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空前の大ヒット「ウマ娘」 あらゆる方向に散りばめられたヒットの要因に迫る!

1. ウマ娘とは?

2021年2月24日のリリース以降、急速に人気を集め同年7月20日には、900万DLを突破、現在話題沸騰中のゲーム「ウマ娘 プリティダービー」(以下、ウマ娘)。先月8月24日には、ハーフアニバーサリーを迎え、ログインボーナスとしてジュエルや「WINNING DREAM」サイレンススズカ等のサプライズプレゼントがユーザーに贈呈されたことでも話題になりました。新展開が発表されると必ずといっていいほど、瞬く間に関連ワードがTwitterのトレンド入りを果たし、最近では、Tiktok上でもその音源を使用した動画を見かけます。ゲーム自体をプレイしたことがなくとも、SNS等で「ウマ娘」というワードを目にしたことがある人も少なくないでしょう。本記事では、ウマ娘ヒットの要因に様々な角度から迫っていきます。

ウマ娘5

https://twitter.com/uma_musu/status/1430047348550344706?s=20 

2. どんなゲーム?

ウマ娘は、実在する競走馬を擬人化した美少女キャラクターである「ウマ娘」が、学園生活を送りながらレースでの勝利を目指すという内容です。Cygamesによるー育成シミュレーションゲーム(スマートフォン向けゲームアプリ)では、プレーヤーはトレーナーとしてウマ娘と二人三脚でレースでの勝利を目指します。しかし、「ゲームアプリ」という表記に疑問をもった方もいるのではないでしょうか。実は「ウマ娘」は、ゲームアプリを中心としつつも、アニメ・コミック・その他メディア等を駆使して展開されているメディアミックスコンテンツなのです。世界観は同じだがストーリーは違う。そこがウマ娘の特徴の1つとも言えます。

★2016年、ウマ娘プロジェクト開始
ウマ娘プロジェクト
2016年3月に開始されました。東京ビッグサイトで開催された「AnimeJapan 2016」にてプロジェクトの発表が行われ、CygamesのWEBコミックサイト「サイコミ」でのコミックの掲載、テレビアニメは2018年4月〜6月までに第1期がゲームに先立つ形で放送されました。2021年1月〜現在は、第2期が放送されています。当初、ゲームは2018年冬にリリース予定と発表されていましたが、約3年の時を経て、2021年2月24日にリリースとなりました。コミックやアニメでウマ娘を楽しんでいたユーザーにとっては、待望のゲームアプリリリースだったのです。

ウマ娘2

https://umamusume.jp/anime/

<ゲーム概要> ゲームのメインとなるのは、レースで勝利するためにトレーニングを積む”育成パート”です。このゲームには、70を超える個性的なウマ娘たちがいます。彼女たちは、それぞれ、「育てやすさ」「適正距離」「適正脚質」等の特徴が異なるため、その点を考慮してそれぞれのウマ娘を育成していくことが、レースで勝利を収めるための鍵となるのです。そうして育成したウマ娘の大迫力のレースが楽しめるのが、”レースパート”です。ウマ娘内のレースは、オートレースであるため、レースが開始すれば、育成してきたウマ娘を信じるしかありません。時には運も影響します。レース後には、上位のウマ娘がセンターを務めて踊る”ウイニングライブ”が行われます。様々なレースに勝利していくことで、楽曲も増え、また一度披露された楽曲は、何度でも再生が可能となります。以上の育成・レース・ライブ鑑賞がメインコンテンツにはなりますが、この他にも、ウマ娘の能力を高める”サポートカード”システムや、他のウマ娘との交流やお出かけ等の友情トレーニングも積極的に活用していくことで、ウマ娘を強化し、トレーナー(ユーザー)もよりゲームを楽しむことができるでしょう。

3. あらゆる方向に散りばめられたヒットの要因にせまる!  

