退職D進キメてみた
こちらの記事はTUTアドベントカレンダー裏の2日目の記事です
気付いたら6000文字超えていたので、適当に流し読みしてください。
始めに
どうもどうも、初めましての人は初めまして、
そうでない人は、おはこんばんにちは。
昨年技科大の4系を卒業しましたばっふぁ~でございます。
なかなかセンセーショナルなタイトルですが、ここでは主に
私が退職とD進を決めた経緯、その道中の出来事なんかを
書いていこうと思います。
まずは自己紹介
私のことを知らない人もそれなりにいると思いますので
自己紹介を
2020年3月 和歌山高専 物質工学科卒業
2022年3月 豊橋技術科学大学 応用化学・生命工学課程 卒業
2024年3月 豊橋技術科学大学 応用化学・生命工学専攻 卒業
という感じで、よくいる高専からの技科大生という感じになっています。
ちなみに学部から修士に上がるタイミングでボスと大喧嘩をして
研究室を変えています。まあその辺はまた別の機会に・・・
プロローグ(学生時代編)
ここはぶっちゃけ読み飛ばしてくれてもいいです。
ばっふぁ~がどういう人間か興味がある方はぜひどうぞ。
修士時代
修士では新規の液晶化合物の合成と評価を行っていました。
修士の前半はとにかく就活ばかりでろくに研究を出来ておらず、
研究進捗は中々に酷い有様でした。
(主に精神的に回復しきっていないのが一番大きな原因でしたが)
しかし後半は実験も上手く進み、モチベーションも保てていました。
そうなると当然研究も楽しくなってくるので、昼に研究室に来ては、
日付が変わるまで実験するという半昼夜逆転生活をずっと続けていました。
恐らくこの1年が今までの人生の中で一番楽しく、それ故に脳に焼き付いてしまいました。
就職
就職前の顔合わせから現在までのことを、つらつらと書いていきます。
ちなみにうちの会社は大手メーカーの子会社で、主に樹脂製パイプを作っています。私はそこの研究職です。
同期とこんにちは
同期は私含めて12人、文系理系が大体半々で、理系の中で4人が大学院卒でした。まず初めにびっくりしたのが、文系の子って海外旅行とか海外留学とかをかなりカジュアルにしているんですね。実験室に引きこもっていた私とは大違いです。年下陽キャ怖いただ今まで大学で散々いじめられてきた分、パワーポイントで資料を作ったり等のアウトプットをする時は、やっぱり理系の人のほうが手際がいい感じはありましたね。皆さんの今の苦しみは無駄じゃないですよ。
同期同士も仲が良く、会社の人も優しそうだ。
どの部署に配属なのか、どんな仕事をするのか、楽しみですね。
配属部署は
え~、何故かパイプを作り方を研究する部署に配属になりました。
今までの専門は材料研究だったのですが、何故か製法研究です。
(ちなみに材料研究をする部署はちゃんとある)
まあ、配属になったからには仕方ない。仕事を覚えて頑張ろう!CADとか生まれて初めて触ったし、分からないことばかりだけれども、
きっとうまくいくさ!
・・・やりたかったことって何だっけ?
迷いと後悔
配属してから半年くらいすると、少しずつ職場にも慣れてきます。
簡単な仕事を少しづつ任されるようになり、それに比例してやりがいも増えてきますし、自分が仕事でやりたいことも出てきます。
企業の研究と大学の研究に対するスタンスの違いや、慣れない礼儀作法の中で苦しみながらも、新卒としてはうまくやれていると思っていました。
しかし、これだけ時間があっても、やはり化学をやりたいという気持ちが収まる気配はありませんでした。すると自然と、自分は本当に今のままでいいのかという迷いや、大学院時代にやりい残したテーマに対する後悔、そしてもっと自由に研究をしたいという思いが強くなってきました。
会社の研究というのは、当然利益に結びつかなければなりません。加えて研究を継続するか打ち切るかのデッドラインが存在します。
そして予算は大学の研究室とは比べ物になりません。
お金を潤沢にかけた研究は当然大規模な実験ができますし、それは大学時代にはできなかった経験です。金をかけてでかい装置を動かすのは当然楽しいです。大学の時には数mgスケールの合成を行っていたのに、会社に入ってからは数100kgスケールの試作をしていますからね。
ですが、納期に追われ、マルチタスクの中で研究に集中できず、
そして何よりやりたいことができない。
無論多くの人はそこに折り合いをつけてサラリーマンとして生きていることは重々承知していますが・・・
結局はロマンか現実かを選ばなきゃならない
今の職場の待遇に不満があるわけではありません。
残業が15時間を超えたこともないし、給料も人並み以上に貰っています。福利厚生も手厚いし、インフラ関係なので会社が傾く心配もありません。
ですが、やはり私は自由に化学の研究がしたい。
ブラックでも、金が無くても、
やりたいことを出来ることが楽しいことを知ってしまったから。
