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対談:転職活動中のエンジニアが語る「リモート採用活動」のホンネ

 みなさんこんにちは!HeaR株式会社、人事の田島です。最近はコロナの影響があり、急速にWEB面談、面接を用いたリモート採用活動が増えてきました。でも実際、対面でのコミュニケーションと色々なものが違って戸惑っている人事の方も多いはず。今日は、転職活動中のエンジニアであるえりさんをお招きして対談した様子を記事にしました!

 各項目に、「候補者さんの本音」と「人事としてできそうなこと」を記載済み。ぜひ参考にしてください!

リモート採用面談、「正直、差別化に欠ける」

田島:えりさん、今日はよろしくおねがいします!

えりさん(以下敬称略):よろしくお願いします!

田島:今日はえりさんからご連絡をいただいて、リモート採用と候補者体験に関するお話をお聞きしようと思っているんですが、そもそも私にご連絡いただいたきっかけはなんだったのでしょうか?

えり:突然の事態で急にリモート採用をせざるを得ない状態で、人事の方がたくさん工夫されているなというのを見ていました。それでも、実際に面接を受けている求職者側の意見も取り入れないと本当に良い採用体験にはなっていかないのではないか。もっと採用体験を良くするために求職者側が感じているも聴いてほしい!と思って田島さんにご提案させていただきました!

田島:うわあ、ありがとうございます。候補者さんの生の意見って、人事は忖度されちゃうからなかなか聞けないんですよね。貴重です!

えり:ありがとうございます!

田島:私の会社でも今、コロナのあおりを受けてオンラインでのCX(候補者体験)を向上させていこう!というコンサルティングは行なっているんですが、難しいですよね……。実際、候補者さんの側から見て、オンラインの面談を行うのってどんな感じですか?

えり:私が特に、誰と働くかみたいなのを重視するからだと思うんですけど、実際オンラインだと、その人の人柄とかオフィスの雰囲気とか知ることができないので、オンライン面談しても、オフラインで会ってみないとなんとも……って感じちゃうこと多いですね。

田島:決め手に欠けちゃう感じでしょうか?

えり:ですね〜……。採用担当の方に、こちらの熱量とかって伝わってるのかな?って。そういうのが結構あって、何もわからなくて困ってます。

候補者さんの本音
「こっちの熱意ってちゃんと伝わってるのかな?」

人事としてできること
→面接のフィードバックをしましょう! 候補者さんのここが良かった、こういう思いが伝わった!というのを積極的に伝えられるとGoodです。

思った以上に難しい、オンラインコミュニケーション

田島:逆に、「これはめっちゃよかったな!」みたいなオンライン面談ってありますか?

えり:正直なかったです。今月10社くらいお会いしたんですけど、やっぱその中で印象が良かったのってオフラインで会った人たちでしたね。

田島:あ〜、人事としては耳が痛いです(笑)でもオンラインって臨場感出にくいですよね。逆にどうしたらいいんでしょうね?

えり:一個思うのは、画面で顔合わせて「はじめまして」じゃないですか。で、しかもオンラインだとめちゃくちゃ距離が遠いですよね。……なぜかオンラインだと、最初のアイスブレイクとか雑談とか、すごい減ってる気がします。

田島:確かに、対人間のあったかいコミュニケーションみたいなの欠けがちですね。

えり:そうですそうです、事業説明聞いて、質問投げて、その繰り返し。みたいな。構造化されすぎてて印象に残りにくいです。

田島:人事の目線だと、オンラインだと、相手の人柄が伝わりにくいからこそ”構造化してちゃんとやらなきゃ!聞き出さなきゃ!”ってなりがちなんですよね。でもそれって候補者さんからしたら……

えり:寂しいし、機械的だな、作業的だなって思います。

田島:ちなみに、オンラインで面談した企業さんから、面談後にフォローってありました?

えり:私はエンジニアなので、面談は実際現場のエンジニアさんってことは結構あるんですよね。面談が終わった後に、人事の方から「担当者から聞きました!」と連絡がきたことはあります。でも1社か2社かくらいで……。

田島:お、少ない。10社中ですよね?

えり:そうなんです。オンラインで、こちらの思いが伝わってるのかわからないからこそ、面談の感想とかもっと伝えて欲しいですね。

田島:突っ込んだ質問ですが、オンラインでの面談がいまいちだったのって、えりさんの担当の方がエンジニアさんで普段は面談をしないからなのか、それともオンラインだからだったのか、どっちだとおもいますか?

