人に心【攣】かれること。
さくじつのブログでは、
【愛】という漢字について、白川静先生の
『常用字解[第二版]』で調べてみたですが。
そのブログを書いているなかでね、
ふと、篠原涼子さんの
『恋しさと せつなさと 心強さと』
のメロディが思いつき、すこし歌詞の引用もしながら、
この曲のタイトルがさ、そういえば、
「いとしさ」が、「愛しさ」ではなくって、
「恋しさ」だった、ということを、
あらためて思ったんだった。
字面で見ればわかっていたはずだけれども、
そう言われてみれば、その「いとしさ」が、
「恋」なのか「愛」なのか、って、
つよく意識していなかったな。
「恋」と「愛」のちがい、というのも、
話しの話題にのぼることもあるけれども。
そんなこんなで、昨日の【愛】に引きつづきまして、
【恋】という漢字もね、
白川先生の『常用字解』で調べてみたい。。。
【恋】 レン/こう・こい・こいしい・したう
形成。もとの字は戀に作り、音符は䜌。䜌に孌(したう)・攣(まがる)の音がある。古くは攣の字を使用したらしく、[漢書、外戚、上、孝武李夫人伝]に「上(君)の攣攣として我を顧念する(かわいがる)所以(理由)の者は、乃ち平生(ふだん)の容貌(顔かたち)を以てなり」の[顔師古注]に「攣、〜又讀んで戀と曰ふ」とあって、人に心攣かれることを戀といい、「こころひかれる、したう、こう、こいしい、こい」の意味に用いる。
‥‥とのことでして。
またもや、文献の用語が登場されていて、
内容もむつかしいのですが。
Wikipediaも見ながら調べてみれば、
中国後漢の時代、前漢について記された歴史書「漢書」の
「外戚伝・上」の「孝武李夫人伝」には、
【上の攣攣として我を顧念する所以の者は、
乃ち平生の容貌を以てなり】
ということばがあり、そして、
唐の時代の学者・顔師古の注として
【攣、〜又讀んで戀と曰ふ】
とあることから、もとは【攣】の字が使われており、
その字が【戀】と記されるようになりながら、
漢字の意味としても、
「人に心攣かれること」を【戀】と言うようになった。
【恋】という字が、かつて、
【戀】だった。つまり、
【恋】の旧字体が【戀】である。
というのも、聞いたことあると言えばあるけれど。
旧字体とは、たとえば、
「学」が「學」だった、などなどだとは存じますが。
漢字がどうして変化したか? みたいな経緯とかも、
ぜんぜん知らないんですが。
「糸」と「言」と「糸」の下に「心」が置かれている
【戀】の字を眺めると、どことなく、
ちょっとドキドキしてくる、というか。
どちらかと言えば、
【恋】よりも、【戀】のほうが、
「こい」に近そう、というか。
字の雰囲気的に、衝動さや、淡さや、
生々しさを感じるような気もするなあ。
【恋】と言えば、この季節、
B’zの『恋じゃなくなる日』を聴きたい〜。
冬の海辺をあてもなく歩いてぇ 二人で貝殻集めてー
令和3年12月14日
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