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物語

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2021年3月の記事一覧

サヨナラばかりの夜が来ても

祈りの右手と さようなら未来 心は折れない さかさまの世界 痛みがとけたら 笑ったままおいで しあわせはいつも 目に見えるものさ からだを休める もうすこし長く 聞こえてる音は 夢ゆらすメロディ ちかづく明日も 去りゆく今日も おなじ意味のなか 動いてるのだから 
 風におびえる 若すぎるきみは おかしな言葉を つぶやくばかり 匂いのような声が 鼻もとで消えた 日ざしをうけては 育っていけ前へ みちがえる空が あふれだす雲が 粉のような日々を つつみこむようだ なにもないこと

街、ギリギリ

ストゼロ飲んだときだけ タメ語になるよ彼女の ニヒルな口は悪足掻き 今日も泣いていた 踏み絵のように朝は タオルケットで地団駄 窓ガラスを抜けて空へ 風になりたい時もある 春がいかに美しいのか わかるかとコドモらに問う 遅かれ早かれ雨が 流して世界を流すだけ

風景

私は風景の一部になりたい 景色の一端は担いたくない グリーンバックがあればグリーンに カメレオンがいるならその透けた先に なりたいなりたい、なりたくない ほんとはなんにもなりたくない、でも なんにもならずにいられはしない ならば風景の一部になりたい 溶け込んで混ざり行く 誰にも笑われない世界 幸せなんて古い感情 新しくなれば感じない イェーイ、イェーイ それな、それ

あなたの癖

夢だった なんか 眠ってるの忘れて 迷っていた 森の中 深い泉に 身を投げた 分裂する身体を見てる 欠片になった私は 泥にまみれて ヘンテコな技術を得た 「死んだフリをしながら生きていく」術 「連続して迫る危機を押しつける」術 出来なかった逆上がりも ついでに出来るようになった その全てを見抜くあなたは 愛すべき人ではなく 最大の敵に他ならない 戦う日は近い そんなあなたが 僕を見るときにする癖こそが 私の心臓をストップさせる 引き金なのでした 笑う瞬間に一度 冷たい

ティムのこと

ティムのことは仕様が無かった フタツ折りの手紙を破いて それらはジュウシゴの破片になった 高原を刺す日は脆くて 彼を発見することは望めない 暗闇は悪魔で光が天使なら 恨むべきは後者じゃないのかな 冷徹にパンを齧りながらそう呟き 猟銃片手に飛び出していった 触れないでおいた後悔と 教えてあげなかった正解が 頭上をグルグル蠅のように 止まる場所探して飛び回る 誰にも見えない場所で生きてる それって死んでるってこと? 狂ったように欠伸をしていた 狂っているのかもしれない

花火

間違いではないのです 体ごと捻って 少しでも小さくしたいから 夜の隅っこ 茶化したりはしないでよ 不味いご飯ばっかり食べてて なかなか 身体が変なのよ 想像してたより は、ずっといいんだもん だけどなんだか苦しい狂おしいよ 謎 振り切れるバッター になりたかったなあ どうすりゃいいかわからず 途中離脱 そんなことがいっつもだから 毎週末を生きている。そんな感覚ないか? よしきた、キミときたら泣いてばかりで どうしようもないから 花火をしよう季節など問わず 花火をしよう季節な

違う

ザラにあるよ、こういう騙され方 別に一度や二度じゃないし、それより なんか助けた気になってない、嘘怖っ 少なくとも私にとっては敵だし こんな話すのも正直迷惑というか 実質、振りかざしたその正義って あいつの悪事を食い止めた、だけど 家に帰って独りになったら、 そんなことなんて関係なくない?

生命賛歌

君と僕の滞空時間を図ろう 誰も信じなくていい 嘘を有り難く浴びよう 毛細血管ぶち開いて 背泳ぎしてた昨日の今日の狭間 土手みたいな場所で回る犬 兵役がない分の生命倫理を 航空技師のような俯瞰で ああ虫歯が怖くて眠れない 凄みを効かせる奴等の懐

Terminal

次の未来は あなたなしでも 新たな成長期 迎えると思うの セキセイインコが ピーチク鳴いて 独りもいいねと 字幕がつくのだ 簡単にお米 おいしく炊けちゃう 炊飯器また 買ったんですよ 平べったい顔 好きになってきたし オーストラリアでナンパされたし

チェリー

いつか終わる世界を忘れて 悔やむこともあるだろう 始めの合図の予感に怯え 歌う声高に誇りを胸に さらばされども腐れども 呼吸のできる肺であれ

パーフェクト

きみにはきみのパーフェクトが いつか訪れてしまうだろうか 新しい街 新しい暮らし 古着を捨てて いつのまにか新品ばかりだ 忘れたくないものがあまりないと 幸せだろうか ふしあわせでしょうか 不幸かホラーな映画を観に行くぞ 良くない知らせを待ち侘びて もう少しだけ 命を延ばして 相鎚ばかりついている BGM かなりデカめに設定してから

再来世

止まって見える世界に 雪が降った 雪が降った 可笑しくて笑った顔 溶けていった 水になった 拒んでいたはずの未来が 今になって昨日になって 選んだはずの居場所は 氷のような つららのような ときどき乗り遅れるバスは 次が来るまで待てるかな 肥沃な土地に沈んだ枯葉を 踏みしめるように歩んだ 変わって見えた世界に 雪が降って 雨が降って 泣きながら笑ってた顔 汚れてて キレイだった もう一度生まれ変わったら 来世だって 再来世だって 言わなくたってわかること また逢えるよ

もう平気

希望はスタンダードなのか? この問いをずっと考えていたが とうとう答えは見つからぬまま そばもうどんもそれぞれ食べ終えてしまい 僕らは永遠に会うことなく 偽りの他人になりすましながら その後の日々を歩むこととなるのだ 終わる直前に流れたBGMが いきものがかりじゃなくてよかったね

洞窟

闇でバンドは鳴らして 光をつくってる 雨のノイズを齧って 音符はじいてる 掘るたび削れる爪の先 剥がれてしまうまで 嗅ぎ取る不安や安否が 草臥れてしまうまで やれ、まだ、先は長いけど やれる、ただ、保証はしないけど いける 泥でサンバを踊って 笑いを起こしてる 謎のワードを駆使して 疎通を図ってる いいぞ