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ジュニアリーグのデータから見る「大型大会予選1敗オポ落ち問題」の現状 (CL2025東京終了時点)

こんにちは、へるしー(@healthy_pokeca)です。
CL2025東京に参加された皆様、お疲れさまでした!

はじめに

大型大会ジュニアリーグ同伴2年目の保護者です。主にジュニアリーグの大型大会のデータをせっせと分析しています。

基本遅筆のため、Xにポストしたもののnoteにまとめられてない情報が沢山あるのですが、今回はタイムリーにまとめたいと思い、珍しく頑張りました。よかったら、Xのポストにいいね・note記事にスキ・Xフォローして下さい!

「大型大会予選1敗オポ落ち問題」

今回のCL2025東京ではジュニアリーグ・シニアリーグが2日間制での開催となり、少なくともジュニアリーグにおいて「抽選で落選した」という方を見かけないため、おそらく参加希望者が全員参加できる状態となりました!

競技人口の多いカントー開催で参加希望者全員が当選・参加できたことは、とても喜ばしいことだと思います。運営の方々、規模を拡大して頂きありがとうございます。

一方で、小4息子も大型大会7回目を迎え、名前と顔のわかる知り合いも増えてきた中でわかってきたのが「大型大会予選1敗オポ落ち問題」の辛さです。

私も昨シーズン前半のシティリーグにて、予選4勝1敗オポ落ち(いわゆる4-1オポ落ち)を経験しましたが、実際に体験すると本当に虚無でした。これを子供が体験した際のガックリ感ときたら、如何ほどでしょうか。

「全勝すればいいだけ」とよく言いますが、シティリーグ・マスターリーグの歴代優勝者のうちどれくらいが予選全勝されてるのでしょうか?ONCの予選0勝2敗から16連勝でのCL優勝はびっくりしましたね。(これ調べたらCL2023新潟の話で、思ってたよりも前でした。時が経つの早い…。)

初手の引き直しなし・サイド6枚ありのポケモンカードゲームで5回以上連続で勝ち続けることがどれだけ難しいかは、少しでもプレイされたことのある方ならわかっていただけるかと思います。

前提となる知識「オポネント」

オポ=オポネント(対戦相手)です。ざっくりいうと「より強い対戦相手と戦っていた人が強いと判定される」ということですが、ポケカにおけるオポネントの意味が分からない方は、まずこちらの引用記事がわかりやすいので一読参下さい。

オポ落ち(オポネント落ちの略)とは、「同じ勝敗数の中で、オポネント(それまでの戦った対戦相手の成績)によって順位が低くなり、決勝トーナメントに残れない(落ちる)」ということです。

ジュニアリーグ・シニアリーグにおける現状

ジュニアリーグ・シニアリーグの予選は現在(最大)8回戦です。ここに「予選1敗オポ落ち」が絡んでくるということは、予選を7勝1敗(勝率87.5%)の成績で終えたとしても、決勝トーナメントに上がれない子が多く出ている、ということです。

この問題の辛いところは「予選を全勝しない限り、決勝トーナメントに上がれるかどうかは、当日の対戦した相手の成績に左右されている(しかも対戦相手が強いかどうかを自分で選ぶことはできない)」ということです。

現状の大会仕様で、もしあなたの子供(未就学児~高校2年生)が「ポケモンカードゲームの大型大会に出てみたい!優勝したい!!」と言ったら、親は子供にこう伝える必要があります。

「ポケモンカードゲームの大型大会は、ジュニアリーグ・シニアリーグで決勝トーナメントに確実に進むためには予選8回戦を全勝するしかないよ。全勝できる子は参加者の上位1%以下なんだって。予選は3敗しちゃった時点でおしまいなんだけど、どこかで2敗した時点で(人数によるけどほぼ)決勝トーナメントには進めない。もし予選1敗で終わったとしても、その中の半分の人は決勝トーナメントに進めない。予選の前半で負けちゃうとオポネントがかなり厳しくなるから、序盤はなるべく強い子に当たらないように祈ろう!さらに、自分が対戦した相手全員がなるべく勝ち残ってくれることもお祈りしよう。事故らずに、まずは8回連続で勝って予選を突破しよう!

