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アウトプットで大事なのは〇〇

昨日とある打ち合わせを開催した。

何のための打ち合わせかというと
現在顧客に提案している新商品の
仕様を製造側の関連部署のトップに
共有するためのものである。

通常新商品の開発には決められたプロセスがあり、
それに従って作る限りは否応なく仕様は
共有されるようになっているのだが、
今回の案件は顧客専用品で私達の社内では
評価ができない仕様なので
通常とは違うプロセスで作っている。

それ故に商品の仕様を個々には説明していても
全体的に説明するということが
出来ていなかったのである。

実機で試作したサンプル、原材料、加工仕様
現物を会議室に準備して打ち合わせを開始した。

今回なぜこの原材料を選定したのか、
なぜこの加工方法を選定したのか、
そしてなぜこの仕様で顧客に提案したのか、
社内外的な様々な理由をがあり、
私的には現状でできるベストチョイスとして
顧客に提案した仕様だという自負があるので
それを関連部署に説明をした。

時折質問は出てくるものの、
私の説明で納得してくれたようで、
今進めている仕様で正式に社内的にも
進めることになった。

こうして打ち合わせ自体は何の問題もなく
終わったのだが、
打ち合わせの中で自分がこの商品を設計した
プロセスを話していると、
とてもストーリーがあることに気が付いた。

先ほど書いたように、
今回顧客が求めるものに対して設計をする中で
当初は無数にあるように見えた選択肢は
リサーチを重ねるごとに狭くなっていき、
色んな思考錯誤を経て最終的な仕様に行きつく。

今回説明した小さな商品一つにしてみても、
そのストーリーは映画一本の尺になるぐらい
色んな紆余曲折があったのだ。

これは何も商品開発に限ったことではない。

色んな方が色んな仕事をする中にも
必ずストーリーが存在しているのである。

ストーリーの中には矛盾が生じるようなことも
あるだろうし、
顧客からの理不尽な要求などもあるだろう。

必ずしも論理的に解釈できるストーリーばかりでは
ないだろうが、
それも含めてストーリーが仕事の中にはある。

否、これは何も仕事に限ったことではない。

全ての人が日々無数の選択をして生きているが、
その選択全てにストーリーは存在している。

だが、そのストーリーを私達はあまり
意識することはない。

自分がなぜそれを選んだのか、
自分がなぜそうしているのかは
イマイチ意識せずに生活をしているはずである。

だが、今回私が打ち合わせでしたように
その選択の理由を振り返って
ストーリーを人に話してみると、
自分が取った選択が自信があるものや
まだ他の選択肢も取れたと思うものまで
色々あることに気が付くものなのだ。

実際、今回私は仕様に関して
現状のベストチョイスだという自信はあったが、
説明する中で「もしかしたらこれもいけたかも?」と
思えるものがあった。

自分の選択をストーリーとして振り返りながら
話すことは、まさに客観的に自分の選択肢を
見返すことなのであろう。

よく何かを学ぶ時にはアウトプットが大切だと
言われる。

自分自身の経験でもそれは間違いないと思うが、
単にアウトプットするだけではなく、
そのアウトプットをストーリーにしてみることで
自分の選択を客観的に振り返り、
次の選択の精度をあげていくことができるのでは
ないだろうか。

私達が学ぶのは究極的には自分の選択の精度を
上げていくためである。

選択の精度が上がれば間違いなく人生は
変わっていく。

そう思うと、私達は日々色んな場所で選択し、
ストーリーを紡いでいるのに、
それをストーリーとしてアウトプットできていないのは
とてももったいないことである。

noteで長文を書くには必ずストーリーが要る。

箇条書きのような脈略のない文章で長文に仕上げるのは
とても難しいからである。

つまり、こうして日々自分の選択や経験を
文章にして発信していることは
実は私にとって大きな学びになっているのだ。

今回偶然新商品の仕様について人に説明して
私は改めてこのことに気付かされた。

新商品開発の話は機密事項なので
気軽にアウトプットすることはできないが、
日々紡ぎだしている報告書をまとめてみると
とても面白いコンテンツになりそうである。

この商品が世の中に出た暁には
その開発ストーリーも公開してみるのも
面白いのかもしれない。

ちなみに今回の説明は資料を作らず、
あえて現物をもとに口頭のみで
説明を行ったのだが、
案外この方がダイレクトに
相手に伝わっている気がした。

これまでプレゼンテーションをするときは
スライドや話し方に意識を向けていたが、
案外このやり方の方がいいシチュエーションは
多いのかもしれない。

子供たちが妻に欲しいものをプレゼンする際には
このやり方が一番伝わりそうな気もする。

今度ひっそり彼らにコツを伝授してみようと思う。

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