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物語の終わり(『ヘイヨーさんの人生』最終回)

さて…
そろそろこの物語にも終わりが近づいてきたようです。

もちろん、続けようと思えば、どこまでも続けることはできます。なにしろ触れるモノ全てを物語化する「ハンズ・オブ・ミダス」の能力があるのですから。
ヘイヨーさんが生きている限り(あるいは、ヘイヨーさんの死後もこの物語を読んだ誰かが書き継ぐ意志を持てば)無限に物語は続いていくのです。

それでも、物語には1つの終わりが必要でしょう。なので、そろそろ筆を置くといたしましょうか。


いかがでしたか?

世界は破壊されましたか?
世界は変革されましたか?
世界は創造されましたか?
「あなたの心」という名の世界は…


人生とは、数奇な運命の織り成す1つな巨大なタペストリー。
絶望と希望の繰り返し。

世界は滅びかけ、救われた。
あるいは、何もなかったのかも知れません。

「成功」は失敗であり、「破滅」は新たな能力の獲得と次の成功への近道。
この物語の主人公は、他の人よりもその度合いが高かっただけ。

もちろん、あなたにも。あなたの側にいる人たちにも。それぞれの人生があり、それぞれの物語があるのです。

世界には様々な人生を歩んでいる人たちが存在しています。

それは一見しただけでわかるようなものではなく、「あの人は勉強ができる人」「高学歴の人だから偉い」「一流の企業の社長でうらやましい」「専業主婦だからダメ」「ニートや無職だから人生の失敗者」などといった1行で表せるようなものでもないのです。
誰の人生だって、軽く本1冊書いてしまえるくらいの長く複雑な物語。


序盤で語ったように、これは決して開けてはならぬパンドラの箱。ありとあらゆる災厄が箱の中から飛び出してきたはず。

それでも、もしかしたら、箱の底には「希望」という名の妖精が眠っていたかも知れませんね。


これこそが、「マスター・オブ・ザ・ゲーム」の導き出した答えでした。

14歳のあの日、夢見た「世界最高の作家となり、今後数百年に渡って読み継がれる物語を生み出す」というクリア条件を達成するための。

「読んだ者の心を揺さぶり、驚かせたり、楽しませたり、失望させたりする。どうすれば、人は喜ぶのか?あるいは傷つくのか?」を語った物語。

そうして、読むだけで自然と能力の上がる魔法の本。


これが、1人の少年がその生涯をかけて、自らの体を人体実験の材料にしながら生み出した「最高の物語」です。

史上最高の作家になれたでしょうか?
今後数百年に渡って、読み継がれる物語になっているでしょうか?

世界最高の物語になっている?
ならば、広めてください。この物語を世界中に。
読み継いでいってください。親子何代にも渡って。

世界最高の物語にはなっていない?
ならば、何かまた突拍子もない発想を用いて、新たな物語を生み出すだけ。
次の物語を紡ぎ出すといたしましょう。


   ~『ヘイヨーさんの人生』 とりあえず終わり~


noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。