チェルシー×ウォルバーハンプトン~トゥヘル初陣~プレミアリーグ 第20節 2021.1.28
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この記事では以下のようにポジションを省略しています。
CF センターフォワード
WG ウィング(3トップのときのワイド)
OMF トップ下
SH サイドハーフ(2トップor1CF+1OMFときのワイド)
CH センターハーフ(2CH+1OMFのとき)
IH インサイドハーフ(1AC+2IHのとき)
AC アンカー
WGB ウィングバック
SB サイドバック
CB センターバック
GK ゴールキーパー
クラブレジェンドのランパード監督の解任発表から3日後に行われたこの一戦。その後任を任されたのは戦術家として知られるトーマストゥヘル。準備期間がほとんどない中でのリーグ戦となったが、それでも早くもトゥヘルの色が見えた試合となった。
スタメン
チェルシーは第18節のレスター戦からスタメンを4人入れ替え、システムは343。
GKにメンディー、3バックは右から、アスピリクエタ、Tシウバ、リュディガー。
中盤はオドイ、ジョルジーニョ、コバチッチ、チルウェル。3トップにはツィエク、ジルー、ハフェルツが起用された。
ランパード政権下で重用されていたマウント、エイブラハムの2人はスタメンから外れ、代わりに燻っていたツィエク、ハフェルツが3トップの一角を担う。
対するウルブスは同じく343の構え。GKにパトリシオ。3バックは右からボリー、コーディー、キルマン。中盤はセメド、デンドンケル、ネービス、ノウリ。3トップにはトラオレ、ポデンス、ネトを起用。
ウルブスはリーグ戦はここ2試合連敗の中、スタメンを4人変更してきた。
チェルシーの保持時
この試合のチェルシーは343を選択したせいかランパード政権下とは異なり、5レーンの使い方がはっきりと整理された。
3バック+2CHでボールを回しながら、5レーンをWB+3トップがポジショニングして、裏表の駆け引きをしながら攻略を狙う。
ただ、この日はウルブスが同じ343のシステムを採用し5レーンに人をしっかりと立ててWGのネト、トラオレがハーフスペースへのパスコースを塞いできた。
そのため、ライン間を使いながらの攻略は難しい展開に。ジルーに縦パスが入ったところでコンビネーションは繋がりにくくなっていた。
ハーフスペースを使った攻撃は難しい状況のの中でチェルシーが攻略の糸口にしていたのが右サイドの連携。
この日のウルブスはミラーシステム対決を活かして、チェルシーを前からの圧力で押し込めるるということはやらず、自陣に541のブロックを敷いてきた。
ということで、空いてくるのが1トップのポデンスの周りのスペース。
ここをどう使うがウルブズ攻略のポイントとなった。
ジョルジーニョやコバチッチが3バックの間に顔出したり、時には自分で持ち込んだりしてウルブズのブロックを左右に揺さぶっていく。特に前半立ち上がりのボール回しは素晴らしく、テンポの良さから選手たちの判断に迷いが少なかったことがわかった。前半戦のポゼッション率が記録的だったことは納得できる。
比較的自由にボール回しができる後ろの5枚でウルブスのブロックを左右に振ったところで空いてくるのは
WG脇のスペース。
このスペースを起点に
ジョルジーニョのフォローを受けたアスピリクエタが進出。
or
ツィエクが降りてきて、キック精度を生かしてゲームメイク。
ということして、数的優位を作りつつボールを前に進めるというのがチェルシーの狙いだったように見えた。
特に、ツィエク、オドイの連携はランパード時代から引き続き絶妙な関係性だった。
とにかくツィエクのキック精度は高すぎる。
おそらく、トゥヘルの考えには
右サイドでのオドイの1on1での優位性(後半、対人に強いセメド相手にも優位を保てていた。)
フィニッシュ時にジルーだけじゃなく、ハフェルツもゴール前に飛び込んでこれる。
ということがあったと思われる。
という感じで、右サイドからの攻略はまずまずだったチェルシー。
では、なぜ左サイドでは同じような構造が作りきれなかったのかについて考察していく。
左サイドの機能不全
そもそも、なぜ右サイドで優位が作れていたのかというと前述した通り、
・アスピリクエタが高い位置に進出できていた。
・オドイが1on1で優位を保てていた。
・ツィエクが低い位置からでもキック精度を発揮できていた。
この3点が理由としてあった。
しかし、左サイドではこの3つが作ることができていなかった。
リュディガーとアスピリクエタの違い
特に、後半にかけて頻度が上がったCBの一枚が高い位置に張り出すというやり方は機能しておらず、リュディガーの立ち位置は常に低く数的優位を創出できていなかった。
アスピリクエタ、リュディガーのフルタイムのヒートマップ
アスピリクエタ、リュディガーの後半のパスマップ
これらをみれば分かる通り、リュディガーはアスピリクエタに比べて高い位置でボールに触れる頻度が低いことがわかる。
このことが左サイドでの優位を作れなかったらことの一つの要因。
ただ、なぜ、リュディガーがこのポジショニングをしていたのかはわからない。また、リュディガーが高い位置に出なくとも、コバチッチがそうすることもできただろう。ただ、後半も修正されていなかったことを考えると何かの狙いがあったのかもしれない。
このほかにも、そもそもチルウェルはオドイのようにドリブラーではないためサイドでの1on1で優位を作れていなかったことや、ハフェルツが左のハーフレーンで利き足の関係上プレーしづらそうにしているようにも見えた。
まとめ
・チェルシーは監督が変わり、5レーンを取る選手が整理された。
・対するウルブスは5レーンを人で埋める守り方。
・チェルシーはウルブスのブロックの前のスペースを使いながら左右に揺さぶる。
・空いてきた右のWGの脇を使う。
・左サイドでは機能不全。選手のキャラクターや、リュディガーの立ち位置が低いことが原因。→このことの理由は不明。
トーマストゥヘルのもとに再出発となったチェルシー。この試合では早くも新監督の色が見えてきた。個人的には、前任者よりも戦術家としては上手のトゥヘルがこの戦力をどう調理してくれるのかを見れるのはとても楽しみである。まだまだ、疑問の残る部分もあった試合だが、今後の試合を分析することでいろいろ謎が解けたり学びがあるのに期待したい。
とにかく、めちゃくちゃ楽しみだ。
今、9位に位置するがシーズン終わりにはCL圏内に入ってくれることに期待してる。
試合結果
プレミアリーグ 第20節 2021.1.28
チェルシー×ウォルバーハンプトン
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