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PhD students in Human-Computer Interaction (HCI) コンピュータの新しい使い方を模索する私たちの研究を紹介します。 https://rikky0611.github.io/ & https://yumetaro.info/

最近の記事

Doctoral Consortium のススメ

筆者: 矢倉 (筑波大学大学院) この記事は、HCI Advent Calendar 2023 の 19日目の記事として書いているものです。前日枠の渡邉さんが、ACM UbiComp の Doctorial Consortium (DC) についてとてもいい記事を書いていらっしゃったのを見て、私もせっかくの経験をシェアできればと書いてみます。 概要今年、私は AAAI 2023 と ACM CHI 2023 の2つの国際会議で DC に参加しました。どちらもほぼ同じ構成な

    • 「HCI」と「おもちゃ」と「学術領域」

      筆者: 矢倉 (筑波大学大学院) 𝕏 がその SNS としての役割を変えつつある今となっては「HCI 研究おもちゃ論争」という言葉に聞き覚えがある人も少ないかもしれません。これは、2019年ごろに「HCIは『一見役立たなさそうなおもちゃのようなものに、理屈をこねくり回して正当化させるのが多いように感じ』る」という意見を述べた記事が話題となり、当時の Twitter 上で議論を引き起こしたというものでした。現在も残っている記事はこれくらいになってしまいましたが、多くの人が議論

      • WISSに初参加してきた

        筆者: 荒川 (カーネギーメロン大学) 2023/11/29 - 12/01 で八ヶ岳で開催された WISS (インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ) に参加してきた。日本国内のHCIの学会にきちんと参加するのは初めてだったので、その記憶が新鮮な状態で感想をメモしておく。 有り体に言えば楽しかった。独特の面白さ (後ほど触れる) を持つ研究に触れられたこと、日本語で多くの人と議論できたこと、夜遅くまで会場で懇親できたことなどが理由として挙げられる

        • (英語での)良い研究発表とは

          筆者: 荒川 (カーネギーメロン大学) この1週間は4つの別プロジェクトについての研究発表をする怒涛の日々だった (CMUの学科の教授陣に対するもの1つ※と、Ubicompという学会でのもの3つ)。第二言語 (英語) で研究発表するのはとても難しい。即興で文を繋ぐことが難しかったり、アクセント故にキーワードを伝えづらかったり、スライドの情報量の感覚が持ちづらかったりと、ものである。鉄則は事前の練習をすることが大事、であるがその際の指針的なものを備忘録としてメモしておく。Ub

        Doctoral Consortium のススメ

          [IMWUT2023採択] ウェアラブルEMF+IMUセンシングによる3D姿勢復元

          ヒューマンコンピューターインタラクション(HCI) のトップ国際論文誌のひとつである ACM IMWUT に、荒川(カーネギーメロン大学)が取り組んだ論文 “MI-Poser: Human Body Pose Tracking using Magnetic and Inertial Sensor Fusion with Metal Interference Mitigation” が Full paper で採択されました。これはARグラスと手首に装着したEMFセンサのみから

          [IMWUT2023採択] ウェアラブルEMF+IMUセンシングによる3D姿勢復元

          [IMWUT2023採択] スマートウォッチによる子供のADHD (多動性) 検出

          ヒューマンコンピューターインタラクション(HCI) のトップ国際論文誌のひとつである ACM IMWUT に、荒川(カーネギーメロン大学)が取り組んだ論文 “LemurDx: Using Unconstrained Passive Sensing for an Objective Measurement of Hyperactivity in Children with no Parent Input” が Full paper で採択されました。これは、スマートウォッチを用

          [IMWUT2023採択] スマートウォッチによる子供のADHD (多動性) 検出

          [IMWUT2022採択] 料理やセルフケアなどの行動ステップをトラッキングするマルチモーダルセンシングフレームワーク

          ヒューマンコンピューターインタラクション(HCI) のトップ国際論文誌のひとつである ACM IMWUT に、荒川(カーネギーメロン大学)、矢倉(筑波大学)が CMU の研究室で取り組んだ論文 “PrISM-Tracker: A Framework for Multimodal Procedure Tracking Using Wearable Sensors and State Transition Information with User-Driven Handling

          [IMWUT2022採択] 料理やセルフケアなどの行動ステップをトラッキングするマルチモーダルセンシングフレームワーク

          [CHI2023採択] GPTやStable Diffusionといった大規模生成モデルを使って、作業者のモチベーションを刺激し、タスクの先延ばしを防止する「触媒」としてのAIシステム

          ヒューマンコンピューターインタラクション(HCI) のトップ国際会議のひとつである ACM CHI 2023 に、荒川(カーネギーメロン大学)と矢倉(筑波大学)が後藤先生(産総研)と共同で執筆した大規模モデルを使った行動変容のためのAIデザインを提案する論文 “CatAlyst: Domain-Extensible Intervention for Preventing Task Procrastination Using Large Generative Models” が

          [CHI2023採択] GPTやStable Diffusionといった大規模生成モデルを使って、作業者のモチベーションを刺激し、タスクの先延ばしを防止する「触媒」としてのAIシステム