というわけで博士課程に進学しましょう。
転職じゃなくて博士課程への進学をする理由は以下の4つ
①転職だと結局やりたい放題に研究ができない
②化学メーカーの研究職になる分には博士号は足枷にならない
③アカデミアのキャリアも視野に入れている
④ある程度卒業できる見込みがある
要は安定を捨ててでも自分がやりたいことをやりたいように環境を
追い求めた結果、D進という結論に至りました。
しかし、当然D進自体があまり一般的な進路ではありません。
考えなければいけないこともいくつもあります。
ロマンの中にも現実がある
散々ロマンを語っておいてなんですが、ぶっちゃけ④が一番重要だと思います。結局卒業の見込みがないままでD進するのはかなりハイリスクです。
理系分野でも、ストレートで博士課程を修了できる人は
半数以下だそうです。
非常にグロい画像ですね。こんなもの子供に見せちゃダメだと思います。
技科大の博士の場合、修了要件は論文3本だそうです。
私の場合、ボスが論文をかなりのハイペースで書いている人かつ博士学生の受け入れに対して好意的だったため良かったですが、
学生を育てる気が無かったり、あまり論文が出ていない研究室だとお勧めはできません。(うちのボスは毎年4本以上論文を書いているお化けです)
また私自身、修士の時の研究でこれから2本論文を投稿予定なので、かなり余裕がある立場と言えます。
加えて、主に以下2つの問題があります
・家族の説得
・来年以降のお金の問題
退職して学生に戻るという話をした際には、
当然家族には反対されました。(説得自体は割とすんなりでした)
結局は熱意があったことと、収入のアテがあったことが大きいと思います。
一番大きいのは来年以降のお金の話です。
当然金が無ければ家にも住めず、飯も食えません。
これに関しては色々と調べた結果、たぶん大丈夫との判断をしました。
詳しくは日本学術振興会やTUT-DC、各種民間奨学金ページを見てください
また、修士の第1種奨学金の残りや、就職してから貯めた給料などが、
2年程度なら生きられるくらい残っていることも大きな要因です。
結局、このお金の部分が退職に対する
心理的ハードルを一番下げてくれたように思います。
社会人を経験して知れたこと
お待たせしました!
たぶんここが皆さん一番見たいと思うので、張り切って書いていきます!
1に挨拶、2に返事、3に謝罪
はい、まず挨拶です。
挨拶ができない人は印象悪いです。
ちゃんと元気よく挨拶をしましょう。
「あっす~」とか「ちゃっす~」でもいいので、
とりあえず声を出してなんか言ってる感は出しましょう。
そして最低限、挨拶をされたらちゃんと返しましょう。
無視したら蹴りが飛んでくると思いなさい。
次に返事。
とりあえず声をかけられたり、名前を呼ばれた際にはちゃんと
「はいっ!」
と返事をしましょう。
返事ができない人は印象が悪いです。
返事をしなかった場合鉄拳制裁を食らうと思いましょう。
最期に謝罪。
ミスをしたらちゃんと謝りましょう。
言い訳は謝った後にしましょう。
謝れない人は信用を無くします。
これは出来ないと本当にまずいです。上2つの比じゃないです。
当たり前のことですが、
これができないと本当に見放されるので気を付けましょう。
気遣いの重要性
一番大きかったこととして、気遣いの重要性を知れたことがあります。
例えば他部署の人に作業をお願いする時、理屈としてはメールで頼むだけで充分です。しかし、実際はメールを送信後に直接相手を訪ね、詳細を詰める&お願いをするということをするように教育されました。
これ結構大事です。メールやチャットは見てないことが結構あります。そして直接お願いに行かないと、どうしても頼んでいた仕事を後回しにされてしまう原因になります。
本来社会人たるもの、システマチックに動かなければなりません。しかし、会社というシステムの中にいたとしても、結局一人の感情のある人間です。
人に動いてもらう際には、それなりに相手に気を使いましょう。
少し話がそれますが、他人に話しかける際には
「○○さん、今少しお時間よろしいでしょうか」
と聞くようにしましょう。
暇そうに見えても忙しい可能性があるので、そこも気遣いです。
コミュニケーション、大事
こんなことを思ったことはないでしょうか?
「研究職なのだから、自分の腕っ節一本でやっていけるだろう」
「自分は優秀だから、うだつの上がらない人たちとは違う」
「コミュニケーションなんて時間の無駄、やるべきことだけやればいい」
はい、すべて間違いです。
新入社員なんて何もできません!
というか、何をしたらいいのかすらわかりません!
会社と大学では求められている役割が違いますし、
そもそもとして、一人で完結する仕事はほとんどありません。
仕事は基本的にチームワークです。
コミュニケーションを取れない人は仕事ができません!
