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Sky Mate

 熊本の空域で訓練していると、学生が多い。エアライン機も入ってくる。自衛隊のヘリも入ってくる。プライベート機も入ってくる。色んな飛行機が入り組んでいる。管制官もさばくのに相当大変だろうと思う。僕が無線の時に心掛けていることは、誰かが喋った後ワンテンポ置いてから、無線をするようにするということ。無線を聞いていると、ひっきりなしに誰かが喋った後我先にとすかさず、ボイスを入れる人もいる。管制官もBrake をして、違う機体に管制指示を出すこともある。だが、間違ってはいけないのは、

僕達は、同じ空を飛んでいる仲間だ。

どこどこの学生だとか、プライベート機だとか、エアライン機だとか、自衛隊だとか、あいつは邪魔だとか、そういうのは関係ない。自分だけやりたいことやれれば、それでいいなんてことはない。だから、

常に相手のことを思いやるのだ。配慮するのだ。

僕達の揺らぎない目的は、ただ一つ。

一度空に上がれば、必ず無事に生きて帰ってくること。

他の機体がいる為に、たとえ訓練がスムーズに行かなくとも、かなりホールドさせられても、他の飛んでいる仲間が無事目的地に辿り着くのなら、それでいいのだ。自分だけ無事で、他が事故を起こしていいなどということはない。

管制官も人によっては、ボソボソと喋ったり、そっけない人もいる。だが、管制官も仲間だ。彼らと安全を作り上げていくのだから、エネルギーの矛先を間違えてはならない。

パイロットの心は大らかに。

どしっとゆったりと、器を大きくして行こう。