えり:いまいちだった、というか、「急に割り当てられたのかな……」という印象を受けたことはあります。オンラインだと、ある意味オフラインより誰でも面接ができますよね。そのぶん、”突然アサインされて面接したのかな……”って感じてしまうこともあって。

田島:なるほど……。誰でもできるからこそ準備は大事ですね。

候補者さんの本音
「アイスブレイク少なくて話しづらいな……」「この人、オンラインでの面接大丈夫なのかな……」

人事としてできること
→アイスブレイクや普通の会話は、オフライン以上に丁寧に! どうしても距離を感じてしまうパソコン越しの面接だからこそ、まずは相手の緊張をほぐし候補者さんとの距離を縮める方法を考えましょう。
→もちろん、面接・面談の準備はとても大事。面接後のフォローもしっかりやっていきましょう!

▼WEB面談でも活用できるコンピテンシー面接の設計シート。深掘りが大事!

リモート採用面接とCXの話

田島:なるほど……。オンラインで面談するときに、こういう情報が見れたらいいな、みたいなのってありますか? 例えばうちの会社であれば、一問一答みたいにならないように候補者さんを深掘りできるような質問設計をしましょう、とか、対面で会えなくなるからこそよりオフィスの雰囲気や人や文化ももっと開示しましょう、みたいなのは伝えてます。でもやっぱりそれって、パソコンの壁をなかなか超えられないですよね。

えり:なんか、雰囲気とか結構伝えてくださることは多いんですよ。でも、そういうときに出てくる答えって、どこも一緒なんですよね……。

田島:……会社も選んで欲しいから、面談の時はええかっこしいですしね。笑

えり:ですね。でも、それだと全然差別化にならないんですよ。特にオンラインでコミュニケーション、遠い距離のところにいると本当に伝わりにくくて。

田島:差別化、確かにオフラインよりもオンラインの方が一層難しそうですね。

えり:正直、オンラインで受けた企業の違いが全然思い出せないんですよ。事業内容の差とかはわかるけど、なんか惹かれる、なんか素敵、みたいなのってないんですよね。

田島:逆に、エンジニアさんの視点から見て、この会社のCXよかったな、みたいなのありますか?

えり:ああ、カジュアル面談でCTOの方とか、経営に近い方が出てきてくれた時は感動しました。経営課題としてちゃんと採用に向き合ってるんだなー、って思えます。

田島:やっぱりエンジニアさんにとってはエンジニアさんの面談が一番ですか?

えり:そうですね。ただ、特にオンラインの時は、採用担当の方と採用に慣れているエンジニアさんで大幅に面接スキルが違うと感じたことはないです。

候補者さんの本音
「正直、オンラインでやってると会社の違いがわからない……」

人事としてできること
→印象に残るような面接を設計しましょう!
→会社として、採用にどれだけ真剣に向き合っているのかはしっかり姿勢とフォロー、いろいろな方法で伝えられるようにしましょう!

リモート面接の本音のところ

田島:今、オンラインでの面談が増えてきて困ってることってありますか?

えり:あ、困るのは……、なぜかオンラインでの面談面接って、その先が見えにくいんです。

田島:その先?選考フローとかですかね?

えり:そうです。なんか、会社に行くと次の話とか出やすいのに、なぜかオンライン面談だと出にくい気がしてます。

田島:ああー、なるほど。オンラインを挟むようになってからの採用フローが一気にわかりにくくなっていると。この後結局どんな選考の手順を踏むのかとか、オフラインで会う場があるのかないのかとか。

えり:そうなんですよ。すごい怖いです。あとは、なんか誰でもオンラインで面談できちゃうからこそ、面談してくれる人が誰なのかわからないことがあって、それも本当に改善して欲しいです。

田島:たしかにそうですね、みんなできちゃうからこそ、どんな人が出てきてもおかしくない状況。候補者さんからしたらそれってすごく大事だから、人事は軽んじちゃダメですよね。

えり:ですね。やっぱり面談では実際に一緒に働く可能性がある人と話したいです。オンラインで誰にでも振りやすいからこそ、そこはちゃんと気を使って欲しいですね。

田島:”みんな行けるから誰でもいいっしょ!”は絶対ダメですね。

候補者さんの本音
「オンラインだと、余計に今後の採用フローがわかりにくくて不安」

人事としてできること
→面談、面接、その後の選考について開示しましょう
→候補者さんに対して、誰が選考を行い、どのように進めていくのか、しっかりと事前に伝えましょう。

リモート採用の今後の話

田島:この後コロナがひどくなっていったら、「面談から入社まで誰にもリアルで会ったことない!」みたいなこともあり得るわけじゃないですか。

えり:ですね、怖いです。そうなったら、もっと色々お互い考えないと入社後のギャップとかめっちゃ怖いですね。

田島:現実的に考えられます?入社まで全部オンライン。

えり:私は……無理です(笑)