(1) 実在する歴史上の名馬をハイリスペクト!競馬ファン!
ヒットの大きな要因としてまず、ウマ娘のキャラクターは、実在する歴史上の名馬をモチーフに作成されていることが挙げられます。スペシャルウィークやトウカイテイオー、ダイワスカーレット等が存在しますが、今回はスペシャルウィ―クを取り上げます。競走馬であったスペシャルウィ―クの母は、実は、スペシャルウィークを出産後すぐに死亡しています。しかし、1998年の日本ダービー(東京優駿)1着、1999年の天皇賞(春・秋連覇)等数々のレースで優勝をおさめ、キャリア17戦の中で、3着以内を逃したのは5歳の時の京都大賞典のみという成績からわかるように、非常に安定感のある馬であったといえます。公式サイトによると、ウマ娘のスペシャルウィークは「素直で明るい頑張り屋。生後すぐに実母を亡くし、その親友である人間の女性の元に預けられた。中略」と説明されています。また、容姿に関しても、ウマ娘のスペシャルウィークの前髪中央部のみが白髪となっているのは、顔面の中央にある細長い白の模様が忠実に反映されたものだと考えられます。このように、名馬の実際のストーリーや容姿、性格、身長等、そのモデルの実現度の高さ、リスペクトには、ユーザーをあっと言わせるものがあります。しかし、全てが実際のストーリーをリアルに反映しているわけではありません。例えば、サイレンススズカ。こちらも優秀な名馬でしたが、圧倒的な一番人気の支持を得た1998年の第118回天皇賞(秋)においてレース中に故障を発症し、安楽死という悲しい最期を迎えました。しかし、ゲームウマ娘におけるサイレンススズカは、好成績を収めることも少なくありません。つまり、現実世界では起こらなかった「もしも」のストーリーをウマ娘のゲームを通して体感できる点が、競馬ファンの心を熱くさせるのです。レース中の実況中継のリアルさも、競馬ファンにはたまらないでしょう。

ウマ娘3

https://www.jbis.or.jp/horse/0000293624/

https://umamusume.jp/

(2)いろいろなウマ娘でのプレー!育成ゲーム好きユーザー!
もちろんウマ娘は、育成シミュレーションゲームという本来のジャンルにおいてもレベルの高いゲームシステムになっています。前述したように、それぞれのウマ娘の個性や特徴を踏まえて育成していくことが必要になるため、一筋縄ではいきません。また、「継承」という、殿堂入り(育成終了)したウマ娘の能力を、これから育成するウマ娘に受け継ぐ仕掛けもあり、ウマ娘を育て、育てたウマ娘を組み合わせていく、つまり育て続けていくこともユーザーを惹きつける要因の1つでしょう。


(3)美少女揃い!美少女ゲーム好きユーザー!
馬、育成ゲームという観点から人気の要因を探りましたが、忘れてはならないのが、ウマ娘が美少女揃いだという点です。レース後には、レースで上位を収めたウマ娘がアイドルのように、センターポジションでライブをする”ウイニングライブ”が行われます。自分の好きな美少女キャラクターが踊る姿に虜にされてしまう人も多いのではないでしょうか。このライブは何度でも再生可能ですし、スクリーンショットも好きなだけ撮ることができます。また、トレーニングやレース中は、クールや頑張る姿を見せる等、そのギャップも、ウマ娘たちの強みでしょう。つまり、美少女ゲームという軸もしっかり存在しており、美少女ゲーム好きユーザーも逃しません。

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※実際にゲームをプレーして撮影

(4)臨場感溢れるグラフィック!                    ここまでの3点はそれぞれのユーザーの観点から考察をしましたが、全てのユーザーを魅了するのが、まるで自分がその場にいるかのような臨場感溢れるグラフィックです。筆者も、ウマ娘をプレイしていて、この点には特に驚かされました。一度ウマ娘をプレーしたことのあるユーザーなら、誰もが感動を覚えるのではないでしょうか。レース中の疾走感、ライブ中の盛り上がり感…カメラの角度を自分の好みに応じて変えられる点も、その魅力を高めている要因といえるでしょう。

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※実際にゲームをプレーして撮影

(5)あらゆるユーザーを虜にするウマ娘!
この記事では、アプリゲーム「ウマ娘」を中心にその魅力に迫ってきましたが、前述のように、ウマ娘は、もとはアニメコミックからスタートをしており、ゲームがリリースされてからまだ半年しか経過していません。それにも関わらず、爆発的なヒットとなっています。上記の点も踏まえつつ、ウマ娘ヒットの理由を探ると、「ハマるきっかけ」と「ハマった先」が多種多様に用意されていることが分かります。アニメ・コミックからゲームへ。ゲームからアニメ・コミックへ。また、ウマ娘という1つのゲームではあっても、美少女ゲーム好きユーザー・育成ゲーム好きユーザー・競馬好きユーザー等、様々な層をターゲットとしていることが分かります。それに加え、ゲーム内の史実にハマったユーザーの中には、実際の競馬の世界へ飛び込む人も少なくないようです。美少女キャラクターにハマった場合には、アニメやコミック、イベントやグッズといった、「ハマった先」が用意されています。つまり、始めるきっかけ、ハマる要因、ハマった先にも、非常に多くの選択肢があることで、自分なりの楽しみ方ができ、多くの人を虜にしているのが「ウマ娘」なのです。

これからの「ウマ娘」からも目を離せません。
自分にあった方法で「ウマ娘」を楽しんでみてはいかがでしょうか。


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