーチは組織変革のためのパートナーである」とあり、DCDの資料では「組織開発を進めるプログラム」と説明しています。 弊社に入社したばかりのコーチから、「なぜエグゼクティブ・コーチングでは『組織変革のパートナー』という表現を使い、DCDでは『組織開発を進める』

持続する組織づくりのために大切な問いとは

written by 市毛智雄 コロナ禍が長期化する中、「これからいったいどうなっていくだろう」と将来に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。未来が不透明になる中、今、どんな問いが、私たちに光を投げかけてくれるでしょうか。 エコノミストであり、エグゼクティブコーチでもある Ashley Harshak氏は「『持続可能な組織』を構築するためには、3つの問いが有効である」と説きます。 3つの問いとは、 「私たちは、どこへ行こうとしているのか?」 「私たちは何をしてい

「シェアード・リーダーシップ」とは? 〜「シェアード・リーダーシップ」と「主体化」〜

written by 市毛智雄 先日、弊社のコーチング・プロジェクトを数年にわたり継続して導入してくださっている、ある企業の役員の方からうれしいお話を聞きました。 「コロナ禍で、見通しのつかない状況下、この時期、何が正解かがわからない。そんな状況でも、現場のメンバーが、自ら活動のイメージを描き、提案し、主体的に動いてくれた。 いわば、現場のメンバー一人ひとりがリーダーシップを取りながら、互いに啓蒙し合っていた。これは『会社を変えるために、日々、あなた自身は、何を変えてい

組織がコーチングを活用する本質的な目的

written by 長田祐典 予防医学研究者の石川善樹さんから興味深いお話を伺いました。「その言葉が、世の中でどのように認識されているかは、画像検索をしてみるといい」と。 果たして「コーチング」という言葉を画像検索してみると、どんな画像が表示されるでしょうか。パーソナライズされているとはいえ、多かれ少なかれ似たような画像が表示されるのではないかと思います。私の画面では、「二人の人物」、「ティーチングとコーチングの対比」、「目標に向かうプロセス」などのイメージ画像が目に入

エグゼクティブ・コーチングの進化

written by 鈴木義幸 エグゼクティブ・コーチングは、長らく「エグゼクティブである一個人を強くする」ことが目的だと考えられてきました。 「0コンマ何秒の競争にさらされているオリンピック選手のように、エグゼクティブも熾烈な競争に勝ち残る必要がある、だからコーチをつける」 エグゼクティブ・コーチングの必要性を訴えるために、こうしたメタファーが繰り返し語られてきました。アスリートにコーチがつき、その能力を最大限高めるためにコーチングをする。 特にアメリカでは、エグゼ