見出し画像

リハビリ療法士を指名できるようになるのか?

リハビリを受けた経験がある方、ご家族はこんなことを考えたことが無いだろうか?

あの人にリハビリしてもらったら、もっと良くなるだろうなぁ。

そんな思いがあったとしても、現在のリハビリ業界では「療法士を指名できない」のが通例となっている。

理学療法士、作業療法士はひと昔前までは一般的では無く、有資格者数が少なかった。

しかし、超高齢化に時代になり、理学療法士は17万人、作業療法士は9万4000人の有資格者が居るとされている。

Medipropedia【作業療法士・理学療法士】編より引用

これだけ人数の増加があると、多種多様なリハビリ療法士が世に存在するようになった。ライフワークとして勉学を続ける者もいれば、ライスワークとして1分1秒もプライベートで「リハビリ」を耳にしたくない者もいる。

わたし個人として空想するのは
「医療業界で指名制になる未来は遠く無い。しかし、近くは無い」と思うのです。

一方、介護業界では指名制になりつつあるとも感じている。

今回は医療業界(病院・クリニックを指す)では認められる未来がなぜ遠いと感じるのか?
一方で介護業界(デイケア・デイサービス・訪問看護ステーション)では指名制になりつつある現状について記事にしたい。

医療界の現行は「拒否制」のみ

何らか信頼関係を揺るがす問題があった場合、医療機関では担当者へ「NO」を突きつけることが現行でも可能だ。

それは「問題発言」であっても「提供されるサービスの質」であっても認められる可能性がある(すべてではない)。

情けない話、わたしは過去に「担当者を変わってほしい」とのクレームで変更となったことがある。
この経験によって、学べる契機になったので今では感謝している。

それは私だけでは無いし、経験がある療法士も居るだろう。
ただ、これは「指名制」では無く「拒否制」である。

現行の拒否制は指名制は似て非なるものであり、拒否したからといって希望した療法士へ変更されるわけではない。

施設側の都合により、担当者を充てがわれるだけである。

「指名」するには追加情報が必要

そもそも、リハビリテーションが開始する際に指名制にしたところで、患者さんが選び切れるのか?という疑問が沸き立つ。

わたしが受けたいリハビリテーションはこの人だ!と受ける前にどうやって分かるのだろうか?

・役職
・性別、年齢
・経験年数
・学術実績
・認定や専門理学療法士の取得
・外見や座右の銘

いわゆるこれぐらいに集約されるのでは無いだろうか?
もはやSNSの自己紹介欄レベルだ。

わたしが書いたが、「座右の銘」で決める人なんて居るのだろうか?
いるわけないだろ、とツッコみたい。

選ぶ視点のたとえ話をしたい

新しいレストランが近くにオープンした。立ち寄った時にはメニューを見ながら「オススメは何ですか?」と定員に聞いた。

よくあるケースだが、その質問をするのだろうか?
それは追加情報が欲しいからだ。

・何にこだわりを持っているか?
・どんな製法でおいしく料理しているのか?
・料理人が修行した場所はどこなのか?

そんな助方を集約して、選ぶことが「指名する」ことになる。
しかし、現行の医療界の状態では選ぶ情報がほとんど無い。
そのような枠組みでは「選べない」とならないだろうか?

「指名制」にして施設にメリットはあるか?

現状では「無い」としか言えない。

病院という施設の中で競争を起こしても病院側に入る所得は4月から働き始めた新卒の療法士をわざわざ指名することがありえるだろうか?

わざわざ運営上で調整業務を増やす選びはしないだろう。

「サービスの質を外部に訴えかけられる」という意見を持つ方も居るだろう。確かにそれはありえる話だ。
しかし、利用者さんが病院を選ぶ理由に「療法士は関与」しているのだろうか?せいぜい「○○名在籍」ぐらいでは無かろうか?

救急車で救命士が選ぶのは「その時に病院側が受け容れるか?」が問題
近隣医が紹介する時「その病院に知り合いの医師が居る」が紹介する根拠
そんな現状を考えると「関与していない」が明確。

医療業界では指名制が無いが、一方で介護業界は指名制になりつつある。

介護業界は「準指名制」の中にある

リハビリ療法士の中でも介護サービスに従事している人数はおおむね10%程度である。そのため、介護業界ではどのように担当者が割り振られるのか?が明るみに出にくい。

大部分は医療業界と同じで「施設側が担当人数をみて決定」と同じながれだ。

しかし、介護業界では
「あなたに担当してもらいたい」が比較的、通りやすい。
それは医師からの指名、ケアマネージャーさんからの指名、最後には「利用者さんからの指名」で空き時間があれば通りやすいのだ。

これは単純に
「施設という大組織の風紀を乱さないための方策として指名制を取らない
に対し、
「事業所という小資本組織では運営上、選択肢として認められる」からだ。

介護認定を受けた人が良い療法士が居ると噂を聞きつけ、
「〇〇看護ステーションの〇〇さんに来てもらいたい」と言えば、通るということ。

空き状況もあるので、絶対では無いが、病院と比較したら圧倒的に認められやすい

まとめ

医療界と介護界の現状について書いたが、
・医療界での拒否制が存在し、指名制は無い。未来は遠い。
・介護界では準指名制になるつつある。未来は更に活性化するだろう。
この2つについてnoteした。

指名制を願う療法士はどちらかというと「指名されるほどのスキルを持っている!」人が訴える制度になるだろう。
もし、指名されることによって、自己肯定感や、やりがいを持てるのであれば、ぜひ介護業界に転職してきてもらいたい、と願っている。

その方々が業界を率先して、療法士から始まる医療システムを作り出せるパワーになるのだから。

こちらのnoteもオススメです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?