・・・かなり要求レベルが高いです。うちの息子はまだ最高成績が予選2敗のTop64で、予選を1敗で終えられたことすらないのですが、予選2敗した時点で「まだ3敗で終わってはないし、2敗しても決勝トーナメントのチャンスあるかな?あるよね?」と何度も聞いてきました。親目線、まだ予選の試合が残っている子供に対して「いや、もう決勝トーナメントは絶対にないね」とは言えません。

今回のCL2025東京でも、参加希望者が全員当選する一方で、「大型大会予選1敗オポ落ち問題」は続いていました。そこに今回、有名プレイヤーまほうじんさんが、この現状に対し声を上げてくれました。ありがとうございます!ダイカンシャ!!

そこで、実際ジュニアリーグにおける「大型大会予選1敗オポ落ち」はどれくらいでているのか?参考情報として、昨シーズンの大型大会6回と今シーズンのCL2025東京(2日間)、直近全8回の大型大会のジュニアリーグのデータをまとめてみました。

2024愛知から、予選8回戦になって少しだけ改善してます。
それでもまだ予選1敗から10人がオポ落ちしているのが現状です。

ポイント

  • 予選1敗オポ落ちは、ジュニアリーグでは直近の大型大会8回中6回発生している

  • 予選1敗オポ落ちが発生する場合、予選1敗の選手の約半分がオポ落ちする(予選8回戦となった直近3回の平均50.2%。それ以前はもっと高い。)

  • 決勝トーナメント16人制で予選1敗オポ落ちが発生しなかったのは、開催まで3か月を切ってからGWど真ん中での北海道開催がサプライズ発表され、エントリー数が定員数の50%を割ったCL2024札幌の1回のみ

  • JCS2024はトーナメント32人制のため、予選2敗からのオポ上りが出ている。

  • 予選全勝した選手がTop4以上に残れていない大会の方が多い。(全勝優勝は、8回中2回だけ)

  • 予選2敗オポ上がりが発生した2回の大会で、Top4以上(WCS参加権利)に残る選手が2回とも出ている。(予選で2敗した選手も、決勝トーナメントで勝ち残る可能性が十分あることを証明している)

いかがでしょうか。私はポケモンカードゲームに運要素がある以上、予選1敗オポ落ちは、救えるなら救うべきものだと思っています。

思うことがあれば公式に対して意見を出そう

しかし、Xで不満を言っているだけでは、何も変わりません。小平PCGを主催されているイベントオーガナイザーのヒデさんも、以前ジュニアリーグ・シニアリーグのシティリーグの枠の少なさに不満の声が上がる中、このように言っていました。仰る通り!

意見があれば、声を上げる必要があるのです。その意味で、まほうじんさんはお問合せの先のリンクも併せて貼ってくれたことも含め本当すごいです。今回の件で思うことのある方は、ぜひ意見を送りましょう!

https://pcg-cs.pokemon-support.com/hc/ja

過去にも、ジュニアリーグのシティリーグがポケモンセンター以外の会場でも開催されるようになったり、昨年起きたシティリーグ予選4-1オポ落ち問題も解決(シーズン中に予選5回戦から予選6回戦に変更)されたりと、話題になったことは結構改善されてきています。少なくとも運営は、プレイヤーの声を聞いて改善しようとしているのだと思います。

「大型大会予選1敗オポ落ち問題」にどんな対策があるのか

※後で加筆・修正する可能性があります

予選をもう1回戦追加する/トーナメントを32人制にする
一番単純な解決方法として思いつくのは「全体で予選をもう1回戦やる」ということです。これにより、例えばCL2025東京Day2ジュニアリーグの748人であれば、予選全勝が2人、予選1敗が13人、予選2敗の1人がオポ上がりとなり、予選1敗オポ落ちがなくなります。

ただし、もともと昨シーズンのCL2024福岡までは7回戦までだったところ、予選1敗オポ落ち人数を減らすために予選を1回戦増やして8回戦としているため、1日で決勝トーナメントまで含めて大会を終えるには時間がかなり厳しいです。あまり大会の時間が夜遅くなると、どこかに怒られそうな気がします。「トーナメントを32人制にする」というのも、同じ問題があります。

