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久々にドラえもんを見て感じたこと

我が家にはファイアーHDキッズなるものが
1台置かれている。

去年妻が突然購入すると言い出して、
我が家にやってきたこのタブレットは
知育的なアプリやアニメなどが見られるということで
特に下の娘が喜んで使っている。

このタブレットは子供向けに設計されているので
ブラウザを開いてYouTubeを見たりすることは
基本的には出来ず、
表示されているアプリの中から何をするかを選び、
時間制限をかけておけばその範囲内で
子供たちに使わせておけるのがありがたい。

このタブレットを使って色んなことを
娘はやっているのだが、
その中でもどういうわけか彼女はドラえもんの
アニメを見る事がマイブームらしく、
最近はタブレットを手にしたと思ったら
大抵ドラえもんを見ている。

とはいえ、そんなに色んな話が
視聴できるわけではないらしく、
娘が見ている話を見てみると、
過去に観たことがある話が多かったりもする。

私達からすれば同じ話を何度も観て面白いのか
疑問に思ってしまうが、
子供にとってはむしろそれが楽しいらしい。

昨日は祝日だったので朝から娘と一緒に
ドラえもんの話を見てみることにした。

正直子供の頃から私はドラえもんが
あまり好きではなかったのだが、
久々に見てみたドラえもんは
相変わらずな展開が繰り広げられている。

そうして何話か一緒に見ていると、
学校でのび太が答案を返してもらうシーンに
遭遇した。

そして、そこには令和の時代でも変わらず
0の数字が記載されていた。

サザエさんの磯野家ならば、このような点数を取れば
露骨な叱責を受けるだろうが、
野比家ではそうではないらしい。

だが、学校の先生は厳しい表情でのび太に
「もう少し頑張れ」的な言葉を投げかけていた。

もちろんこの話はアニメの世界なので
現実と同じように考えることなど
ナンセンスだということは百も承知である。

だが、のび太が0点を取るというのを
目の当たりにしたときに、
私達大人はどう対処すべきなのかと
私は疑問に感じてしまった。

先ほども書いたように私は子供のころから
ドラえもんが好きではない。

それはのび太の他力本願なところが
たまらなく嫌だからである。

友達との間で感じた悔しい思いをもとに
余計な一言を発した尻拭いを
いつもドラえもんに頼って何とかしてもらうのが
子供のながらに腹立たしいと思っていた。

だが、そんなのび太も大人になってから
ドラえもんを見てみると
見方が少し変わってきた。

すぐに眠ってしまう性質や
漫画を読みふけってしまうことは
アニメの中ではのび太のダメな所として
描かれているが、
自分の子供がよく眠ることはむしろ親としては
うれしいことであるし、(病的な眠りでなければだが)
時間を忘れて漫画を読めるほどの集中力は
素晴らしいと感じる。

しかも、漫画とて全く文字がないわけではなく
色んな言葉がそこには書かれているので
間違いなく学び要素はそこに含まれている。

得体のしれないスマホゲームを無限に
やり続けることに比べれば
とても素晴らしい過ごし方の様に
私の目には見えるのだ。

しかも、彼は決して家でゴロゴロするだけでなく、
友達たちと遊びに行ったりして
コミュニケーションを取っているし、
運動音痴ながら運動をしたり、
得意のあやとりなどを披露することもある。

今の時代に当てはめてみるならば
結構コミュニケーション力の高い
”陽キャ”のように見えるのだ。

だが、そんなのび太がテストを受けると
毎回見事なまでに0の数字を受け取る。

先ほども書いたようにのび太は
漫画という形で文章や活字に触れ、
友達とも何ら問題なくコミュニケーションを
取ることができる言語力があるにも関わらず、
毎回0点を取るということは
根本的に何かの理解が出来ていないと
考えるほうが自然ではないだろうか。

アニメの中では困りながらも彼は宿題を
やろうという姿勢は見せているし、
実際宿題を忘れたことで叱責を受けるシーンは
それほど多くない気がする。

つまり、何らかの形で宿題をやって
それを提出しているので、
問題が全くわからないなどと言うことは
ないはずである。

しかし、テストになると見事な0点。

あなたがこのような子供に直面したら
どのように接するだろうか。

この子は学校というモノサシでは測りきれないので
自由にさせてやるというのも
一つの考え方であろう。

何となくアニメで見るのび太の親の対応は
その方針の様にも見える気がする。

だが、学校は果たして0点を繰り返す
のび太に対してどうするべきなのであろうか。

いくら総合的に成績を判断するとは言っても
毎回テストが0点ならば
成績は悪くつけざるを得ないだろう。

それは彼が進学する時に引き継がれてしまうし、
彼がこの後に中学校に進んだ時に
このままでは同じ状況を繰り返してしまう。

もちろん沢山いる子供の中で
彼だけをピックアップして指導することは
難しいことは理解しているが、
私ならば彼が0点ということに対して
何か対処を考えると思うのだ。

ちょうど息子は今小学5年生で
のび太の1学年先輩になるわけだが、
息子の話に出てくる同級生の話を聞くと
のび太と同じように
友達と遊ぶことは全く問題がなくても
勉強についていくことができない子供が
いるようである。

学校側も色んな学習支援プログラムを用意して
対処してくれているようであるが、
それでも一朝一夕で改善するようなものではない。

何だか久々にドラえもんを見たことで
親として、そして地域の一員として
のび太のような子供をどうサポートしてやれるのかを
思わず考えてしまった。

相変わらずドラえもんにすぐに頼るのび太は
親となった今でも好きにはなれないが、
社会人になった時に人に頼ることができずに
悩む人が多いことを考えると(私もその一人である)、
この性質も悪くないような気もする。

やはり立場が変わると色んなものの
見え方が変わるものだなと実感した
祝日の朝であった。

ちなみに私の世代はドラえもんと言えば
大山のぶ代さんのイメージなので、
今のドラえもんはまだ新しいような
気がしていたのだが、
調べてみると今の声優水田わさびさんは
2005年4月からドラえもんの声優をしているらしい。

もはや20年近くではないか。

月日が流れる速さを実感するとともに
もはや”新しい”ドラえもんなどと言っていたら
違う意味で鬼に笑われそうである。


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