田島:私もです(笑)とはいえ、ロックダウンとかされちゃったらどうしたらいいのかわかんなくなりますよね。だからといって就職を先延ばしにできる人ばかりではないし……どうしたらいいんでしょうね。

えり:これは難しいですね……

田島:たとえば、Twitterとか採用広報とか頑張ってる会社さんだと少し雰囲気わかるじゃないですか。でもそれに取り掛かっていない会社さんだと、ブラックボックスになっちゃう。会ってみて伝えていたことが隠されていると、候補者さんからしたら何もわからない。

えり:ですね、本当に採用資料しかない、みたいな。採用資料なんて広告じゃないですか。いいことしか書いてないから、それひたすら読んでも何になるの?って感じちゃいます。

田島:多分ここからは、どんどん情報を開示できる企業しか勝ち残っていけなくなりますね。でも、全部を開示することができない会社がある。だからこそ採用広報のやりかたとかは難しくなっていくし、大切になっていきますね。

候補者さんの本音
「ただの採用資料なんて参考にならない、もっと生の情報が欲しい……」

人事としてできること
→採用広報を頑張りましょう。Twitter、Wantedlyのフィード記事、いろいろな手段があります。来るべき採用加速のタイミングに向けて仕込みを!
→採用ピッチ資料を作ってみましょう!

実は候補者が知りたがっている会社のこと

田島:例えば、オンラインで内定まで決めなきゃ!ってなったら、何を最低限知りたいですか?

えり:例えば、一緒に働きそうなチームの人たちとグループ通話とかしたいです。

田島:なるほど!

えり:私と、というか、対候補者ではなくて、チームのメンバー同士のコミュニケーションが見たいんですよ。

田島:ああ、それは大事ですね。なんかチームのテンションとか雰囲気とかついていけないな〜って思うのは無くしたいですよね。

えり:そういうのを見れる機会は欲しいです。それがあるとすこしやりやすいかなと。あとは、「実際の働いてるメンバーが感じてるカルチャー」の部分も聞きたいし、発信して欲しいです。

田島:経営者が目指すカルチャーと現場の感じてるカルチャーってちょっと違いますもんね。

えり:一致してれば最高ですけど、多かれ少なかれ解離はあるし、採用資料は上の人たちの理想が詰まってるものだから、そこの現場の雰囲気は絶対に知りたいです。

候補者さんの本音
「コミュニケーションが見えないオンライン採用はちょっと怖い……」

人事としてできること
→オンラインだとしても、採用候補者と会社のメンバー、一緒に働く人とのコミュニケーションの場を!
→カルチャーや雰囲気の開示がどんどん重要になってきます。会社として発信したいカルチャーをしっかり見つけて定義しましょう!

リモート採用の難しさを解消していくには

えり:今まで中途の就活ってそんなにしたことなくて、それでこの状況じゃないですか。かなり大変です。

田島:違いがわかりにくいっていうのは選べないですよね。

えり:そうなんですよ。例えばオフィスに行けばいろんな情報が入ってきますよね。「あ、本棚にこういう本ある」とか「付箋に最近の議論が書いてあるな」とか。周りの人の服装やコミュニケーションの取り方も、やっぱりオフラインだからこそわかる。そういうのがないっていうのは想像以上に辛いです。

田島:例えば、オフィスツアーの動画とかあったらちょっといいですよね。オフィスのいつもの様子みたいなものをちょっと見れるようにするとか。

えり:ですね!あったらちょっと雰囲気わかりそうです。ちなみに候補者からしても、「あ、この人全然準備できてないのにオンラインで面談してる」とかめっちゃわかるんですよ。

田島:CX悪いですね、それ

えり:そうなんですよ〜……笑

田島:逆に、オンラインだからこそ重視したいものとかってありますか?

えり:やっぱりフィードバックが欲しいです。オンラインだと、さらに減ってしまってる気がしてます。率直な感想とか、フォローとか、そういう一つ一つでその会社さんが差別化されるんですよ。あ、自分に真剣に向き合ってくれてたんだなって。

田島:確かに。今後のフローを明確にしつつ、ちゃんと自分に対する意見を示してくれたら嬉しいものですよね。

候補者さんの本音
「オフィスの雰囲気、会社の雰囲気をもっと知りたいよ……」

人事としてできること
→会社独自の、オフィスの雰囲気がわかるコンテンツを用意しましょう!小さなことでも大丈夫、会社の小さなこだわりやオフィスのメンバーの趣味など、人間味のある情報発信を!

