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映画感想:「時をかける少女」(1983年作品)

角川映画、原田知世主演の「時をかける少女」を観た。

とんでもない傑作だった。

いろんな場面で涙がボロボロ出て来たよ…。

この作品が上映されたとき、私は小学5年生くらいだったと思うのだけど、1983年は北斗の拳、聖戦士ダンバイン、未来警察ウラシマン、プラレス3四郎などなど、続々と始まる面白いアニメや漫画に夢中で、いわゆる三次元に目がいくことはなかった。

テレビで放映されていても、ご飯食べながら「へぇ、今日やってるんだ…」くらいの感じだったし、私が1984年くらいから愛読していた「ファンロード」というアニメ系のサブカル雑誌や漫画家のとり・みきさんが原田知世フィーバーしていたのでニアミスもしているが、私にはヒットしなかった。一本木蛮さんはヒットしたけど笑

2006年にアニメ映画としてリメイクされたのも知っていたけど、これも昭和アニメ好きな私には絵柄的に興味が湧かずスルー。

それが約27年の時を越えて、私に大きな感動を運んでくれたのだから、正に時をかける映画なのだろう。縁が繋がるのに時間の観念を超えた感じで、正直ビックリしてる。

ただ、当時観ても、この良さをちゃんと理解出来なかったかもしれないので適切なタイミングで出逢ったということだろう。


筒井康隆さんの有名な小説が原作で、とても有名なものなので解説は要らないとは思うのだけど、一応あらすじを簡単に話すと、とある少女がタイムトラベルの能力を身につけたことで起こる事象をテーマに扱った物語で、切なく淡い初恋のラブストーリーを中心に描かれている。

SFではタイムトラベルは鉄板ネタですが、そこに絡める要素によって、ギュッと胸を締め付けられるような慕情を醸し出すことが出来るのですね。ドラえもんとのび太のお別れシーンだとか、ターミネーターの未来からやってくる白馬の王子様的な設定とか。バック・トゥ・ザ・フューチャーも終盤泣けるよね…。

ポイントは、日常生活にすっと溶け込んで隠れているような描き方をすることで、なんてことのなさそうな日常が突然非日常になる、というところ。これはすごいですよね。「SFってすげーな!」って改めて思いました。バリバリ特殊効果を使ってベタなSFにしてもいいし、そうでなくても、一部そういう場面を挿入しておけば作れるところが懐深いアイテムだと思います。センスがないとご都合主義っぽくなるとも思うけど。う~ん、短編でいいからマンガを作ってみたい。


この映画の最大の魅力はやはり原田知世さんでしょう。やっぱり無垢な少女性の要素が非常に稀有で、素朴でありながら他と違う神秘性を帯びているという…こういう人、才能をピックアップする角川さんというのはすごいセンスの持ち主だったんだな、と今更ながら思いました。

実は、私個人は無垢な少女性的なものはずっと苦手で、それが多分この映画を遠ざけていたひとつの要因だとも思うんですが、例えばジブリの映画とかもそういう意味で苦手なんですよね。ナウシカとか映画自体は結構好きなんですけど。

これは何でなのかな?と自分自身を考察してみると、多分、心の奥では無垢なものを信じてる、追い求めてるんだけど、どこかで”無垢なもの”に対する疑心暗鬼な気持ちがあったのではないか、と。特に売り物になってるものとかにはそう思う傾向が強くて、そんなものは作られたイメージ、理想であって、それに踊らされるのは嫌だ。と思っていたのではないか、と。

ではなぜ今になって、そういうものを観て感動出来るようになったか、というと、これは、私がおっさんになったことと深く関係があるのだと思うのですよね。

多分、年をとって、色んなことに”抗うのを止めた”んだと思う。自分のことなのに、”思う”と書いたのは、意図的にそうしたわけではないから。

自分が心から思うこと、直感で感じることに対して、ブレーキをかけなくなったのですよ。割と最近。頭で考えることを止めた。

これはなんでかというと、単純に疲れちゃったんですよね、そういうことをずっとしてきた自分に。

そうしたら、色んなことが自分の中にすっと入ってくるようになった。ホントに。そんな中出逢ったのがこの映画だったので、上に書いたように、”適切なタイミング”が訪れたのだと思う。


ま、話を戻しまして、原田知世さん、ホントに素晴らしいです。で、DVDに大林監督のインタビューがおまけで入ってるんですが、それを観て、やはり創作物というものはどんなものでも人間の創るものなので、”想い”というものが反映してるんだなぁ、と。舞台である広島の尾道への大林監督の想い、当時新人であった原田知世さんの想い、そして彼女をめぐる、角川さん、大林監督、スタッフの想い、そういった念みたいなものが、作品の至る所に凝縮されている。人と人を繋げる”愛”の度合いが高い。

創作物の奇跡、というものは、そういう意図的ではない、自然な念が、正しい位置に集まったときのみに起こるのだと思います。

そんなことをすごく感じる映画で、感動が体に広がっていくんですよね。それはこの映画がそういうパワーを持っているからで、そういうパワーは時代を超越するということ。

まぁ他にも色々書きたいことはいっぱいあるのだけど、長くなっちゃうので、次の機会に譲ろうかと思います。


この映画に出逢えてとっても嬉しかった(´_ゝ`)ノ

 

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君とてもいいじゃないか!!
8
昭和のアニメ、漫画、80年代のヘヴィメタル愛好家。今K-POP大好き。 バンドマン。趣味:DTMか漫画描くこと。 インスタ→https://www.instagram.com/heavymetalmob/
コメント (2)
mob69さん、その通り傑作だと思います
何回見ても泣きます
ナカミチマサノリ さん
コメントありがとうございます。色んなところで泣けますよね。
終わりのほうの老夫婦のところとか。。。
大林監督のご冥福をお祈りします…。
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