先づ、だけが決まっている

先づ、凄い者が海を作ろうとして海ができた瞬間に陸が出来てしまった
凄い者は海だけを作りたかった、でも陸を数えてやっと海が呼ばれるのだとわかった
海を唯一としたかったのに、対立する相手を作ってしまった
そして次に力のある木を作ろうとして神になってしまった
凄い者は力のある木だけを作りたかった、でも力は一つであり神が分け与えたものが神木になるとわかった
作りたいものを作りたかったのに、自分に名前がついてしまった
次に神は女と回転寿司を作ったのに男と高級寿司もできてしまった
その瞬間、優劣も生まれた
そして動物園を作った、そのために人間が生まれた
男と女は人間になり、男が握らなかった方の寿司がおにぎりとなって生まれた
太陽はなかった
月を作ってもすっぽんが生まれ、影を作っても闇が生まれ、日焼けした人を作っても色白の人が生まれた
いっこうに太陽はなかった
回転寿司を作ったせいで優劣が生まれたからだった
神様は太陽をお造りになった、優劣が生まれ敬語が生まれ礼儀が道徳を追い越した
そのスピードは何よりも早く、それが光になって降り注いだ
太陽は太陽でしかなかった、月の敵でも影の親でも日焼けの原因でもなかった
太陽は、太陽を作るということの結果としてだけ存在していた
そして神様は太陽を生むためのスイッチでしかなかった
太陽ができ神様は役目を終えて消えた、神様は無の空間に自分だけが佇んだと思っていたが、つまり、神様よりも先づ、役目だけが存在していたのだった
役目が先づ、神を生んだのだった
みんな神木を見てから神がいたことに気付いた

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