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ブランドイメージに惑わされないで

想像してみてほしい。

あなたは本屋で本を選んでいる。
たくさん並んだ本の中から
選ぶためにどこを見ているだろうか。

小説なら裏表紙のあらすじを見たり
帯に書かれた内容で選ぶかもしれない。
ビジネス書ならザッと目次と冒頭を見て
自分が欲しい内容かどうかで
選ぶかもしれない。

しかし、私たちが本を選ぶ時には
「誰が書いた本か」を
実は無意識に重視しているものである。

現に本屋に陳列されている本の中で
棚に背表紙だけ見える状態で
入れられているものではなく、
棚に平置きされている本は
大抵がベストセラーもしくは
著名人が書いた本である。

2ちゃんねる創設者のひろゆき氏や
堀江貴文氏などの本が必ずというぐらい
平置きコーナーに並んでいる。

もちろん著名な方が書く本は
その人の考え方自体が特殊で
面白いという場合もある。

例に上げたひろゆき氏も堀江氏も
間違いなく一般的な考え方とは
一線を画すものがあるので
それゆえに人気があるのかもしれない。

しかし、世の中には著名でなくとも
非常に面白い内容を書く作家の方は
山ほどいるのも事実である。

実際私はこうしてnoteで発信しながら
色んなnote作家の方の作品を
拝見しているが、
非常に面白い記事を書かれる方が
あまりに多くていつも驚く。

では売れる作家の方と売れない作家の方の
違いは何なのだろうか。

それはブランディングの差である。

AとBという作家がいたとして
作品の質やレベルは同じだと仮定した場合
Aのブランディングが優れていれば
間違いなくAの方が売れるのだ。

ブランディングという言葉は
分かっていそうで実態がわからない
言葉の一つである。

何となく信頼感や価値が保証されているような
イメージがある言葉であるが、
そもそもブランドとは
商品やサービスなどに対して
消費者が持つイメージの総称

広義で呼ぶ言葉である。

例えばバーバリーというブランドを
想像してみるとどんなイメージが
頭に出てくるだろうか。

・バーバリーチェック
・マフラー
・コート
・高級
・やや若い

上記は私の頭の中にでてきたイメージである。

このように商品やサービスが
消費者の中に持たれている
イメージがまさにブランドである。

しかし、私が上記に書いたイメージを見て
「そんなことない」と思う方も
いるのではないだろうか。

実際にバーバリーでは
購入のターゲット層を35歳以上に
設定していると言われており、
私の中のイメージにある
「やや若い」というのは
バーバリーが実際に行っている
戦略とは乖離しているのだ。

このようにブランドというのは
現実と乖離していることが
実は多々あるものである。

実際に消費やサービスを購入してみると
元々イメージしていたものと
現実との乖離に気が付くので
このギャップは埋まっていくはずであるが
バーバリーのような高級品の場合
ブランドとしてのイメージはあるものの
購入したことがない人が多いため
イメージと現実とのギャップが
埋まらない場合が多いのだ。

では本の場合はどうだろうか。

最近は口コミを気軽にネットで
見ることができるので
比較的ギャップは少ないが、
それでも実際に買って読んでみると
思っていたイメージと違うことが
多いのである。

つまり、依然としてブランドイメージと
現実とのギャップは大きいのだ。

にもかかわらず、私たちはブランド価値を
重視して本を選んでしまう。

服ならばそのブランドを着ていることで
対外的なアピールになるので
服としての品質を超えた価値があるが、
本に関してはコンテンツの内容のみが
価値である。

本来ならば本は内容のみで
選ぶべきものなのだ。

本を買うことは
自分に情報や知を入れることである。
まさに自分への投資なのである。

株式投資をするときに
イメージで銘柄を選ぶ人は
少ないはずである。

少なくとも配当や過去の実績、
今後の見通しを考えた上で
投資をするはずなのに
本という自分への投資については
ブランドイメージだけで
投資を決めてしまう。

これはあまりにもったいないことである。

あなたがよほど著者のことが好きで
信仰していれば別であるが、
そうでない限り、本は内容で選ぶべきである。

商品のブランディング戦略は
マーケティングの中でも重要であるが
私たち消費者はその戦略に
乗せられすぎてはならない。

マーケティングは上手く使えば
本来価値がないものであっても
あたかも価値があるように見せることが
出来てしまうからである。

そのような悪質なことをしていれば
継続的なビジネスをすることは
難しいであろうが、
実際には多少内容よりも盛るぐらいの
ことは当たり前に行われているのだ。

私たち消費者がしっかりと内容で
本を選ぶことによって
本当にいい内容の本を書く人に
適切な評価と報酬が入ることは
本来あるべき姿ではないだろうか。

今は動画やブログで本の要約が
簡単に見れてしまう時代である。

ほんの少しの時間を使って
本当に内容が面白い本を選ぼうではないか。

自分自身に投資をするものを
しっかりと選ぶことは
自分に対する敬意でもあるのだから。


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