          ACM CHI '19に採択された研究を実世界に展開してCHI '23 Case Studyに出すまでの道のり

          ヒューマンコンピューターインタラクション(HCI) のトップ国際会議のひとつである ACM CHI 2022 には、Full Paper 以外に Case Study というトラックがあります。今回、荒川(カーネギーメロン大学)と矢倉(筑波大学)が共同で執筆した "AI for human assessment: What do professional assessors need?" がこの Case Study トラックに採択されました。 今回の Case Study

          ACM CHI '19に採択された研究を実世界に展開してCHI '23 Case Studyに出すまでの道のり

          [CHI2022採択] 最新の機械翻訳技術を組み込み、日常の至る所で自然と覚えたい外国単語に触れられる語彙学習システム

          ヒューマンコンピューターインタラクション(HCI) のトップ国際会議のひとつである ACM CHI 2022 に、荒川(カーネギーメロン大学)、矢倉(筑波大学)、小林(東北大学)が共同で執筆した、機械翻訳技術に基づいて日常の至る所で外国語の語彙学習を行うシステムを提案する論文 “VocanEncounter: NMT-powered Vocabulary Learning by Presenting Computer-Generated Usages of Foreign W

          [CHI2022採択] 最新の機械翻訳技術を組み込み、日常の至る所で自然と覚えたい外国単語に触れられる語彙学習システム

          [IUI2022採択] 不明瞭な音声も効率よく書き起こしするための機械学習とヒトの協働インタフェース

          ヒューマンコンピューターインタラクション(HCI) と機械学習の融合をテーマにした国際会議 ACM IUI 2022 に、荒川(カーネギーメロン大学)と矢倉(筑波大学)が後藤先生(産総研)と共同で執筆した効率的な音声書き起こしのためのインタフェースを提案する論文 “BeParrot: Efficient Interface for Transcribing Unclear Speech via Respeaking” が Full paper で採択されました。本記事ではその

          [IUI2022採択] 不明瞭な音声も効率よく書き起こしするための機械学習とヒトの協働インタフェース

          音声 x HCI 研究: 回顧録とこれから

          こんにちは。今回は HCI Advent Calendar 20日目の記事として、荒川 (Carnegie Mellon University) が、取り組んでいる 音声 x HCI の研究に関して考えていることをざっくり書きたいと思います。学部の卒業研究からなので比較的長く取り組んでいますが、最初から考えていた研究テーマではなく、あれよあれよと手探りを繰り返すうちに見えてきたテーマであるので、その道のりと今後やりたいことを書いていきます。 この研究は本年度の総務省異能va

          音声 x HCI 研究: 回顧録とこれから

          ACMの国際会議にアイドルの握手会についての論文を出すまで

          こんにちは。今回は HCI Advent Calendar 17日目の記事として、矢倉 (筑波大学) が ACM CHI 2021 に投稿した論文「No More Handshaking: How have COVID-19 pushed the expansion of computer-mediated communication in Japanese idol culture? (arXiv)」の内容と、採択に至るまでの経緯を紹介したいと思います。 研究のきっかけC

          ACMの国際会議にアイドルの握手会についての論文を出すまで

          CMU HCII 探検記

          HCI アドベントカレンダー 一日目の記事を、荒川 (Carnegie Mellon University) が CMU の Human-Computer Interaction Institute (HCII) での Ph.D. 課程の生活についてざっくばらんに書きたいと思います。 CMU HCII は HCI の分野では知られた機関ですが、あまり日本語でのリソースがなく、自分も昨年の大学院出願の際は、先輩に話を聞くなど人伝で情報を集めていました。せっかくの機会なので、内

          CMU HCII 探検記

          [CSCW2021採択] ドラマの視聴におけるインターネット上での考察文化の調査と、その追っかけ視聴への応用インタラクションについての研究

          ヒューマンコンピューターインタラクション(HCI)のトップ国際会議のひとつである ACM CSCW 2021 に、荒川(東京大学)と矢倉(筑波大学)が共同で執筆したシリーズ作品の考察現象に関する論文 “Reaction or Speculation: Building Computational Support for Users in Catching-Up Series Based on an Emerging Media Consumption Phenomenon”

          [CSCW2021採択] ドラマの視聴におけるインターネット上での考察文化の調査と、その追っかけ視聴への応用インタラクションについての研究

          [CHI2020採択] 機械学習による挙動の異常検知に基づいて、ビデオ振り返りをより効率的かつ効果的に行うためのツール

          2020年には、ヒューマンコンピューターインタラクション(HCI)のトップ国際会議のひとつである ACM CHI 2020 に、荒川(東京大学)と矢倉(筑波大学)が共同で執筆した挙動解析に関する論文 “INWARD: A Computer-Supported Tool for Video-Reflection Improves Efficiency and Effectiveness in Executive Coaching” が Full paper で採択され、ハワイで

          [CHI2020採択] 機械学習による挙動の異常検知に基づいて、ビデオ振り返りをより効率的かつ効果的に行うためのツール