リモート採用、ここが気になる

田島:ありがとうございます。じゃあ、他にリモート採用の面接とか受けてて気になることとかってありますか?

えり:めっちゃ細かいことなんですけど……面接中に家にピンポンがきたらどうしたらいいですか?(笑)

田島:(笑)確かに!……そうですね、人事さんごとに考えはあると思いますが、普段と環境が違うので出てもいいんじゃないでしょうか。自宅でやっていることはわかっていると思いますし。最近は「テレカン中に猫や子供が邪魔してくる」みたいなのも、ちょっと面白がられていますよね。私だったら、「申し訳ないです、すぐ戻ります!」って言って離席されても全然大丈夫です。

えり:そうなんですね!

田島:ものすごく重要な面接とかであれば、本来はピンポンの音とかも小さくしておいたりとか。ピンポン来そうな時間はお荷物のくる時間などはある程度予見できますし、避けることができるなら避けたほうがいいですよね。ただ正直、それ一つでものすごく印象が落ちるかって言われたらそんなことはないと思います。

えり:なるほど……。あ、じゃあ、服装について。WEB面談の時ってスーツがいいですか?

田島:それも特には気にすることないと思いますね。もともとスーツで来てね!っていう指定がある会社さんなら別ですが、その指定がないところであれば大丈夫かと思います。……まあもちろん、いかにもパジャマ!ボサボサの頭!というのはもったいない気がするので、多少の身だしなみが整っていればいいんじゃないでしょうか。

候補者さんの本音
「自宅だからこそ、細かいルールがわからなかったりする」

人事としてできること
→予見できる質問は事前にメールなどで回答しておくと親切です。「服装」「事前の準備」などに関して、WEBだからといって連絡に手を抜かないことが重要。

▼リモート採用を導入するときのチェックリストはこちら!

候補者、会社、どちらも大変な時期だからこそ

えり:あとは……こんな時期だからこそ、候補者を焦らせないでほしいんです。年間採用計画とか、人事の方も色々あるのはめちゃくちゃわかります。でも、ほとんどの人はオンラインだけでの決断は難しい。求人が減ってしまうかもしれないタイミングでも、だからこそ真剣に会社を選ばなきゃいけない。だから、このコロナでオンラインが増えたタイミングをちゃんと種まきの時期に使える会社は強いと思います。

田島:採用は確かに長期化しますね。実際に会いたいというニーズは間違いなくありますし、中長期的には欲しいけど今の売り上げが落ちているタイミングでは会社に入れられないということもある。だからといって、採用活動をすべて止めてしまうと、コロナが落ち着いた後に人が足りなくて会社が疲弊します

えり:候補者も、決め手がなくて困っているんです。人事の人も大変だと思います。でも、だからこそ長期的に見たコミュニケーションをとっていける会社さんはきっと強いですね。柔軟に、敏感に候補者に寄り添うことができると、候補者は、「有事の時にちゃんと対応できる会社なんだな」と思ってむしろ信頼が上がる気がします。

候補者さんの本音
「今は決めるのが正直難しい、長期的に決められたら嬉しいな……」

人事としてできること
→今は無理なクロージングではなく、候補者との長期的な信頼構築を目指しましょう。まさにCXが物を言う時期。コロナ収束後の採用活動をしっかり加速させるため、今は準備の時期です。


 えりさん、本日はありがとうございました!

 実はこの企画は、えりさんの発案で田島がTwitter DMをいただき始まったもの。

 「結構面接をオンラインで受けること増えたんですけど、採用体験が良くなればいいなーとおもって!」とえりさんから意見をいただき、人事×求職者の「”リモート採用”に関するリモート対談」(?)を急遽実現させました。本当にありがとうございます!

 採用CXの大切さを訴える会社の一員として、候補者さんの側から候補者体験を向上するために意見をいただける機会は非常に貴重です。ぜひ人事の皆さんにも知っていただきたいと思い対談にまとめました。

 リモートでの採用活動が増える中、人事がいくら頭をひねったとしても候補者さんが直に感じる体験ほど重要かつ参考になるものはありません。

 これからますます加速していくリモート採用。HeaRではリモートでの採用活動の包括的支援を行なっています。ご興味がある方はお気軽にご連絡ください。

 ちなみに、この対談に出てくれる方も探しています! 

「リモートで結構面談面接受けてるよ!」
「うちの会社もやっているよ!」

 こんな方、ぜひ私とリモートで対談しましょう!記事にさせていただきます✨DMからご連絡ください!

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