見出し画像

ひとり親の貧困問題。仕事と移住で解決するの?

ひとり親の貧困問題が叫ばれるようになりました。そんな中、 LinkedInで、人材派遣会社のパソナグループのニュースを目にしました。本社機能を淡路島に移転することに伴い、ひとり親の就労も支援しようという取り組みです。

 LinkedInでいろんな意見を目にして、自分が体験していることをコメントしたのですが、ひとり親であり、移住経験者として、

本当に必要なことはなんだろう?

と深掘りしてみました。


ひとり親の就労と生活を支えるために必要なことは以下の3つだと思っています。

・行政サービス
・学校
・医療機関

この3つのことの前に、移住が加わると、前提として先に解決すべきことがあります。

まず解決すべきこと

引っ越しが伴う場合、真っ先に課題になることは、面会交流についてです。

今は、子供を育てるのは親が離婚したとしても、お互い協力して行うこと。となっていて、面会交流について、離婚届にも協議したかどうかのチェックがあります。ちなみに、養育費についてもチェックする欄があります。

養育費の不払いや面会交流が実施されないなど、貧困や争いになることが増えているという背景があるようです。


移住した場合、移住先が子供と一緒に過ごせない親と離れてしまうと、面会交流をどうやって行うのか。また、面会交流の際、子供たちが移動するのであれば交通費はどうするのか。など、いろんな課題がでてきます。

なので、移住する場合、再度、子供たちの親として話し合い調整することも必要となってくるんです。

実際に、私が離婚後、教育移住を目的に広島県から佐賀県に移住しました。その際、課題になったのが交通費です。

ただでさえ生活が大変な中、養育費を支払うだけで精一杯。遠方になったことは私が子供達のために決めたことであるから、交通費は出して欲しいといった相談もあったんです。

ただ、私の子供たちの場合、移住は不登校の状態で広島にいても学習や支援体制ができなかったという理由があったので、子供たちの移動よりも父親が移動してくるようになりました。

どうしても、お金と時間がかかることなので、離婚後に再度話し合うことが必要です。そうなると、円満に離婚できていればいいのですが、円満じゃない場合はかなりきつい交渉になります。

親に伝えることも必要

家族や親戚、友人など、頼れる人がいない場所に移住の場合、ほぼ1人で対応しないといけないという覚悟も必要になります。

企業と自治体が協力して行う就労と移住の支援であれば、なんらかのサポートはあるかもしれません。しかし、どこまであるのかはわかりません。

また、家族によっては遠くの地域への移住に賛成してくれるのかというのは、違いがあります。もしかしたら、反対されることもあります。

大人になっても親にとってはいつまでも子供ですから、心配な気持ちから反対されることも、想定が必要です。

前提が解決したら確認したいこと

前提が解決したら、はじめにお伝えした3つのことを確認していく必要があります。

まずは行政サービス。

子育て支援やひとり親支援は、自治体によってかなり違いがあります。

私が体験したのは、子供の医療費の対象年齢の違いや医療費の申請方法の違いです。地域によって、手続きが済んでいる場合、証明書を医療機関に提出すれば、その場で減額の対応をしてくれるところがありました。

自治体によっては、一旦支払いをして、1ヶ月ごとにまとめて自治体に申請というところもあります。窓口で減額対応ができるのとそうでないのでは、金銭的にも精神的にも負担が違うんです。

ひとり親支援でとても助かったのは、水道料金・下水道使用料の減免制度です。これは広島県の独自の支援だったようで、佐賀にはない制度だと知り、驚きました。

次に、学校。

地域によっては、小学校、中学校はあっても、高校や大学はないという地域もあります。進学のことも視野に入れて移住は考える必要があるんです。

また、小学校、中学校の通学地域が広範囲で通学するのにとても時間がかかるというのは、地方ではあるあるな話。

他にも、保護者や地域を巻き込んだ行事なども多いため、その都度、仕事を休む必要も出てきます。夫婦そろっていても、共働きであれば学校行事への参加は結構大変。ひとり親の場合は、それ以上に負担になります。

逆に、地域の方とうまく交流ができれば、たとえ、家族や親戚、友人がいなかったとしても、安心して子育てができる環境を整えることができます。そのためには、地域の人と交流するという時間が必要です。

最後に医療機関。

地方になると、子供たちにとって必要な医療機関があるのかは確認する必要があります。あったとしても、住んでいる場所から車で30分くらいということもあります。

私は、転勤が多い仕事で勤務地も地方ばかりでした。子供が生まれて転居するときに1番困ったのが、病院です。

小さな町になると、小児科や歯医者など、対応できる病院は少ない。また、アレルギーや発達障害など、専門の医療機関が必要な場合は、小さな町だとない場合があります。

そのため、事前に調べて生活できるのかを確認する必要があるんです。

私が移住で1番気をつけたのが、病院でした。子供が歯列矯正をしていたことと、発達障害の対応ができる病院が必要ということもあり、かなり悩みました。

幸い、佐賀県は発達障害に理解がある地域ということもあり、専門医もいくつかあったのですが、検査ができるかどうかは別。そのため、慎重に調べて決めました。

ひとり親が自立して生活するために必要なこと

移住の前に解決すべきことと、生活を支えるために必要な3つのことを書いてみました。

具体的に、働くためには、フルタイム勤務は、夫婦そろっている家庭でもサポートがないと大変です。

2人でも大変なことを1人でやらなければいけないのがひとり親。

そう考えると、子供が元気で、困った時はすぐにサポートしてもらえる環境があって、はじめてフルタイム勤務ができると考えられます。

本当に必要なひとり親にとっての働き方は、子育てもしながら生活できる柔軟な働き方だと、私は思っています。

今、ある働き方でできるとしたら、時短勤務またはリモートワーク(時間の調整は自分でできる場合)かもしれません。

ただ、決められた時間勤務ができない場合や、時間の調整を働く側ができる場合、正社員での雇用はあまりありません。そうなると収入が安定しにくいため、悩ましいところです。

働くために何を大事にするのか?

ということを意識しないと、働けたはいいけど心身ともに疲弊し子育てどころではない。というのが現実です。

これも、私自身、身をもって体験しています。

リモートが合う人と合わない人もいるので、ひとり親の就労支援を実現するためには、状況を聞きながら調整し一緒に作っていく。

そんな企業があらわれたら、頼れる人がいないまたは、いたとしても頼りづらい ひとり親も、貧困に陥らず、子供を虐待するほど精神的に追い込まれずに、働けるのかもしれません。


もし、あなたがひとり親だったら、どんな働き方があったら働けるでしょうか?

ひとり親が働ける環境は多くの人にとって働きやすい環境になると思います。

パートナーがいなくても、子供がいなくても、自分に置き換えて考えてみてはいかがでしょうか。

この記事が参加している募集

振り返りnote

ひとり親でも、不登校でも、学ぶことや働くことを諦めないでやっていることをシェアするための活動費として使わせていただきます!