2020.7.18

夕方、図書館から帰りスマホをいじりながら一息ついたところで、訃報を知った。

驚いた。

テレビっ子だったがバラエティ中心でドラマをほぼ見ない僕が、ごくせんやブラッディ・マンデイは心に残っており、そこには主演である彼の姿があった。

あれからすっかりおっさんになってしまい、彼の姿を茶の間では久しく観ることがなくなっていたが、まさか今日こんな形で聞くことになるとは思いもしなかった。

SNSが普及した今日では、僕と同じ驚き、ファンの悲しみ、近しい人のメッセージなど100万件を超える関連ツイートが溢れ、悲痛な叫びに同情しながらその一部を観測できた。

今も活動してる最中に、彼がなぜこんな形でこの世を去らなければならなかったのかはわからない。彼が自ら命を絶ったとまだ断定できないし、したくもない。

彼がなぜこのツイートをしたのか。

僕の浅はかな読解力だと、彼は俳優という立場ながらも、国や世間の動向を憂いており、そのことをフォロワーに伝え少しでも良くしようという意図があったのだと思う。

しかし、その思いを嘲笑い、踏みにじるように世界が傾き、誰も経験したことない、打開の糸口もつかめないまま、未だに混沌の禍に包まれている。


止まない雨はない。

そう信じて、この禍を克服したときに世界がどう変わるのかを観測することを楽しみに、僕は今を耐えることができている。


その世界を前に彼は犠牲となった。

クソみたいな社会でも唾一つ吐かずに優しい言葉で大衆に手を差し伸べることができるかけがえのない存在が、また一人帰らぬ人となったのだ。


本当に生きるのが辛い国になってしまった。

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