というか、仕事をさせてもらえません、浮きます。
別に会社の人と友達になる必要はありません。
表面上だけでも、内心では中指を立てていてもいいんです。
単純な話として、素性が分かっている人と名前も知らない人、
どっちと仕事をしたいのか、そしてどっちとの方が仕事をしやすいかは
明白ですよね。
思っているより自分の考えていることは伝わらない
皆さんも経験ないですか。
「君の発表、何言ってるのかわからない」
と言われたことが。
「うるせー、てめぇの理解力が低いんだろうがボケ。勉強しろ」
と思うことも多いでしょう、私も結構思っていました。
しかし、就職してからはそうも言っていられません。
仕事の基本は意思疎通です、自分一人だけが理解していても意味がありません。
そこで重要になってくるのが
「この人はどのくらい前提を理解しているんだろう?」
という考え方です。
そのために、私は以下の点を気を付けています。
・まず先に自分の中で何を話すかを考えてから話しかける。
・話す際には主語を付ける。
・目的を伝えてから現状を言う。
・余分な情報(込み入ったこと)は省く
・自分はどうしたいのかを伝えたうえで相談する。
一見簡単そうなことばかりですが、これが結構難しいです。
自分の中では理路整然と話しているつもりでも、はたから見ると
支離滅裂なことは良くあります。
特に、上司や先輩は四六時中一緒に仕事をしているわけではないですし、
各々が抱えている案件だってあります。
相手は自分が現在何をやっているのか、把握していないくらいの
気持ちで話すとちょうどいいように感じます。
研究職は偉くない
やっぱりこれは外せないと思います。
会社がどのように動いていて、社会人は何を考えているのか。
あっさりとですが知ることができました。
大学にいると勘違いしがちになりますが、製造業の会社で一番偉いのは
製造現場と営業です。研究職なんて地位が一番低いです。
これは考えてみると当然で、研究職って直接的な利益を生み出していないんですよね。営業がとってきた仕事を、製造が物を作って金を稼いでいるわけですから。
基本的にメーカーは『研究→開発→製造』の順で新商品を作ることになります。そのため、研究職自体が直接的な利益を出して、会社を存続させているわけではありません。
ですので、誇りは持ちつつも、驕ることの無いように気を付けましょう。
特に現場の人にに嫌われると、仕事が本当にやりにくくなるので気を付けてください。(私の同期がそれで苦労しています)
酒とタバコのコミュニケーションは実際ある
流れは少し変わります。嫌な話ですが、お酒とタバコは無能でも使える最高のコミュニケーション手段です。
先ほどの話とも繋がるのですが、相手に認識してもらうためには
やはりそれ相応の機会および活動が必要です。
新入社員が仕事で他の社員に覚えてもらうのは正直厳しいです。
それは能力云々の話ではなく、責任のある立場にない以上、込み入った話をすることはかなり難しいです。
また、当然歴が浅いので、そんなに仕事もしていません。
そうなるとなかなか顔を覚えてもらうのは難しい・・・
そんな時にはこれ、酒とタバコです。
飲み会というのは不思議なもので、一回参加するだけで何故か顔を
覚えてもらえます。その際に殊勝な態度を取っているとよりGOODです。
タバコもそうですね、喫煙所で吸ってると、大体おっちゃんが絡んでくれます。私の人脈の6割は飲み会と喫煙所で出来ています。
はい、そこのお酒が飲めなくてタバコは吸わないアナタ。
別にそれでも問題ありません、というか健康のためには控えて下さい。
大切なのは酒とタバコをたしなむことではなく、仕事以外の方法でコミュニケーションを取ることです。飲み会に行ったからといって必ずお酒を飲む必要はありません。とりあえず何でもいいので仕事以外の話をする機会を自分から作りに行きましょう。
私の場合、飲み会と喫煙所意外だと、先輩とジュースを買って休憩室でサボって休憩しています。
ちなみに休憩中の話題はプロセカとVTuberです。
遥ちゃんかわいい!!!!
社会人は基本みんな大人
これは私が新入りだからで周りが優しく接してくれているというのも大きいんでしょうが、コンプライアンスが厳しい昨今、露骨なパワハラをいきなり食らうというのはあまりないと思います。
性格には、ゴリゴリのハラスメント気質の部署には、ストレス耐性の高そうな人を配属している印象です。
当然少なくないお金をかけて採用した新卒です、すぐに辞められては困ります。なんなら最近は子供の数自体が少ないので、若いというだけでやたら重宝されます。
加えて言うと、新人を潰すというのはシンプルに人事評価に影響します。
なので、まともな神経をしている人間は時代錯誤な理不尽パワハラなんて
基本的にしません。(虫の居所が悪いことはよくある)
猛烈なアカハラを受けて病んでいるそこの君、大丈夫です。
おかしいのはその指導教員の方です。
社会人は良くも悪くも保守的なので、人格否定とかはそこまでありません。
(無いわけではない。そして頭のおかしい人は一定数いる)
まとめ
乱文乱筆になってしまいましたが以上になります。
社会人を経験してかつ大学院に戻りたいという私から見た
会社というものは、皆さんにはどう映ったでしょうか?
働くことに関して不安や悩みもあると思います。
そんな時にはやはり経験のある人に聞いてみるのが一番いいと思います。
なにはともあれ、ここまで読んでいただきありがとうござうございました。
図などは気が向いたら追加していきます。