そもそもジュニアリーグは8回戦を8時間程度かけて実施しています。勝敗を記入する紙を配布・回収・集計、ペアリングを紙で貼り出す運用をしているため、どうしても時間がかかるようです。また、参加者の条件は年齢の上限しかなく申し込みさえすれば誰でも参加できるため、ジムバトルに参加したことがない子やカードにデッキシールドをつけていない子でも参加できます。全体の参加者増に伴って未就学児の参加も多くなっており、対戦後の保護者の呼び出しも増えていて、どうしてもペアリング発表に時間がかかっているのが現状です。

大会参加者の人数を絞る
スムーズに大会を運営するためには、人数を絞る必要が出てきます。ここは大会の門戸を開放することとトレードオフで、おそらくこれまでの運営の考え方とは反するものです。しかし大会への参加希望者が増え続ける中で「全員が参加できること」と「大会参加者(特に上位を目指している人)が満足できること」を両立し続けるのは正直難しく、現状のやり方はどこかで限界がくるものと考えており、個人的には「誰でも参加して楽しめる大会(≒スクランブルバトル)」と「上位を目指す人が参加する大会(=チャンピオンズリーグ)」は分けて開催した方がお互い幸せになると考えています。

定期的に話題になりますが、例えばチャンピオンズリーグへの参加条件にジムバトル入賞経験をつける、などはあるかと思います。ジムバトル開催の地域格差等はあり、なかなか難しいようです。

初代赤緑からポケモンのゲームをやってきたおじさんとしては、ジムバトルで一度も勝ったことがなくてもチャンピオンズリーグに挑戦できる現状には結構違和感を感じています。ジムバッジを全部集めてこないとチャンピオンロードへの道、通してくれなかったのに!

WCS(世界大会)ではオポ落ち問題をどうしているのか?
WCS(世界大会)では、オポ落ち問題がないようです。な、なんだってー!!
以下は、ベテラン同伴保護者ねこにんさんによる情報です。ありがとうございます!

以前まではトップカット8人で全勝が5人、6位~11位までの人が同じ勝ち点だった場合は11位までは全員予選突破。トーナメントは2、4、8で埋まるので、全勝した5位までは決勝トーナメントに進出が確定。その後、6位~11位で残りの3席を争う予備トーナメントを追加開催していたそうです。

今年のホノルルでは少し変わり、予選スイスドロー10回戦で予選1位~予選14位までの全選手によって、トップカット8人に絞るための予備トーナメント(11回戦)が追加開催されていたようです。

このルールの原文はこちらです。

After all Swiss rounds are completed, the Top 8 competitors and all other competitors with an equal number of match points as 8th place (to a maximum of 32) will advance to an asymmetrical top cut single-elimination bracket to determine the winner of each event.

https://worlds.pokemon.com/en-us/in-person/tournament-info/tcg/

訳はこうみたいです。

スイスドロー方式の全ラウンドが終了次第、上位の8名に加えて、8位となった選手と同店を獲得した選手(最大32名)がシングルイリミネーション方式の非対称トップカット枠に進出し、各カテゴリに優勝者が出るまで対戦を続けます。

ホノルルの場合は、14人が予選突破でポイント1位と2位をシードとして12人が対戦して、勝者の6人にシード2人がトップカットだった、とのことです。(ちなみに日本代表が予備トーナメント4卓中3卓で勝利。すごい。)

これがWCSルールなら、日本も全勝者はシードにした上で1敗で予備トーナメントを実施するほうがオポ落ちより公平なんじゃないか・・・と思いますが、前述した追加1戦分の時間問題が付きまといます。ホノルルでは進行遅れもあり、ジュニアリーグの予選最終戦を翌日に回していました。複数日程での開催前提だからこそ実施できるやり方とも言えます。

おわりに

大会が何のために開かれているのかと考えると、究極的にはコンテンツのためです。そもそもチャンピオンズリーグのような規模の大会を参加費無料で開催されている運営側の懐の広さには驚愕するところです。

別に大会を開かなくたって、無料でなくたって、いいわけです。でも大会を開いた方がコンテンツがより盛り上がって、運営側にもプレイヤー側にも双方メリットがあると思っているから大会を開催しているのだと思います。

参加費をとってもいいところ、プレイヤーが参加しやすくなるようあえて無料で開催しているのだから、きっとプレイヤーファーストで考えてくれるんじゃないかな、と私は思っています。

この記事を読んで頂いた皆さんが「大型大会予選1敗オポ落ち問題」の解決に向けて、ご意見を挙げて頂くことを切に願います。


ポケモンカードって楽しいね!!!

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